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青木良太さんのうつわでお酒と料理を愉しむ。

2023.12.18
青木良太さんのうつわでお酒と料理を愉しむ。

東京・渋谷パルコ「Discover Japan Lab.」で2023年12月16日(土)〜2024年1月8日(月)にかけて開催される、陶芸家・青木良太さんの個展。
友人や親戚と集まることの多い年末年始に合わせ、酒器や大人数で使いたいうつわから、個性的な世界観に触れる。

青木良太(あおき りょうた)
1978年、富山県生まれ。自称焼物オタクの陶芸家。2002年、岐阜県土岐市にスタジオを構えて独立。1万6500年に及ぶ人類のうつわづくりの歴史を尊重しながら、従来の陶芸では使われなかったさまざまな素材を使い、新たな陶芸伝統を開拓中。

誰も見たことがない作品を
いつも追い求めて

青木良太さんという陶芸家には、まるで枕詞のように語られる実績が常について回る。

たとえば「年間1万5000回に及ぶ釉薬研究」と「10万を超えるレシピの創出」。それから、そうした途方もない経験を基に挑み続ける「前代未聞の素材の採用」。スワロフスキーを用いたうつわは、まさにその代表例だ。琥珀焼も同様。約1400年前に生きた聖徳太子が生涯をかけて研究したという琥珀を、2年以上の歳月をかけて、独特の風合いを再現してみせた。

青木良太さんの真骨頂と言っていいスワロフスキーを用いた酒器。美のために手間を惜しまない日本芸術への敬意を込めて製作。世界にひとつの特殊な窯で焼き上げているという

加えて「個性の豊かさ」。これは、個展で販売予定の作品の一部を見ただけでも明らかだ。一般的に陶芸家は、自分が得意とする作風を追求することが多い。しかし青木良太さんは、色・かたち・素材が異なる、強いて言えば毎回別人が手掛けたような作品を次々に発表してきた。

「それは、自分が使命として掲げる〝21世紀の陶芸はすべて自分がやり尽くしたと1000年後の世界で言われる〟ために必要な、当然の行いですから。いままで見たことがない、自分が好きなものをつくっているだけです」

この壮絶な想いが感じられる言葉と裏腹に、気負いなき語り口の発言に至るのも毎回のことだ。

「またおかしなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、満月の夜にはあの世へすでに旅立った陶芸家たちと、ゆっくり話すのです。彼らができなかったことを聞いて、この時代の僕の身体を通じて実現させるために。すると、自分の人生だけでは到達しきれないほど、やらなくてはいけないことがあふれてくるのです」

今回の個展では、青木さんが生み出したうつわが300点近く披露される。酒器をはじめとするうつわから、唯一無二の世界をその目で確かめてほしい。

読了ライン

2023年春の個展で初披露された「琥珀焼」シリーズ。独特な飴色のつやや風合いの再現は至極困難ながら、聖徳太子へと捧げる気持ちで仕上げた

年間1万5000回に及ぶ釉薬研究と
10万を優に超えるレシピ制作

釉薬の実験で得たテストピース
焼いてみるまでわからないのが陶芸の世界だという。陶芸家となって約20年、いまも研究を惜しまない

 


冬こそ迎え入れたい個展ラインアップ
 
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text: Tonao Tamura photo: Norihito Suzuki
2024年1月号「ニッポンの酒最前線」

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