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福島・矢祭町の魅力、知っていますか?
住民参加型《矢祭ブランド会議》がスタート!

2023.12.22 PR
福島・矢祭町の魅力、知っていますか?<br> 住民参加型《矢祭ブランド会議》がスタート!

東北地方最南端に位置する福島・矢祭町(やまつりまち)。復興庁では同県ならではの魅力を発信する環境整備を支援しており、矢祭町はこの取り組みに手を挙げた。Discover Japanは、矢祭町の住民と一緒に地域の魅力を再発見すべく、「矢祭ブランド会議」を発足。同町を訪問し、本プロジェクト始動の背景と町の様子をレポートしていく。

一番近い東北・矢祭町へ!
「自然」と「人」に会いに行きたい

JR水郡線「東館駅」。駅の隣には「矢祭もったいない図書館」が建つ

小高い山々に囲まれた福島・矢祭町は、人口約5400人、総面積118.27㎢の静かな里山の町。都心からは車と公共交通機関、それぞれ約3時間という好立地で“東北の勝手口”とも呼ばれている。町内には鮎釣りのメッカとして知られる清流「久慈川」が流れ、歌人・西行法師や「水戸黄門」でも知られる水戸藩主・徳川光圀らも魅了した景勝地「奥久慈県立自然公園 矢祭山」、樹齢600年に及ぶ福島県指定天然記念物「戸津辺の桜」などがあり、町内の至るところで四季折々の美しい自然が楽しめる。

自然と人との共生により営まれる豊かな暮らしこそ、矢祭町の魅力であろう。米、ユズ、イチゴ、鉢花といった高品質な特産品をつくる生産者、地域で親しまれてきた名酒「南郷」を醸す矢澤酒造店など、この地域に暮らす人々は自然の恵みを生かし、素晴らしい価値を生み出している。

住民皆が矢祭町PR大使!?
矢祭ブランド会議とは?

「矢祭ブランド会議」の参加者は、それぞれが感じる矢祭町の魅力と課題を出し合った。写真は、元矢祭町役場職員・片野順子さん

矢祭町の住民は、面倒見がよく温かい。密な地域コミュニティが存在し、支え合い、町の未来を真剣に考えながら、住民一人ひとりが暮らしやすい町づくりに貢献している。一方で、矢祭町の強みを表す共通言語がないことが課題のひとつだという。そこで2023年11月、住民と役場、町の活性化へ向けて伴走を続ける一般社団法人CSV開発機構、そして小誌が一体となり、矢祭町の潜在的価値を発掘するプロジェクト「矢祭ブランド会議」が始動。本プロジェクトは’23年11月、’24年1月の2回に分けて講演やグループディスカッションなどを行い、町の魅力を再発見すると同時に、町民たちが主体的に情報発信できる体制を整えていくというものだ。

東館駅の一角には、コミュニティスペース「ヒガシダテ待会室」がある

今回我々は、矢祭ブランド会議を開催するにあたり、観光名所、地域の歴史や文化に触れられるスポット、生産者たちを訪ねる視察を行った。スタート地点はJR水郡線「東館駅」。一般的な駅舎としては珍しく、ここには地域おこし協力隊が主導してつくり上げたコミュニティスペース「ヒガシダテ待会室」があり、フリースペースとして自由に利用できるほか、古着のリサイクル会や絵本のお話し会といったさまざまなイベントが開催されるなど、住民同士の交流が生まれる仕掛けが施されている。

矢祭町をめぐる中で、地域の豊かさに気づく

矢祭町の料理名人、本田治子さん。来客の際はお茶請けとして、手づくりの漬物やお総菜でもてなすという

東館駅から、まず向かったのは久慈川。ここで川の環境整備を行う久慈川第一漁業協同組合・須藤力さんによるアユ漁やアユの放流などの話をうかがった。久慈川流域には先人の知恵によって植えられた竹やぶがあり、聞くとこれは水害を防ぐ役割があるという。何気ない景色ひとつとっても、矢祭町の歴史と文化が息づいているのが興味深い。続く奥久慈県立自然公園 矢祭山では「矢祭町」命名の由来に通じる伝説が残る矢祭神社、久慈川沿いにある親水広場、弘法大師空海が護摩を焚いたとされる「夢想滝」を散策し、町の歴史と情景に触れた。

その後、矢祭町の料理名人・本田治子さんのもとへ。本田さんは本業の傍ら、自家農園で多種多様な農作物を育て、日々の料理のほか、漬物、果実酒、乾物などの保存食もつくるなど、食材を余すところなく使う豊かな暮らしを体現している。

出張直売所「矢祭もったいない市場」に出荷される野菜は、東京・品川など都内で販売される

矢祭町では、農家でなくとも野菜を栽培する方が多く、農業そのものも矢祭町の主要産業のひとつ。特産品である米やイチゴ、ユズに特化して栽培を行う生産者に加え、多品目少量栽培を行う生産者も少なくない。ゆえにどれだけ美味しく実っても、市場流通の規格に適合しなかった農作物はどうしても出てしまう。

「子ども司書講座」や「手作り絵本コンクール」など、幼少期から本に触れられる機会も創出

そこで2009年、地元有志により出張直売所「矢祭もったいない市場」を発足。60名ほどの会員が栽培した旬の野菜や手づくりの加工品などを、東京都内の直売所で月に8回販売している。「もったいない」は矢祭町の合言葉にもなっており、2007年には全国から寄贈された約48万冊の蔵書をもつ「矢祭もったいない図書館」も開館した。

風土が育む恵みと、それを生かす力。

続いては、矢祭町で精力的に活動をされている方のもとへと向かう。一人は日本酒「南郷」などを醸造する矢澤酒造店・矢澤真裕さんだ。矢澤さんは南郷に惚れ込み、運命に導かれるように43歳で蔵元になった人物。町内の流通が中心だった南郷の美味しさをより広く、次世代にまで伝えていきたいと、間口を広めるため新たな日本酒開発を進め、多数の賞を受賞している。もう一人は、創業100年余りの鮮魚店「丸安魚店」と小料理店「さかな家」を夫婦で営む丸山美佳子さん。矢澤さん同様、丸山さんも未来を見据えた取り組みを行っており、その姿勢や行動力は、矢祭町の魅力をよりいっそう広げる可能性を秘めている。

2023年4月にオープンした矢澤酒造店の酒蔵カフェ&ショップ。建築は内藤廣建築設計事務所が手掛けている

矢祭町にはこの土地が育んできた素晴らしい素材と、それを生かす力をもつ素晴らしい人材がいる。温浴宿泊施設「ユーパル矢祭」で東館温泉に浸かりながら、今日の出会いを思い返す。そしてふと、「この湯も矢祭町の自然からの恵みなのだな」と感じるのだ。

矢祭町ブランド会議、いよいよ始動!

視察の翌日は、第1回目「矢祭町ブランド会議」を開催。生産者、地域おこし協力隊、福島大学の学生、元矢祭町役場職員など、さまざまなキャリアをもつ12名が参加した。「矢祭町の地域コミュニティがもつ温かな関係性は素晴らしい。私もお手伝いしたいと思い、矢祭ブランド会議に参加しました」と、矢祭町議会議員の大森泰幸さんは意気込みを語った。

第1部はDiscover Japan代表・高橋俊宏による講演。「地域ブランドのつくり方」をテーマに、小誌が携わった佐賀・嬉野の「嬉野ティーツーリズム」など地域ブランディングの事例を交えながら、地域ブランドを生み出すためのポイントを説いていった。第2部のワークショップでは、参加者がふたつのグループにわかれ、「私が思う、矢祭町の魅力と課題」をテーマにディスカッション。

「矢祭町ブランド会議」の冒頭には、矢祭町の町長・佐川正一郎さんも同席した

ワークショップを通して町民から出てきた魅力は、久慈川、滝川渓谷、戸津辺の桜、氷華(シガ)など自然にまつわるもののほか、アユやイチゴ、ユズ、こんにゃく、カツオ、地酒など食にまつわるもの。そして地域コミュニティ、職人気質など地域性にまつわるものというように、意見が続出。一方、人口減少、プレイヤー不足、交通の便が悪い、アピールが苦手、交流拠点が少ないといった課題も浮き彫りとなった。

鮮魚店「丸安魚店」の丸山美佳子さん。結婚を機に移住し、商店街などの活動に積極的に参加するなど、活性化に向けて尽力する

矢祭ブランド会議に参加した「丸安魚店」丸山美佳子さんは、「結婚を機に矢祭町へ移住しましたが、地域の方々の“カツオ偏愛”に驚きました。この町は農業が盛んなので、新ニンニクの季節になると、それを食べるためにカツオを買い求める方が多くいらっしゃるんです。ここならではの食文化に携わる仕事ができて幸せです」と話し、「夫婦で営む『さかな家』には、矢祭町の魅力を再発見できる場所にしたいという想いも込めています。仕事でも趣味でも、住民皆が好きなことにチャレンジできる町になっていけるとうれしいです」と、地域に懸ける想いを伝えた。また元矢祭町役場職員・片野順子さんは「『矢祭町は素晴らしいところ』と、老若男女が誇れる町づくりが必要だと考えています。ここにしかない地域資源が足元に眠っていることを、まずは私たちが認識しなければなりません」と、矢祭ブランド会議への期待を寄せている。

読了ライン

まだまだ矢祭町のブランドを発掘していきます!

次回の矢祭ブランド会議は、2024年1月21日の開催を予定しており、続編として本サイトでもお届けする。皆で再発見した矢祭町の魅力とは何か? 乞うご期待!

 


第2回の様子もご紹介!
 
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福島・矢祭町の魅力を探る住民参加型《矢祭ブランド会議》

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第2回矢祭町にしかない原石を磨く!食文化を支える人たち

text: Nao Ohomori photo: Hiroyuki Kudoh

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