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伝統技術と“遊び”が生んだ
新ブランド「AMUAMI」とは?
進化を続けるニッポンの伝統工芸【中編】

2023.4.28
伝統技術と“遊び”が生んだ<br>新ブランド「AMUAMI」とは?<br><small>進化を続けるニッポンの伝統工芸【中編】</small>

伝統技術ディレクター・立川裕大さんによる新ブランドが誕生した。その名は「AMUAMI」。遊び心あるプロダクトで、日本の伝統技術と美意識を世界に発信する。

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工芸大国だからできる技と技との掛け合わせ

複雑な表情としなやかな強さをもつ立体組子の家具。自然を縮小して鉢の中で表現する盆栽のように、清水寺の懸造りを縮小して室内に取り込んだかのような世界観をつくり出す

AMUAMIのファーストコレクションは前編で紹介した作品のほか、格子状に組み上げた立体組子の家具、絹を袋織りにした真田紐を掛け合わせたシルク100%のランプシェード、組子や螺鈿などの伝統工芸で装飾を施した木箱、竹藝家/バンブーアーティスト・中臣 さんとのコラボレーションによる照明、神奈川・東京・埼玉の手仕事を掛け合わせた手元供養品「五輪塔」からなる。
 
「全部合わせて、1ダース以上の伝統技術が入っています。日本には名もなき職人がたくさんいて、各地にいろいろな技術が残っている。その技術を掛け合わせることで、いままでにないユニークなものが生まれます」
 
掛け合わせるにあたっては、職人にお題を提示することを忘れない。
 
「可能かどうかの際を問い掛けるようにしています。『HOUSE IN TOKYO』でコラボレーションしたイギリスのデザイナーも驚いていましたが、日本の職人は『できない』と簡単には言いません。技術と向上心が育つ環境づくりにも、AMUAMIとして関わっていきたいです」

球形の型に約5500mの生糸を濡れた状態で巻き付け、乾燥後に型を取り除いた、シルク100%のランプシェード。スタンドを覆う筒状の真田紐は、世界一細い織物ともいわれる
photo: Tomoaki Okuyama

清水の舞台を思わせる連なりが美しい立体組子
日本最大の家具産地である福岡・大川市に伝わる伝統工芸・大川組子を、グリッド(格子)状に組み上げた立体組子は、前田建具製作所独自の技術。精緻な組子が幾層にも重なり、奥行きを見せるその姿は、京都・清水寺本堂の床下で舞台を支える懸造りを思わせる。

組子…前田建具製作所/福岡

きよみず Kiyomizu (small)
価格|22万円(予定)
サイズ|W380×D380×H415㎜
素材|ウォールナット

きよみず Kiyomizu (medium)
価格|26万円(予定)
サイズ|W480×D480×H515㎜
素材|ウォールナット

きよみず Kiyomizu (extra large)
価格|180万円(予定)
サイズ|W1800×D715×H415㎜
素材|ウォールナット

1/1000㎜単位で木材を加工できる機械を巧みに操り、寸分の狂いなく切り出したパーツは、気温や湿度で絶えず変化する。その状態を五感で確認しつつ正確に、整然と組み上げていく

つややかに輝くシルクのランプシェード
生糸の一大産地、長野県・岡谷の味澤製絲は1912年創業。世界に2台しかない機械を使い、絹のランプシェードをつくり出す。ランプを吊るす紐やスタンドに合わせたのは、同じく絹を使った真田紐。1914年創業で、関東で唯一の真田紐工房が手掛けた。

生糸…味澤製絲/長野
真田紐…市村真田紐織元/東京

綾巻 Ayamaki Pendant Light
価格|8万円(予定)
サイズ|φ300㎜
素材|シェード/絹、灯具/スチール+古美色メッキ、真田紐(正絹)+コード

photo: Tomoaki Okuyama

綾巻 Ayamaki Stand Light
価格|11万円(予定)
サイズ|φ300×H432㎜
素材|シェード/絹、脚部/SUS+真田紐(正絹)、コード

特別な機械で、300以上の繭から直接、糸を巻き上げ、ランプシェードをかたちづくる。職人はその間、糸の状態を見守り、機械を調整するなど、つきっきりで作業する

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text: Miyu Narita photo: Tomoaki Okuyama, Kazuhiro Shiraishi, Taiki Fukao
Discover Japan 2023年4月号「すごいローカル見つけた!」

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