「明神館」松本で絶景温泉と信州食材フレンチを堪能する
長野県松本市の春の訪れを告げる山の花々、夏の目を潤す新緑、秋のまばゆい紅葉、冬の幻想的な冬景色……。季節のうつろいを間近に感じられる借景立ち湯がシンボルの山中のラグジュアリーな一軒宿。極上の温泉に加え、信州の食材を生かした絶品フレンチも待っている。さあ、自分へのごほうび温泉宿を心ゆくまで堪能しに行こう。
神話に包まれるご褒美宿
標高1050m、松本市東部の山中にひっそりと佇む一軒宿「扉温泉 明神館」。伝説にちなんで神さまの宿「明神館」と命名されたという。湯治場から世界の高級旅館へ、外国人客も多い旅館に成長した明神館はもはや秘湯などとは言えそうにない。はじめて訪れたときから、信州愛の強い私はこの宿に惹かれ、縁を感じ四季を通じて訪れている。いつの季節がベストかと問われても、いずれの季節も魅惑の旅館だ。
1931年6月、創業者である齊藤武茂氏が「明神館」を開業し88年目を迎える。そして時代は移り、数年前には新たに後継者として若き4代目、齊藤忠政氏が総指揮を執りはじめた。名温泉宿の歴史は、常に、滔々と湧出する温泉とともにあり、進化を遂げながら確かな時を刻んでいる。
温泉旅館の魅力を世界に発信する
このたび、神話に包まれる明神館の温泉に、久しぶりのご褒美旅行を決めた。扉温泉にまつわる神話にあるのが、“神さまの入った湯”であるとの伝承だ。このあたりは神さまたちの湯治場だったというではないか。神さまが浸かったかもしれない湯に浸かれる……のである。それほどに“いい湯”であるということだろう。泉質はアルカリ性単純温泉。神話はともかく、婦人病や美肌の湯でもあり、これはうれしさも倍増する。ついついこんな他愛もない理由に、私も含め女性は一喜一憂する。
館内にある風呂は露天風呂付きの大浴場「白龍」、立ち湯「雪月花」、寝湯「空山」と種類が揃い、館内にいながら風呂めぐりができる。さらに、多くの客室に温泉が引かれた内風呂があり、温泉三昧は言うまでもない。とりわけ半露天風呂の立ち湯「雪月花」の人気は高いままにある。湯船の手前は浅く、渓流を真下に見る山側に行くにつれ深くなり、インフィニティプールのように立ったままエッジに寄りかかり外の景色が眺められる。たとえば冬の時期、新雪が積もれば幸運! 外の情景は墨絵のように美しい。温かい湯に浸かり季節を肌で感じ、自然との一体感に浸れる半露天の醍醐味はたまらない。
自家栽培の無農薬野菜や信州食材を生かす
一方、温泉とともに常に宿の主役を争うのが食事だ。信州ダイニング「TOBIRA」では、“出汁にこだわり旬を食す”と信念を語る和食料理長・枝木将幸氏が腕を振るう。同時に、明神館にはもうひとつ食の選択肢がある。旅館では珍しい世界レベルのフランス料理だ。「ナチュレフレンチ 菜」で食せるのは健康的で本格的なフランス料理。KUSHIマクロビオティック認定シェフの統括総料理長・田邉真宏氏が、「身土不二」精神に基づき調理する料理は、地元信州の食材を中心に松本の季節を芸術的に皿に盛りつけられる。ソムリエの薦めるワインや日本酒とのマリアージュも楽しめ、クオリティの高い食事が堪能できるのだ。
守りたい価値のあるものが多い入山辺地区
明神館がある入山辺地区は、1964年以来、八ヶ岳中信高原国定公園に指定されている。伝統文化や食文化が豊かな地域で、神々が愛でた温泉まで湧いている。まさに守りたい価値のあるものが多いエリアだ。
温泉や美食など魅力の詰まった明神館は、いま世界的な豪華ホテルグループ「ルレ・エ・シャトー」のメンバーとして、世界中のトラベラーに日本旅館の伝統や価値を発信している。
さらに2019年は、創業88周年を迎える祝賀の年でもある。この好機に際し、この4月には、歴史ある中山の古民家での滞在(寝室数4室)を提案する古民家農泊事業を開始。現代では贅沢となった自然回帰や観光の原点を目指し、実際に体験をしてもらう斬新な施設が誕生する。
信州の山の湯宿に向かう理由は、温泉、冬景色、食事。そしてこの未来志向の宿る温泉旅館から発信されるエネルギーにあるのだ。
明神館
住所|長野県松本市入山辺8967
Tel|0120-37-1810
料金|1泊2食付3万3000円〜(税・サ込、入湯税150円別)
カード|AMEX、DC、VISA、JCB、MASTER、NICOS、US、銀聯
IN|15:00
OUT|12:00
アクセス|
車/長野自動車道 松本ICから約40分
電車/JR松本駅から無料送迎
バスあり(要予約)、またはタクシーで約30分
館内施設|レストラン(フレンチ、日本料理)、サロン1050、テラス(1F)、オープンテラス(2F)、トリートメントルーム、売店、談話室、クラブラウンジ、宴会場
ネット|Wi-Fi
信州食材をふんだんに使った
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「明神館」で振る舞われる料理の一部を、Discover Japan公式オンラインショップにて販売中! 気軽に自宅にいながら、ちょっとした贅沢と旅気分が味わえます。
text: Kyoko Sekine photo: Atsushi Yamahira
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