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和歌山から全国へ広がる
「光のまちづくり」【前編】
|タカショーデジテックが仕掛ける閑散期のまちづくりとは?

2025.9.25 PR
和歌山から全国へ広がる<br>「光のまちづくり」【前編】<br><small>|タカショーデジテックが仕掛ける閑散期のまちづくりとは?</small>

オフシーズンやナイトタイムの観光は、地域が直面している課題のひとつ。和歌山市も抱えていたこの悩みに応えたのはイルミネーションの力。屋外照明の専門メーカー「タカショーデジテック」が切り開く、光のまちづくりに迫る!

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光を灯せば、まちは変わる

351本の木が100万のLEDをまとった
KEYAKI Light Parade by FeStA LuCe(けやきライトパレード バイ フェスタ・ルーチェ)

年々規模が拡大しており、2025年度は130万球もの電飾が並木道を彩る予定。和歌山城のライトアップやドローンショーなど、期間中は多数のナイトタイムコンテンツも仕掛ける

地域の観光は、大自然の絶景や文化財めぐりなど、日中がピークタイムであることも多く、和歌山市も夜やオフシーズンの観光に課題を抱えていた。

そのような状況の中、閑散期の和歌山市に人々が足を運ぶようになったのは、屋外照明の専門メーカー「タカショーデジテック」の挑戦の結果だ。「私たちは“光の演出で人の心を彩る”を経営理念に掲げており、明かりが灯った瞬間に生まれる人の感情を大切にしているんです」と代表の古澤良祐さん。和歌山を光で彩ることで盛り上げようと、タカショーデジテックによるまちづくりがはじまった。

2024年度の冬、和歌山けやき大通りの街路樹を幻想的に彩ったイベントの様子。JR和歌山駅から和歌山城までの約2㎞にわたる街路樹を光でつないだ

そのひとつが、JR和歌山駅から和歌山城方面へと続く目抜き通りの街路樹を、100万球もの電飾が彩る「KEYAKI Light Parade by FeStA LuCe」。開催前は「冬の和歌山に観光客が来るのは難しい」と言われるなど地元の声は厳しかったが、2024年度の延べ来訪者数は約18万人。2.1億円もの経済波及効果も創出した。

公共交通機関や近隣の飲食店、そして和歌山市とも連携し、地域全体でイベントを盛り上げ、結果、子どもから大人まで約18万人が来場。次回の開催も決まり、和歌山の冬を告げる新たな風物詩となった

「僕は光のまちづくりによって、暮らしている人たちが自分の街を誇れるようになることが何より大事だと思っていたんです。住んでいる人が自慢できる街であれば、他府県からも自然と人は訪れるし、友人だって呼びたくなるものなんです」。そう語る古澤さんは、自ら実行委員会を立ち上げ、委員長として行政や地元企業などを巻き込みながら委員会方式で運営を行ってきた。古澤さんの戦略は功を奏し、2024年度の本イベントはイルミネーションストリートとして日本一※に輝き、大きな成功を収めた。その熱気を受け、2025年度の開催もすでに決定している。

※2024年の一般国道、都道府県道、市区町村道において連続的に取り付けられるLEDの球数として。2024年11月和歌山けやき大通りイルミネーション実行委員会調べ。

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光のまちづくりの原点とは?

和歌山の冬の風物詩
FeStA LuCe in 和歌山マリーナシティ

2017年度にスタートした、ヨーロッパのような街並みをカラフルに彩る光のショー。毎年テーマを変えたイベントは、和歌山市の訪問観光客数の増加につながっている

そんな光のまちづくりの原点は、2017年度に「和歌山マリーナシティ」で開催された「FeStA LuCe」にさかのぼる。海に浮かぶ人工島のため、夏がオンシーズンである複合リゾートだが、中でもヨーロッパの街並みを模したテーマパーク「ポルトヨーロッパ」は、ひと際美しい存在。「この街並みが生かされていないなんてもったいない。冬にイルミネーションイベントを開催すれば、ヨーロッパのクリスマスフェスにトリップしたような体験を提供できるのでは」と古澤さんは考え、結果として毎年約10万人が訪れる人気イベントに。

さらに、古澤さんは、FeStA LuCeを訪れるついでに近隣の観光地をめぐり、地元での食事や買い物などを楽しんでもらえば、エリア全体が観光地化することまで見据えていた。そのためには、周辺地域までライトアップした「光でつなぐ和歌山」が不可欠だと、行政と協力することに。この取り組みこそがKEYAKI Light Paradeの発端であり、コロナ禍を挟んだ8年間、イベントの灯が消えることは一度もなかったという。

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光のまちづくりは全国に広がっています!

真っ暗な温泉街が夜も楽しめる観光地に
和倉温泉

旅館やホテルで完結するバスツアーから、浴衣姿で夜の温泉街へと繰り出す楽しみ方へと変化している温泉旅のかたち。夜の温泉街に光を灯すことで、飲食店や土産物店が夜間も賑わうようになるなど、温泉街のライトアップはタカショーデジテックの好事例に
大阪の新たな風物詩への挑戦
泉穴師神社

行政とタッグを組んだ取り組みのひとつ。照明デザイナーが地域の観光資源を光で演出することで、付加価値を与えるとともに、街の安全性も高めることに。夜の散歩コースに仕立てることで、ナイトタイムエコノミーにつながるような取り組みを目指した
空き家を光のアートに!
「照らしちゃる矢櫃 Yabitsu Light Up Project」

約44%が空き家である和歌山の矢櫃地区にて、3日間限定のシークレットイベントを開催。街の美しさ、かつての賑わい、現状の寂しさや危機感というメッセージを込めた光によるインスタレーションアートは、世界三大デザイン賞「iFデザインアワード2024」を受賞した
ファミリー層を中心に集客
「FeStA LuCe in えひめこどもの城」

四国で2024年度に初開催されたFeStA LuCeは、初年度から8万人を動員することに成功。いまやFeStA LuCeは全国各地で開催され、各開催場所の世界観に合わせてイルミネーションが設計されている。FeStA LuCeイベント全体の累計来場者数は100万人を突破した

 

地域の誇りを生み出す、
光の力とは?

 
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タカショーデジテックの戦略
01|和歌山から全国へ広がる「光のまちづくり」
02|地域の誇りを生み出す、光の力とは?

text: Natsu Arai
2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。/九州」

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