インフィニートホテル&スパ 南紀白浜
日本三古湯を堪能する絶景リゾート
日本書紀に、牟婁温湯(むろのいでゆ)、紀温湯(きのいでゆ)として登場する和歌山県・白浜町の白浜温泉。悠久の時代から温泉が湧き出ており、古の天皇も行幸し浴していた。いまも滔々と湧き出る温泉は愛しくも神々しい。そして、かつて関西の上流階級が集ったというホテルは、その名湯を宿したままスタイリッシュによみがえり、日本メイドの上質なリゾートとして扉を開けた。
せきねきょうこ
1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多く、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタントやアドバイザーも兼任。著書多数。www.kyokosekine.com
温かく機転の利いた
サービスと居心地のよさ!
南紀白浜空港から車でわずか5分、ゆるやかな丘の頂を上り詰めると、スタイリッシュな趣のリゾートホテル「INFINITO HOTEL&SPA 南紀白浜」に突き当たる。前面はもう海のみ、建物が建つのが高台の突端だとわかる。
どこか豪華客船のような内装のレセプション回りや、広いラウンジに入ると大きなガラス窓からは南紀白浜の海岸線と、空と海が織りなす大パノラマが迫りくる。2方向がガラスに覆われたつくりで、風景との一体感がたまらない。窓辺には海に向かうカップル席が置かれ、その特等席では、母娘、恋人同士、熟年夫婦らなど二人連れが座りほとんど動かずにいる。時を忘れるほどの絶景に、きっと言葉も忘れているのだろう。
南紀白浜は、戦後から当時の新婚旅行の憧れの地として在り続け、熱海や宮崎と並び昭和観光史のトップに座してきた日本有数の景勝地。その全貌がこのリゾートから一望できるのだ。
リゾートのオーナー夫妻に南紀白浜とリゾートの魅力について聞いてみた。社長いわく「とにかくゆったりと滞在してリゾート自体を楽しんでいただきたい。うちの温泉は白浜温泉のひとつ、行幸源泉からのお湯。白浜温泉は1400年の歴史があり、飛鳥、奈良時代から「牟婁温湯」、「紀温湯」の名で知られ、文武天皇をはじめ多くの貴人たちが来泉された由緒ある温泉なんです」。確かに斉明天皇、天智天皇、中大兄皇子など、文献には多くの貴人が訪れた記録が残る。『日本書紀』にも牟婁温湯の名が登場する。さらにここ南紀白浜は神々の宿る地域に囲まれている。伊勢神宮(三重県)、熊野三山(和歌山県)、高野山(和歌山県)など、名刹・古刹や高名な神社が鎮座する地域だ。この地域を俯瞰すれば白浜は神々が行き交うパワースポットのようである。周辺の空気がすがすがしいのも、安息を求めるリゾート地として優れた条件となる。
さて、話は館内に戻ろう。館内には、いくつもの温泉風呂が用意されている。それぞれに露天風呂とサウナの設置された2カ所の大浴場「海」、「空」のほか、クリエイティブ露天風呂「昴」がある。いずれも湯に浸かりながら、幸せな活力に満たされる朝陽も、感動的に美しい夕陽も満喫できる。ラウンジの一画にはライブラリーがある。仕切りの向こうにはスモーキングルーム「PEAK BAR」が。ここはシンプルモダンなラウンジとは対照的に重厚感のある英国調のしつらえが目を引く。
そして、滞在には欠かせない食事は、イタリア人シェフ、ダル・ボスコ・ジョヴァンニさんが腕を振るう本格的イタリア料理である。
新鮮な南紀食材でつくる
イタリア創作料理の数々
レストラン「ジョヴァンニ」には地元のリピーターも少なくない。シェフのジョヴァンニさんはイタリアでの経験を礎に、出身地であるヴェローナの郷土料理を融合させ、イタリア創作料理を提供している。南紀の新鮮食材を用いた料理は地元でも好評だ。ジョヴァンニさんの優しい笑顔や片言の日本語対応も真摯な料理に華を添えている。
リゾート内別館には、絶品の創作和食処「凪」もある。天ぷらカウンターを別に備えた本格的な店舗だ。新鮮な魚介類や旬の食材が惜しげもなく調理される贅沢な創作和食である。現在「凪」は夕食のみの営業だが、宿泊予約の際には和食希望と伝えれば、オリジナル創作和食がいただける。
さらにエステティックサロン「ラ・メール」では、古座川町(紀伊半島南端の農村)産の柚子の香りの「YUZUシグニチャー」を提供し、ここだけのご当地メニューとして売り出し中だ。滞在日、サロンでトリートメントを受けてみたら、セラピストの確かな技術力にすっかり癒され、心身の緊張がゆるんでくれた。食べて、飲んで、癒される……これがリゾート滞在の醍醐味である。
和歌山の幸を生かしたイタリアン
歓迎のひと皿
香ばしい手づくりグリッシーニと「バルサミコジャム」入りチョコレート
アンティパスト
ナスのソテー、鯛のカルパッチョ、サーモンムースのシュー、馬のカルパッチョ
ソテー
サーモンにはバジルとセロリのソース、カンパチにはレッドビーツのソース添え
パスタ
トマトソースのリングィネ、左はトマトにチーズソース。トマトはイタリアンの王道
リゾット
黒ニンニクと松茸入りの秋の味覚“リゾット”。黒大ニンニクはシェフ好みの食材で香ばしさを増す
セコンド・ピアット
貝殻をかたどった生パスタに、アワビのソテー、トマトや旬の野菜を添えて。海が香るイタリアン
フォルマッジョ
夏の花火に見立てたチーズ盛り合わせ。リンゴマスタード入りペコリーノ、フォンティーナなど
ドルチェ
ピスタチオがトッピングされた濃厚ショコラのタルト、フルーツとジェラート添え
ビュッフェスタイルの朝食
「ジョヴァンニ」での朝食ビュッフェは和洋のバリエーション。左は洋朝食、特にホームメイドパンは絶品!
イタリアワインからオリジナルまで
《ビール》
ザ・プレミアム・モルツ(生)900円
《泡》
フランチャコルタ・ブリュット 1万1000円
《白》
ヴィエリス ソーヴィニオン2014 1万4500円
INFINITOオリジナルワイン2011 8900円
《赤》
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシッコ 9500円
INFINITOオリジナルワイン2008 7300円
旬の味ごよみ
春(3〜5月)
イサキ、鰹、アワビ、ソラマメ、タケノコ、菜の花
夏(6〜8月)
アオリイカ、アワビ、イサキ、つめ貝、トマト、ナス、クルミ、カボチャ
秋(9〜11月)
クエ、伊勢エビ、鰺、流れ子(トコブシ)里芋、大根
冬(12〜2月)
クエ、伊勢エビ、本マグロ、ビン長マグロ、メジナ、ブダイ、絹さや、エンドウ、タラの芽、フキノトウ、大根
新感覚の創作和食も用意
趣向の異なる大浴場
スパでよりリラックス
使い心地のいいアメニティ
バスアメニティ
ブルガリのシャンプー&シャワージェル、ボディローション
バスローブ
白のタオル地製バスローブ。通常より軽さと着やすさが快適
パジャマ
ワンピースの地柄入りパジャマは紺のパイピングに高級感
タオル
しっかりと目のつまった今治タオルは水切れもよく高品質
羽織
男女用の色違いが用意された浴衣用の羽織は春夏用袖なし
浴衣
男性用ブルー系と女性用の桜模様の赤系。浴衣は温泉必需品
インフィニートホテル&スパ南紀白浜
住所|和歌山県西牟婁郡白浜町2018
Tel|0739-42-2733 Fax:0739-43-1007
客室数|74室 料金:1泊2食付2万3300円〜(税別)
カード|AMEX、DINERS、JCB、Master、VISA、銀聯
チェックイン|15:00(最終チェックイン21:00)
チェックアウト|11:00
アクセス|車/阪和自動車道南紀田辺ICから約2時間30分電車/JR白浜駅からタクシーで約15分JR大阪駅から車で約2時間30分
施設|ラウンジ、ガーデンレストラン「ジョヴァンニ」、和食お食事処「凪」、バンケットルーム、宴会場、ライブラリー、ピークバー(スモーキングルーム)、エステサロン、フィットネスジム、源泉かけ流し大浴場(内風呂2、露天風呂3、サウナ2)
インターネット|Wi-Fi
http://hotel-infinito.co.jp
text : Kyoko Sekine photo:Yuichi Noguchi plan :A2WORKS
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