熊本・黒川温泉《Kloar/RETEN》
地域由来のオイルで、黒川温泉郷を全身で堪能する
2024年夏、熊本・南小国町の黒川温泉郷で、阿蘇の米ぬか油と小国杉を生かしたヘア&ボディオイル「Kloar(クロアー)」が誕生。宿と地元企業「RETEN」が手を取り合ってつくったここにしかないオイルが、黒川温泉郷の魅力をさらに深化させている。
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黒川温泉発
風土を映すオイルが誕生!
熊本の奥阿蘇にある黒川温泉郷。緑に抱かれた秘湯は、約30年前から「黒川温泉一旅館」という理念を掲げ、温泉街全体がひとつの大きな旅館として一体となりゲストを迎えてきた。景観を統一し、立地を生かした野趣あふれる露天風呂が点在する、上質な里山の温泉地として、全国区の人気を誇る。そしていま、黒川温泉郷のこれからを見据え、若い世代が動きはじめている。
まず立ち上がったのは、「山みず木」、「山みず木別邸 深山山荘」代表の後藤浩一郎さん。 「黒川温泉に滞在するゲストの喜びや満足度をさらに高められるような、ここでしか使えない特別なものをつくりたい」 との想いに共感した「旅館 山河」、「お宿 のし湯」も集まり、話し合い、この4宿ならではの限定アメニティをつくれないかと発案。
その想いを、黒川温泉をもっと活性化させたいと奮闘する地元企業「RETEN」が受け取り、商品化を進めた。 そして、RETENの代表・穴井憲生さんが、黒川温泉発のライフスタイルブランド「Kloar」を立ち上げた。ブランド名はFolklore(民間伝承)から着想を得て、「黒川とともにある」という意味を込めた造語。第1弾のプロダクトとしてヘア&ボディオイルが2024年夏に誕生した。
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温泉街活性化を目指した
風土を生かしたオイル
ベースとなるのは無農薬のお米からの”米ぬか”。自社の圧搾機で抽出することで、濃厚な栄養成分を閉じ込めたフレッシュな米ぬかオイルが出来上がる。米ぬかがもつ、抗酸化力や血行促進効果など、肌にうれしい効果が期待できる。
また、香りづけには、南小国町のブランド杉・小国杉の間伐で伐採された枝葉に着目。こちらも自社の水蒸気蒸留機を使い、抽出した小国杉の精油をベースに調香師がつくり上げた香りは、杉のすがすがしさとシトラスが柔らかく香り、深呼吸すると森をまとっているような心地よさに満たされる。無添加の素材にこだわり、肌にも環境にもやさしいのがうれしい。
そしていま、RETENの地域資源を活用したオイルはアメニティとして、4つの宿での提供がはじまっており、現在はおもにエリア内を中心に年間約2〜3万個が流通。今後は一般向けにオンラインでの販売も予定している。
「お宿 のし湯」の若女将・穴井実沙さんはこう話す。「山奥にある黒川温泉に来るまでにむくんでしまった脚を、湯上がりにゆっくりオイルでマッサージすることがおすすめです」。香りに満たされながらのマッサージは至福のひととき。外出前には、髪につけるといいつやが出てスタイリングにも使える。ポーチに入る10㎖サイズのため、滞在後に、風土を閉じ込めた香りを旅のお供に連れて帰ることも。年内にはKloarの第2弾として、小国杉の精油と、黒川温泉水をたっぷり使ったバスオイルを発売予定。農業や林業など地元の産業と宿が生み出した、小国杉が心地よく香るプロダクトとともに、秋の黒川温泉を旅したい。
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Kloarと旅する黒川名宿めぐり
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Kloar
問|RETEN
Tel|050-8885-9374
Mail|info@reten-official.com
https://kloar.jp/
text: Nozomi Kage
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