《三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺》
京都の心を次代へつなぐ、寺院一体型のユニークなホテル
歴史ある寺院と一体化したホテルは、寺院が抱える問題を斬新な発想で解決した“次世代に向けた寺のホテル”。余白の美を体現する美術館のような空間で、ホテルライフと寺院ならではの風情を同時に味わえる。
寺院×ホテルによる
異色コラボレーションの妙
寺町通から延びる約40mのアプローチ。その〝参道〞の先には、寺院と共存するユニークなホテルがある。京都には、観光客が足を運ぶ有名な寺院や、京都で暮らす人々の心のよりどころとなっている寺院が数多くあるが、中には建物の老朽化や後継者の不在などのため、存続の危機に瀕している寺院もある。800年以上の歴史をもつ浄教寺もそのひとつだったが、三井不動産とのコラボレーションにより、〝次世代に向けた寺のホテル〞として生まれ変わった。
再生にあたって大切にしたのは、〝寺を継承する使命や、京都の心でもある寺を身近に感じてほしい〞という住職の願い。毎早朝に本堂で行われる「朝のお勤め」への参加(有料・定員あり)や、住職による御朱印帳への記帳など、寺のホテルならではの体験を通して、その想いを体感したい。
外観には寺院ならではの意匠を施し、インテリアデザインは〝余白を大切にした、詰め込まない世界〞をコンセプトとした。その想いを集約したロビーは、高さ約7m・2層吹き抜けの開放的な空間。白壁には、仏教の思想である〝空くう〞をテーマにした毛筆アートが描かれ、全体に寺院のような荘厳な雰囲気が漂う。ロビーの一角に設けられた小窓からは、浄教寺の本堂が見え、寺との一体感も味わえる。ほかにも、かつての伽藍の古材を柱としたり、装飾をアートとして活用したりと、浄教寺の収蔵品や装飾品をさりげなく配した館内は、さながら美術館のよう。それらは寺の歴史を物語ると同時に新しい発見をもたらし、寺が受け継いできた世界観や精神を未来へとつなぐ。
京都は寺院とともに歴史を刻んできた街。寺のホテルに滞在しつつ、ほかの寺院めぐりも楽しみたいもの。そのときに活用したいのがバゲージサービス(有料)。京都市内の三井ガーデンホテルと「三井ガーデンホテル京都駅前」間の手荷物の配送サービスで、チェックイン前後に荷物を預け、身軽に動けるのがうれしい。
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Mitsui Garden Hotel Kyoto Kawaramachi Jokyoji
三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺
住所|京都府京都市下京区寺町通四条下る貞安前之町620番
Tel|075-354-1131
客室数|167室
料金|1室1名利用朝食付1万100円~(税込)
カード|AMEX、DINERS、JCB、VISA、Masterなど
IN|15:00
OUT|11:00
アクセス|電車/地下鉄烏丸線四条駅から徒歩10分(地下連絡通路10番出口から徒歩1分)、阪急京都河原町駅から徒歩5分(地下鉄連絡通路10番出口から徒歩1分)
Wi-Fi|あり
京都市内にはさらに4つの三井ガーデンホテルズが。
三井ガーデンホテル京都新町別邸
http://gardenhotels.co.jp/kyoto-shinmachi/
三井ガーデンホテル京都三条
https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-sanjo/
三井ガーデンホテル京都四条
https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-shijo/
三井ガーデンホテル京都駅前
https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-station/
text: Miyu Narita
Discover Japan 2022年11月号「京都を味わう旅へ」