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《星のや竹富島→星のや沖縄 4泊5日》書き下ろしエッセイも!
歌人・穂村 弘さんが竹富島・沖縄本島でリゾートホッピング

2022.6.24 PR
《星のや竹富島→星のや沖縄 4泊5日》書き下ろしエッセイも!<br><small>歌人・穂村 弘さんが竹富島・沖縄本島でリゾートホッピング</small>

「夢中になるという休息」をコンセプトにした「星のや」。実は異なる文化背景がある八重山諸島と沖縄本島にある、星のや竹富島星のや沖縄を訪れるホッピング旅で、歌人の穂村弘さんに土地ごとの魅力を体験していただいた。
最後に穂村さんが旅を振り返る書き下ろしエッセイと4泊5日の滞在スケジュールを紹介します。

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穂村 弘(ほむら ひろし)
歌人。1962年、札幌市生まれ。’90年に歌集『シンジケート』でデビュー。『短歌の友人』で伊藤整文学賞、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。歌集、エッセイ集以外にも、詩集、対談集、評論集、絵本、翻訳など著書多数

穂村 弘さん書き下ろしエッセイ
「終わらないしりとり、永遠の時」

「サバニ」の乗船も体験。その昔、台湾へも行き来していたそう

南ぬ島石垣空港に降り立つと、日差しの強さと風の匂いが違っていた。自分の中の生き物が目覚めるような感覚がある。竹富島へ渡るための離島ターミナルへ向かうタクシーの中には、地元の放送局のラジオ番組が流れていた。波照間島、与那国島、といった言葉が切れ切れに聞こえてくる。そのたびに不思議な眩しさを感じた。離島ターミナルには具志堅用高の銅像があった。いまでは剽軽(ひょうきん)なおじさんというイメージだが、現役のボクサー時代を知っている自分にとっては偉大なカンムリワシだ。同じポーズで並んで写真を撮ってもらった。乗船したフェリーの名前は「にぃぬふぁぶし」。子ぬ方星、つまり北極星のことらしい。どう発音するんだろう。小さい「ぃ」とか「ぁ」って珍しい。

竹富島の海は信じられないほど美しかった。そして、色鮮やかな花々と蝶の道。初めて上陸した日のことを思い出す。たくさんの蝶たちが、次々に胸にぶつかってきて驚いた。その夜、泊まった小さな宿には鍵というものがなかった。日差しや風や海や花や蝶だけではなく、この島には特別な気配のようなものがある。「にぃぬふぁぶし」に始まって、今回の滞在では、たくさんの不思議な言葉を耳にした。たとえば、「左側から入ってください。右側は神さまの通り道なので」と、星のや竹富島の方は教えてくれた。そんなに身近に神さまがいるんだ。その一方で、「マジムンという魔物は真直ぐにしか進めないんです」とも。直進しかできない魔物って、なんだか可愛い。

「この島ではしりとりが終わらないんです」と、笑っていたのは遠浅の海でサバニ船に乗せてくれたアキラさんだ。その理由は、ンブフル(遺跡の名前)、ンマ(馬)、ンナス(嘘)など、ンから始まる言葉がたくさんあるかららしい。また、「ジュゴンの肉や脂を年貢として納めた島もありました」とも。神話的な光景にくらくらさせられた。

石垣島に戻って、さらに飛行機で本島へ。星のや沖縄の部屋からは海が一望できた。併設のバンタカフェには驚いた。海と森とカフェがひとつに混ざり合っている。そこでヤドカリに出合った。ヤドカリを拾えるカフェって最高だ。掌の中でその子が顔を出すのを待ってみる。ほんの数秒、でも、それが永遠のように感じられる。海の響きが大きくなって、気が遠くなる。おっ、ヤドカリが顔を出した。きょろきょろしている。掌がくすぐったい。嗚呼、いつまでもここでこうしていたいなあ。

さまざまな大きさのヤドカリが浜辺のそこかしこに。「大きいの見つけた」
琉球王朝時代に使われていたアダン筆で、ふたつの施設について詠む

4泊5日滞在スケジュール
〈DAY 1〉

13:00 石垣港からフェリーで竹富島へ
13:15 竹富港から専用送迎バスで「星のや竹富島」へ
13:30 星のや竹富島」到着、レセプションで月桃の羊羹とウェルカムドリンク
15:00 チェックイン
15:45 客室にて三線の演奏を体験。演者に唄の背景の話なども聞けて島文化を知ることができる(三線を奏でる)

唄に込められた意味を知ることで、民謡がより味わい深く響く。三線の演奏が体験できる、充実のひととき。14日前までに要予約

17:00 プールで寛ぐ
19:00 ラウンジで泡盛カクテルを楽しむ(宵のひととき)
19:30 ダイニングにて「琉球ヌーヴェル」ディナーを堪能

泡盛酒粕で包み焼きにした和牛や、島で養殖される車海老のフリットなど、この地ならではの素材使いが光る全8品が登場する

21:30 満天の星を愉しむ

高い建物がなく明かりが少ない竹富島では、気象条件がよければ降るような美しい星空が楽しめる。流れ星が観測できることもしばしば

〈DAY 2〉

8:00 ダイニングにて「島の九品朝食」
10:30
 敷地内の畑にて伝統作物の収穫体験。収穫した作物は、車海老とともにフリットミストで実食(畑文化を味わう)
12:00 島内の食堂にて八重山そばの昼食
13:00 竹富島シートレッキング(海のカフー滞在)。島で生まれ育った海人とともに海辺を散歩

コンドイビーチから西桟橋周辺まで20分ほどかけて散策。神々が船のとも綱を結び付けたと伝えられる「ニーラン神石」も見どころ

15:30 客室にて豆腐と塩づくり体験(海のカフー滞在)
19:00 客室にて自作の豆腐を味わう「マース煮」夕食(海のカフー滞在)

トレッキングの際にくんだ海底湧水と大豆で、島豆腐づくりにトライ。「ゆし豆腐」を型に流し、重石をして15分ほどで豆腐が完成
自作した島豆腐と塩は、近海で捕れた新鮮な魚とともに「マース煮」に。あっさりとしながら滋味深く、胃と心を優しく満たす

〈DAY 3〉

6:30 海辺で「よんなー深呼吸」

徒歩5分ほどの距離にあるアイヤル浜で、朝日を浴びながら行う深呼吸とストレッチ。「よんなー」とは「ゆっくり」を意味する方言

8:00 ダイニングにて「海風ブレックファスト」
10:00 チェックアウト
10:30 専用送迎バスで竹富港へ
10:50 竹富港からフェリーで石垣港へ
11:00 石垣港からタクシーで南ぬ島石垣空港へ
12:30 南ぬ島石垣空港から飛行機で那覇空港へ
13:45 那覇空港からタクシーで「星のや沖縄」へ
15:00 「星のや沖縄」到着、チェックイン

16:30 ぶくぶく茶の振る舞い(海辺のひととき)

煎り米湯とさんぴん茶を泡立てた「ぶくぶく茶」。明治時代、航海の安全を祈って港で振る舞われていた。15:00~16:30、道場で無料提供

17:00 迫力満点の琉球空手の演舞を見る(宵の座)
18:00 客室にて琉球料理の夕食。その後、泡盛を飲みながら琉球舞踊を鑑賞(うとぅいむち滞在)

〈DAY 4〉

8:00 ダイニングにて「琉球朝食」または「シチリア朝食」
10:00 プールサイドで読書を楽しむ

日陰で海風を感じながら読書に興じ、時折ラウンジで寛ぐのもいい。プールの水は季節によって加温され、一年を通じ24時間利用可能

13:00 「バンタカフェ」でドリンクを楽しみ、海辺を散策

約200席を有するスケールは圧巻。海辺から岩場の木陰まで、秘密基地のようなスポットがたくさん。お気に入りの場所を探すのも楽しい

15:30 プールで泳ぐ
18:30 サンセットを愉しむ
19:00 ダイニングにて「琉球シチリアーナ」ディナーコース

〈DAY 5〉

7:30 ダイニングにて「琉球朝食」または「シチリア朝食」
9:30 プールでもうひと泳ぎ
12:00 チェックアウト。タクシーで那覇空港へ

  

text: Aya Honjo photo: Sadaho Naito
2022年7月号「沖縄にときめく」

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