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《JIRIN/ジリン》
建築家・内藤廣氏が手がけた
ならまちの真ん中でワーキング

2022.5.12
《JIRIN/ジリン》<br><small>建築家・内藤廣氏が手がけた<br>ならまちの真ん中でワーキング</small>

2021年4月に開業した奈良の「鹿猿狐ビルヂング」内のコワーキングスペース「JIRIN(ジリン)」。《コワーキング×コラーニング》をコンセプトに、奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARK PROJECT」の拠点として誕生。ドロップインなら誰でも、予約なしでワークスペースの一時利用が可能だ。ワークスペースは、ビル全体の設計も担当した建築家・内藤廣氏が担当。ブックディレクターの幅允孝氏が選書したライブラリと広い窓に囲まれた心地いい空間からは興福寺が望め、奈良らしい風情が満喫できる。

天井が高く開放感満点のワークスペースでは、中川政七商店が企画した学びのブログラムも提供

JIRIN(ジリン)は、仕事や勉強に利用できる場であるとともに、スモールビジネスでまちを元気にする取り組み「N.PARK.PROJECT」の拠点となる活動の場でもある。

地輪(ジリン)とは、仏教において大地を支える三輪の一つを指し、転じて、五輪塔や石灯籠を支える最下層の名称でもあり、春日大社の参道には今でもたくさんの石灯籠が立ち並ぶ。

また辞林(ジリン)は、言葉を多く集めて解釈した書物、つまり辞書のことを指している。学びを通じて、まちづくりの礎となり、新しい時代の灯りを奈良に灯したい。そんな想いを込めて、「JIRIN」と名付けられた。

新しいことを考えられる空間

3階のコワーキングスペース「JIRIN(ジリン)」は、興福寺や猿沢池を望めるなんともぜいたくなスペース。

広い窓からいい景色が見渡せるよう、窓と反対の側で耐震性能をとっている。窓のほうには余計な部材は増やさず開放的に見えるよう工夫。周囲の街並みを活かした瓦屋根も特徴的で、ビルヂングの中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古きよき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間となっている。

建築家
内藤廣(ないとう・ひろし)
1950年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了後、フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年内藤廣建築設計事務所を設立。2001〜11年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻において教授、東京大学にて副学長を歴任。2007〜09年度には、グッドデザイン賞審査委員長を務める。主な建築作品に、海の博物館、牧野富太郎記念館、島根県芸術文化センター、虎屋京都店、富山県美術館、高田松原津波復興祈念公園 国営 追悼・記念施設、東京メトロ銀座線渋谷駅、京都鳩居堂、紀尾井清堂など。http://www.naitoaa.co.jp/

本棚の選書は、BACH・幅允孝氏が手がけた

JIRINライブラリーは、BACH・幅允孝氏が選書した550冊を用意。

自由に読むことができるので、本棚から本を抜き、パラパラ眺めて気分転換をしたり、仕事のヒントを探したりと、さっきまでの自分と違う、気付き、アイデア、ものの感じ方、そんなギフトが降りてくる瞬間を、焦らず探し求めるのもおすすめ。

ブックディレクター
幅允孝(はば・よしたか)
BACH(バッハ)代表。1976年、愛知県津島市生まれ。公共図書館やホテル、病院、企業オフィスなど、あらゆる場所で本と人が自然に出合うための環境づくりを行う。最近では、本のディレクションを行うほか、自身も編集や執筆を手がけている。http://www.bach-inc.com/

最大8人まで使える会員専用の会議室を2部屋完備
ドロップインでもライブラリやキッチンが使える

瓦屋根や若草山、興福寺の五重塔など長い歴史を見ながら「JIRIN」で新たな働き方を体験してはいかがだろうか。

JIRIN/ジリン
住所|奈良県奈良市元林院町22 鹿猿狐ビルヂング3F
Tel|なし
時間|9:00~21:00(ドロップインは10:00受付開始、19:00最終受付)
定休日|年末年始、イベント開催時
料金|3時間1100円、1日1650円 通常会員は月1万6500円
利用可能人数|1~50人(イベント時)
ワークスペースの座席数|24席
食事|持ち込み可
設備|Wi-Fi、プリンター、ホワイトボード、会議室、ロッカー、郵便受けほか
 
 

≫公式サイトはこちら

 

Photo: SATOSHI ASAKAWA

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