クラフトジュースがあればノンアルでも楽しい!?【前編】
素材と向き合うクラフトジュースは、どこか酒造りに通ずるものがあります。ソフトドリンク・酒類に次ぐ選択肢として市民権を得るのはもう間近。今回は、ペアリングの新境地を開く、その魅力を前後編記事で紹介します。
IMADEYA GINZA(いまでや銀座)
大川 翔平(おおかわ・しょうへい)
住所|東京都中央区銀座6-10-1GINZA SIX B2F
Tel|03-6264-5537
営業時間|10:30〜20:30
定休日|施設に準ずる
www.imadeya.co.jp
“食事に合う”からこそ
あえて飲まない選択もアリ
唐突だが、レストランを訪れたときを思い出してほしい。ドリンクメニューに目を向けると、そこに並ぶ酒類は豊富。割烹であれば複数銘柄の日本酒、フレンチ・イタリアンであればワインリストが用意されることも常だが、ソフトドリンクに目を向けると、そこに並ぶのはどの形態の飲食店であってもミネラルウォーターにウーロン茶、加えてフルーツジュースにコーラといったところ。ビールをはじめとしたノンアルコールの選択肢は増えつつあるが、ペアリングを楽しむには幅が狭く、これはホームパーティやアウトドアシーンもしかりといったところだ。
そんな中、ソフトドリンクと酒のハイブリッドと呼ぶべき“第三の選択肢”として、国内でも堅調な足取りを見せているクラフトジュース。圧倒的な品揃えを誇る名酒販店『IMADEYA GINZA』でも取り扱いが増えているということで、店長の大川翔平さんに動向について話をうかがった。
「BYO(持ち込み用)のお酒ついでに『ノンアルも1本あるといいよね』といった具合や、もの珍しさからのプレゼント目的にて購入される方がほとんどです。自宅で楽しむまでは浸透していないものの、売上の中では唯一伸びているところ。当店も4年前の開店当初の取扱いは数本でしたが、いまでは棚2段を占めるまでになり、ナチュールワインのように楽しむ方が増えてきました。コリアンダーやジュニパーベリーといったジン同様のフレーバーを使用したものや、甘みのない商品も増えているため、料理と一緒に楽しめる点はアルコールと変わらないのでは」と、ジュースとうたいつつもその実態は酒に限りなく近い。
「食を通して仲間と場を囲む際、気兼ねなく楽しむことのできる新たな選択のひとつです。飲める人も飲まないという選択ができるところがハイブリッドのメリットに尽きる」と、酒を熟知した大川さんだからこそ知るクラフトジュースの魅力。飲めない人は、ペアリングの世界観を知るきっかけとして、飲める人は、新境地の開拓を愉しんでもらいたい。
割り方次第で楽しみ方いろいろ
クラフトジュース
素材とひたむきに向き合うつくり手の思いを引き出すのなら、シンプルにミネラルウォーターや炭酸水で。カクテル感覚でブレンドを楽しめば、クラフトジュースの新たな一面が発見できるかもしれない。
はちみつとレモンのみの直球勝負の味
完熟屋/はちみつレモン
瀬戸内産の皮ごと絞ったレモンと非加熱のはちみつを1:1で使用。ひと口目に感じるレモンのフレッシュな酸味と、はちみつならではの後口のよい甘さは絶妙。少し冷える夜は、ホットで楽しむと香りも相まって癒しのドリンクに。少量のショウガを加えても美味しい。
はちみつレモン
価格|5616円(900㎖)
産地|愛媛県
原材料|レモン、はちみつ
問|完熟屋
www.kanjyukuya.com
割材に負けないブドウ本来の味を凝縮
ココ・ファーム・ワイナリー/ベルジュ風 葡萄酢
ブドウに向き合うワイナリーの生産者が手掛けており、ブドウ本来の味わいと自然な甘みが特徴。疲労回復効果も期待できるとあって、灼熱のアウトドアシーンには1本持っていきたいところ。氷を満たしたカップにソーダ水を注ぎ、キンキンに冷やした状態で飲み干したい。
ベルジュ風 葡萄酢
価格|849円(500㎖)
産地|栃木県足利市
原材料|果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、葡萄酢、はちみつ、ブドウ、香料
問|ココ・ファーム・ワイナリー
Tel|0284-42-1194
https://cocowine.com
text: Natsu Arai photo: Yuko Chiba shooting-cooperation: Sugahara
Discover Japan 2021年6月号「ビールとアウトドア」