TRAVEL

しまなみ海道〜尾道をめぐる
いま訪ねたい、プレミアムなせとうち

2020.10.4
しまなみ海道〜尾道をめぐる<br><small>いま訪ねたい、プレミアムなせとうち</small>
2019年3月に新駅舎が開業したJR尾道駅。観光案内所やテイクアウトもできるカフェやショップ、ホステルを併設し、ますます便利になった

瀬戸内の魅力は奥深いだけでなく幅広い。「いま訪ねたい、プレミアムなせとうち」では、とりわけおすすめの旅に役立つ立ち寄りスポットほか、食情報、厳選した宿、各地ならではのプロダクトを5エリアにカテゴライズして紹介。エリアごとの魅力をつかみ、より深い魅力を知れば、実際に足を運びたくなるだろう。

坂の町、寺の町、映画の町で知られ、最近ではサイクリングでも注目を集める尾道。歴史と文化、自然に恵まれた町の魅力をたっぷり紹介しよう。

 

「プレミアムせとうち案内」と題し、瀬戸内エリアのワンランク上の体験を取り上げた1冊。
12月号増刊「プレミアムせとうち案内」

船と自転車だから、より楽しい
しまなみ海道〜 尾道をめぐる

広島県尾道市は自然と人がコンパクトにまとまっていながら、歴史、文化、スポーツといったさまざまな楽しみ方がある。大きく分けると、坂の町、寺の町、そしてサイクリングの町としてめぐりたい。

まずは、坂の町で路地を迷うのが楽しい。尾道はもともと地形が特徴的で、山の手にびっしりと建物が立ち並び、それらを縫うように坂を上ったり下ったりしながら、目当ての場所に向かうことになる。迷路のような道を歩いていると、思わぬ出合いが待っている。週末だけオープンする雑貨屋さんを見つけたり、猫がたくさんいると思ったら、実はその道には「猫の細道」という名前がついていたり。

迷いつつ路地を歩いていると、大小さまざまな寺に行きついてまた寄り道をしてしまう。こうした、山の手に寺が多く点在する風景も尾道の特徴で、近年は寺めぐりに訪れる人も多いことから、寺の町ともいわれている。聖徳太子が開基となる歴史の深い寺もあるが、ここまで増えた背景には、尾道のかつての繁栄が関係している。

廻船業が盛んだった昔、尾道は港町として栄え、商人が集まる町だった。商人たちが、信仰の対象として寺を建てたことで、山の手エリアには住宅が建ち並ぶ中に大小さまざまな寺が点在している。昔から山の手は一等地で、商人たちは尾道水道を見下ろす場所に邸宅を建てて住んでいた。時代が変わり、今ではかつての富裕層が暮らした邸宅を宿として利用できるようになった。

また最近では、尾道と今治を結ぶ「しまなみ海道」がサイクリストの注目を集めている。橋には歩行者・自転車専用の通路があり、瀬戸内海を自転車で渡れるのだ。しかも、途中で橋を下りて生口島、因島などの島々を通りながら渡ることで、島の風景や文化に触れながら旅ができる。「サイクリングの町」とも呼ばれているだけに、レンタサイクルをはじめ関連グッズを扱うおしゃれなショップも見逃せない。

2019年にJR尾道駅が新駅舎に生まれ変わり、駅に着いたその足でレンタサイクルができたり、食事ができたり、お土産が買えたりとますます便利になった。また、自転車専用の設備を搭載した船「サイクルシップ ラズリ」も就航し、自転車でもっと気軽にしまなみ海道を渡れるようにもなった。

尾道では、サイクリングは特別な準備をしなくても体験できる。アクティビティ。初心者の人にも、「走ってみたい」と思わせてくれるのだ。さらに、グリーンスローモビリティといった環境に配慮した次世代の移動のかたちもスタート。どんどん進化していく尾道は、訪れるたびに新しい旅の選択肢が増えていく。

JR尾道駅
住所|広島県尾道市東御所町1-1
Tel|0848-22-4724
https://onoeki.jp

サイクルシップ ラズリ
Tel|0848-36-6113(瀬戸内クルージング)
https://s-cruise.jp/

サイクリングの聖地をめぐる

「しまなみ海道」の起点となる尾道には、サイクリストにうれしいショップやサービスが充実している。
自転車で海を渡る旅に出かけよう!

自転車とともに船で海を渡る
サイクルシップ ラズリ

サイクルスタンドがある2階デッキまでは傾斜角度33度のゆるやかな階段を利用。自転車専用のレーンがついていて、2階デッキまでスムーズに運ぶことができる

ありそうでなかった自転車をそのまま載せて運べる船。サイクルスタンドや保護カバーなど自転車専用の設備が充実していて、レンタサイクルはもちろん大切な愛車を安心して運ぶことができる。船としては珍しく、サイクリストにうれしい設備が用意された「サイクルオアシス」に認定。自転車のための船として、信頼度が高い。もちろん、ゆったりくつろげる客室も完備。しまなみ海道の島々にも寄港するので、長距離走行の人は片道だけ船を利用するのもおすすめだ。

瀬戸内海を自転車で渡れる橋
しまなみ海道

尾道と今治の間を、瀬戸内海の7つの島々を縫うように渡る橋「しまなみ海道」。車道とは別に、歩行者と自転車専用の道路があり、片道約70㎞の道のりを走破するため国内外からサイクリストが訪れる。途中で立ち寄る島々ならではの風景やグルメを楽しみたい。

さわやかな酸味がやみつきに
因島はっさく屋

はっさく発祥の地・因島で生まれたスイーツ。白あんはお店で炊き上げ、はっさくは大粒の果実をふんだんに使用、そしてそれらを包む餅は、なめらかな食感。それらが三位一体となって、はっさく独特の酸味と苦みと白あんの甘さが融合した大福は、旅のおやつに。

因島はっさく屋
住所|広島県尾道市因島大浜町246-1
Tel|0845-24-0715
営業時間|8:30〜売り切れ次第
定休日|月・火曜
http://0845.boo.jp/hassaku/index.html

自転車ライフをもっと気軽に
BETTER BICYCLES ONOMICHI

歴史と文化が融合した尾道の風景に似合う、シンプルなデザインの自転車を販売。セミオーダーで、フレームの色や質感を選んで自分好みの一台を作ることができる。レンタサイクルも受け付けているので、乗り心地を確かめたい人は利用しよう。また、ボトルやリフレクターなどのサイクルグッズも充実し、どれも普段使いしたくなるデザイン。

BETTER BICYCLES ONOMICHI
住所|広島県尾道市土堂2-7-1
Tel|0848-38-7820
営業時間|11:00〜19:00(土・日曜は9:00〜18:00)
定休日|火曜(祝日の場合営業)

旅のスタートは、まずはここ!
おのまる商店

瀬戸内海の名物「たこめし」550円(税抜)、「尾道いちじくビネガーソーダ」450円(税抜)、「杜仲茶パフェ」690円(税抜)

JR尾道駅ビル1階にあるショップで、テイクアウト可能なカフェ、お土産販売のほか、レンタサイクルもでき、尾道の旅に必要なものが揃う。カフェメニューの多くは、店内でスタッフが手作りしたもので、地元の食材を使い手頃な価格で提供することで土地の魅力を発信している。中でも因島で栽培される杜仲茶を使ったパフェは、独特の苦みを生かして地元産ならではの、新鮮な香りと味を生かしたスイーツ。

おのまる商店
住所|広島県尾道市東御所町1-1 JR尾道駅1F
Tel|0848-29-9334(レンタサイクル受付 0848-29-9335)
営業時間|カフェ・ショップ7:30-19:00、
レンタサイクル|9:00〜18:00
定休日|なし
https://onomaru.com/

海を見下ろす歴史の街を散策

迷路のように入り組んだ坂を上りながら、点在する寺を訪ねるのも尾道の旅の定番。寺めぐりの途中で立ち寄りたいスポットを紹介。

七佛めぐり
住所|広島県尾道市東土堂町15-1(尾道七佛めぐり事務局 千光寺)
Tel|0848-23-2310
www.shichibutsu.com/

7つのお寺のご利益を
七佛めぐり

掛け軸に御朱印を飾ろう。専用朱印色紙とお守りブレス念珠は、最初のお寺で申し込みが必要

千光寺や浄土寺といった宗派を超えた7つの寺院をめぐりながら、専用朱印色紙に御朱印を集める「七佛めぐり」。すべて揃うと紙の掛け軸がいただける。また、7つの寺でひとつずつ石を購入し、すべて集まると念珠が出来上がるという「お守りブレス念珠」は女性に人気。

尾道の仏様と出合う
JR西日本×フェリシモ おてらぶ
寺旅巡礼写仏 尾道久保の旅

仏様のお顔寄りと全身の2枚、カラー筆ペン、そして尾道久保地区のマップがセットになっている

仏様のお姿を描く写仏キットの尾道バージョンが登場。描くのは、久保地区のお寺の中から4尊の仏様。下絵線をなぞるので美しく仕上げることができる。出来上がった仏様の絵を持ってお寺に行くと、寺旅巡礼オリジナルの特別な巡礼印を押していただける。

足利尊氏公ゆかりの寺
浄土寺

616年に聖徳太子が開いたとされる由緒ある寺。本尊の十一面観世音菩薩像は33年に一度御開帳される秘仏。足利尊氏公とのゆかりが深く、西国での戦勝祈願のために2度も浄土寺を訪れた。勝利をおさめたことから、尊氏公は地頭職や利生塔を浄土寺に寄進。観音様に戦勝を祈願した和歌など、尊氏公ゆかりの古文書が多数されている。

浄土寺
住所|広島県尾道市東久保町20-28
Tel|0848-37-2361
拝観時間|9:00〜16:00
本堂内陣拝観料|大人600円、小中学生300円(宝物館入館料は400円)
定休日|なし
http://www.ermjp.com/j/temple/

老若男女の交流の場
新開地区のスナック文化

新開地区にあるスナック街。お店に訪れる人の中には地元の家族連れやカップルもいて、面倒見のよいママを中心にお客同士が交流できる場となっている。観光客でも入りやすい雰囲気で、地元のお客がローカルな情報を教えてくれることも。

宿泊ができる多目的スペース
LOG

山の手に建つかつてのアパートメントが、インドの建築集団スタジオ・ムンバイのプロデュースにより、ダイニング、ギャラリーのある宿泊施設に生まれ変わった。誰でも利用できるカフェ&バーでは、スタッフが仕上げた土壁など落ち着きのある空間。農薬不使用の柑橘など地元の生産者から仕入れた食材を使ったメニューを提供している。

LOG
住所|広島県尾道市東土堂町11-12
Tel|0848-24-6669
客室数|6室
料金|1泊3万5000円〜(素泊まり、税別・サ込、客室料金、最大4名利用可)
IN|15:00/OUT:11:00
https://l-og.jp/

無農薬レモンの「レモンケーキ」450円(税抜)
自家製シロップがベースの「LOGコーラ」550円(税抜)

プライベート重視の宿
せとうち 湊のやど 島居邸洋館

尾道水道が見下ろせる2階のバルコニー。まるで尾道に暮らすように旅をしたい人には、ぴったりの環境だ

昭和初期に建てられたモダンな洋館を外観はほぼそのままに、内装を現代風にリノベーションした滞在型施設。フローリングにむき出しの梁など、歴史ある建物のよさを生かしつつ居心地のよい空間となっている。宿泊は、一棟貸しもしくは人数に合わせて半棟貸しもできる。敷地内にあるLOGのダイニングで食事もできるが、地元の魚や野菜を使い、キッチンで調理をするなど、仲間や家族で気兼ねなく過ごせる。

せとうち 湊のやど 島居邸洋館
住所|広島県尾道市東土堂町11-12
Tel|0848-24-6669
料金|1泊8万円〜(素泊まり、税別・サ込、一棟貸し料金。最大10名利用可、半棟貸しの場合は1泊4万円〜)
IN|15:00/OUT|11:00
http://minatonoyado.jp/

尾道市民のソウルフード
広島風お好み焼き いわべえ

ゴロッとしたズリの食感がくせになる「尾道焼き」850円(税込み・10%)、ネギのトッピングは+100円

尾道の町にはお好み焼き店が多いが、中でも地元で愛されているのが尾道焼き。具材にズリと尾道名物のイカ天が入った広島風お好み焼きのことで、ズリの食感とイカ天の旨みがあいまって、ビールにぴったり。かつおぶし入りの七味をかけて食べるのがおすすめ。

広島風お好み焼き いわべえ
住所|広島県尾道市十四日元町1-2-3
Tel|0848-37-2325
営業時間|11:30〜15:00、17:00〜L.O.19:30
定休日|木曜

江戸時代のよう、町並みを歩く
港町 鞆の浦

船が主な交通手段だった江戸時代から明治期にかけて、鞆の浦は、潮待ちの港として栄えていた。常夜燈はその頃の歴史を物語るシンボルともいえる。周囲には、江戸時代からの町並みが広がっていて、当時から営業しているお店も多く残る。迷路のように狭い路地を散策するのが楽しい。

禅の真髄に触れる
神勝寺 禅と庭のミュージアム

臨済宗中興の祖といわれる白隠の禅画や、アートパビリオン《洸庭》、復元された千利休の茶室、庭園など、境内のすべてに禅の世界観を表現。禅の教えに敷居の高さを感じる人も、建築やアートの視点から、禅の世界に触れてみれば、その奥深さに気づくはず。

神勝寺 禅と庭のミュージアム
住所|広島県福山市沼隈町大字上山南91
Tel|084-988-1111(寺務所)
拝観時間|9:00〜17:00(最終受付は16:30まで)
拝観料|大人1,500円、学生1,000円、中学生500円(小学生以下は無料)
休館日|なし
https://szmg.jp/

甘く芳しい保命酒の製造元
入江豊三郎本店 蔵

鞆の浦で、地元の人たちが江戸時代から愛飲しているお酒「保命酒」の製造元のひとつで、明治19年創業。店舗の奥にある蔵では、広島産のもち米を原材料に麹づくりから行う。できたお酒に独自ブレンドの16種類の薬味を漬け込み、保命酒をつくっている。

入江豊三郎本店 蔵
住所|広島県福山市鞆町鞆600-1
Tel|084-982-2013
営業時間|9:00〜17:00
定休日|無休
www.iriehonten.jp/

エコな乗り物で観光しよう
グリーンスローモビリティ

グリーンスローモビリティとは、時速20㎞未満で公道を走る4人乗り以上の電動車のこと。狭い道が多い鞆の浦周辺では、地元タクシー会社が営業運転している。さらに、高齢者や観光客の移動手段を確保するため、尾道市でも11月1日から運行がスタート。

text: Akiko Yamashita photo: Shintaro Miyawaki, Haruna Kawanishi
2019年12月号 増刊「プレミアムせとうち案内」


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