ART

現代アーティスト・Souun♡に魅せられて
アカツキ創業者 塩田元規さん

2020.1.30
<b>現代アーティスト・Souun♡に魅せられて</b><br>アカツキ創業者 塩田元規さん

2017年より現代アート作品の制作に取り組むSouun♡。これまで書で表現していた想いを転じた作品には、彼ならではの世界観が投影されている。その作品に魅せられた方々にお話をうかがう《現代アーティスト・Souun♡に魅せられて》。今回はアカツキ 代表取締役CEO 塩田元規さんにお話をうかがった。

アカツキ
代表取締役CEO
塩田元規(しおた・げんき)
1983年生まれ。横浜国立大学卒業。一橋大学大学院MBAコース修了。新卒でディー・エヌ・エーに入社し、広告事業に従事。退職後、2010年6月に香田哲朗氏とアカツキを創業
「波や流れ、海といったイメージで、動きがありつつも、ゆったりした印象もあり目に留まった」と塩田さん

アートと経営の共通点

──お二人はまだ出会ったばかりで、今回、会うのは2回目だとうかがいました。

双雲:塩田さんの著書『ハートドリブン』(幻冬舎)を読んで、僕が感想を送ったことが出会いのきっかけです。起業家の本なのに「魂」とか「目に見えないものを大切にする」といった言葉を使っていることが気になって、読みました。

その内容に共感することがあまりにも多かったんです。失礼な言い方かもしれませんが「僕が求める経営者がいた!」と思った。まずは、この感動を伝えたくて、面識もないのにいきなり連絡しちゃいました。

塩田:FacebookのMessengerで連絡が来て、驚きました。もしかしたら武田双雲さんの偽アカウントじゃないかって(笑)。

──双雲さんは塩田さんのどこに一番惹かれたのですか。

双雲:軽やかさです。これまで数々のトップ企業の経営者の方々にお会いしてきましたが、醸し出すオーラーがまったく違う。その理由は、感情やハートといった目に見えないものを軸に、ビジネスを展開されているからだと思います。

実際、ハートが大事だと語る経営者は少なくないですよね。ただ、それを実践してビジネスを大きく成長させている人は、僕が知る限りだとほとんどいないと思います。

塩田:僕もかつては「恐れドリブン」だった頃もあるんですよ。そのときは、成長がすべてを癒すと思っていましたから。経営者は、壁にぶつかって苦しくても乗り越えるパワーがあるから、なかなか立ち止まれない。

だけど、僕は立ち止まるきっかけがあったんです。自分が苦しいことに気づき、ネガティブな感情も受け入れたら楽になった。経営もどんどん簡単に感じられるようになってきました。

双雲:わかります! 楽しくなればなるほど楽になる。だから僕は「楽」を描いているんです。思い込みをなくして、自分の感情を大事にしながら、この瞬間を楽しんで過ごしていれば、誰でも楽になるし、勝手にうまくいくようになるんです。そのことをいくら伝えても「双雲さんは特別だもんね」、「双雲さんは天才だから」ってなっちゃう。

経営者に伝えても、「株主がいるし、利益を上げなくちゃいけない。そんなの無理だよって」。僕だけでは説得力がないんです。感情を大事にするって言葉にすることは簡単だけど、実践することは難しい。それがわかるからこそ、ビジネスの世界で挑戦して結果を出している塩田さんは、僕にとってヒーロー。僕はアートの世界で証明していきたいと思っています。

作品の中にハートドリブン!?
絵の中に小さく「心(heart)」と「運ぶ(drive/driven)」という文字が描かれている。偶然にも塩田さんの著書『ハートドリブン』と読み取ることができる

偶然過ぎる出来事

──塩田さんは双雲さんの作品を3点購入されました。

塩田:白い作品は自分でも「なんでこれなんだろう」って思ったのですが、不思議なくらい心が揺さぶられました。だけど、驚くべき事実があったんですよね。僕が購入を検討していると言ったら、双雲さんが作品の説明をしてくれて、絵の中に小さく「心」と「運」という文字が描かれていることがわかりました。そのとき「心(heart)」と「運ぶ(drive/driven)」で「ハートドリブン」。本当に驚きました。

双雲:いま、思い出しても鳥肌が立ちますね。しかも、実はその作品は「うんこ」をモチーフにしているんです。そのことも一応、伝えておくべきだと思って話したら、塩田さんが「アカツキ、うんこミュージアムを手掛けているんです」って。二人でさらに「えー!」ってなりました。

塩田:本当に何も知らずに選んだので、衝撃でした。

双雲:偶然過ぎるし、狙ってできることでもない。このことは、僕にとってエポックメイキングな発見となりました。僕がやるべきことは、ただ機嫌よく過ごすだけ。本当にそれだけでいいと確信しています。

──塩田さんにとってアートはどんな存在ですか。

塩田:アートを見ることは、ニュートラルに感情を戻すきっかけにもなります。会社では、考えている(think)時間がほとんど。だけどアートは感じるもの(feel)なので、考え(think)のスイッチが自然と切れるんですよね。

双雲:たしかに、富士山を見るときは、考えないで感じますよね。

塩田:そうそう。アートを見るのは自然を見ることに近い。そもそも、双雲さんは自然体ですよね。作品に描かれている「楽」をそのまま生きている印象があります。

双雲:いまは思考を限りなくゼロにする実験中です。その結果どんな表現が生まれるのか試しているところなのですが、何も理想とせずに描くので、常に失敗する。たとえ失敗しても怒らず、なんでそんなことしちゃったのーって自分に笑いながら言ってます(笑)。論理的に考えず、とことんワクワクする方向に向かっていますね。

文=成田美友 写真=山平敦史

2020年1月号 特集「いま世の中を元気にするのは、この男しかいない。」

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