ART

イタリアを代表する小松美羽コレクター
Luca Gentile Canal Marcante(アートコレクター/起業家)

2020.9.4
イタリアを代表する小松美羽コレクター<br>Luca Gentile Canal Marcante(アートコレクター/起業家)
『祈祷=INORI』を所蔵したいと申し出た、イタリアのアートコレクター/実業家のLuca Gentile Canal Marcante(ルカ・ジェンティーレ・カナール・マルカンテ)

Translation=Chiyomi Sakuma

「コレクターとしてこの作品をイタリアに、後世に残したい!」

現在のCOVID-19(新型コロナウィルス感染症)がイタリアに猛威をふるっているのと同様に、14~16世紀にペスト(黒死病)がヨーロッパで膨大な数の犠牲者を出しました。国際貿易で栄えていたヴェネツィア共和国にとってペストは一番の脅威であり、1423年にLazzaretto Vecchio(ラザレット・ヴェッキオ)というサンマルコ広場から南に数キロ離れた小さな島を、感染を防止するための隔離施設として世界に先駆けてつくったのです。

老若男女・富める者も貧しき者もペストにかかれば否応なく強制的に隔離され死ぬのを待つという悲しい運命の島でした。

実はその島のおかげでヴェネツィアのペストはヨーロッパで最も早く終息したのです。

小松美羽さんと、バーチャルリアリティの先駆者HTC CORPORATION、台湾の音楽プロデューサーKay Huang(黃韻玲)が共同製作したVRインタラクティブ作品『祈祷=INORI』

ヴェネツィア国際映画祭は毎年Lido di Venezia(リド島)で開催されますが、ヴァーチャルリアリティ部門は、このラザレット・ヴェッキオ島が開催場所です。

2019年夏のヴェネツィア国際映画祭に小松美羽の作品『祈祷=INORI』がノミネートされ、東洋から来た一人のあどけない女性がこのいわくつきの島で作品のライブペインティングをやると聞いて私は驚きを隠せませんでした。同時に、どうしても見たいという衝動にかられ会場に駆けつけたのです。

イタリアのラザレット・ヴェッキオ島で行われたライブペインティングの様子

この島に残る死者の魂の無念や悲しみ、さまざまな想いのせいなのでしょうか?

ライブ会場は異様な空気に包まれ、まるで異次元にいるような錯覚を覚えるほどでした。

小柄な東洋の女性からは想像できないほとばしるようなパワーで魂を揺さぶられた、圧倒的なライブペイントでした。そして忘れもしない、終了後のインタビューは衝撃的な内容でした。

 

ライブペインティング作品『INORI-祈禱-』完成後、イタリアの国民的歌手・Jo Squilloさんにインタビューを受ける小松さん

以下、小松美羽さんコメント
「私はヴェネツィアをはじめて訪問したとき、上空に天使が飛んだ跡を見て純粋な祈りの気持ちと温かい思いに駆られました。
今日、私は心も魂も解き放ち、祈りを込めてライブペイントを行いました。数えきれないほどの魂が呼応し合い過去の残像が私の心を締め付けました。でもその残像の先には必ず光が見え、何度も私を奮い立たせ絵を完成へと導いてくださったのです。
大いなる力に呼び寄せられ、この土地にご縁を頂いてライブペイントをしたことは私の役目であり運命だったと感じています。
今日、私はライブペイント中にはじめて涙を流し、描き終えた後も涙が止まりませんでした。
祈りの力とは国も宗教も超え、そこにはただ純粋に愛があるのだと自ら実感し体感したライブペイントでした。このような貴重な経験をさせていただいたこのヴェネチア、ラザレット・ヴェッキオという場とイタリアに万感の思いで感謝いたします。」

ライブペインティング作品『INORI-祈禱-』

涙を流しながらも淡々と話す彼女の姿に私は言葉にならないほど感動し、かの時代の人々の感情や魂に共感した彼女の想い、そして東洋の「和」の精神と祈りがイタリアの未来への希望のメッセージとして作品に込められていると感じました。

まさにいまの時代を象徴するアーティストであると確信し、私の心を揺さぶったのです。

中世ヴェネツィアの偉大な景観画家である祖先Canaletto(カナレット)の一族の末裔として、私には文化を残す役割があると自負しています。

そしてヴェネツィアのコレクターの一人として、人類の希望の源である小松美羽の“祈り”のメッセージと想いを受け取り、彼女の作品を購入するというよりも、イタリアに残すべきという思いから作品を所蔵したいと申し出たのです。

私が所蔵できたことは役割であるとともに、非常に幸運なことなのだと思います。

私のコレクションのRembrandt(レンブラント)やPicasso(ピカソ)と同様にMiwa Komatsu(小松美羽)の作品を後世に残せることをうれしく思います。

今回、Luca Gentile Canal Marcanteの直筆サイン入りで、小松美羽作品の推薦レターを寄せていただいた

小松美羽の「大和力」に影響を与えた恩人たち
1|塩原将志(アート・オフィス・シオバラ代表)第1章第2章第3章
2|齋藤峰明(シーナリーインターナショナル代表)
3|Luca Gentile Canal Marcante(アートコレクター/起業家)
4|JJ Lin(シンガーソングライター)
5|手島佑郎 Jacob Y Teshima(ヘブライ文学博士)
6|加藤洋平(知性発達学者)
7|飛鷹全法(高野山高祖院住職)

小松美羽さんが裏表紙を飾るDiscover Japan10月号もチェック!

Discover Japan10月号では、巻頭特集で小松美羽さんを特集しています。
宗教や伝統工芸など、日本の文化と現代アートを融合させ、力強い表現力で、神獣をテーマとした作品を発表してきた現代アーティスト・小松美羽さんの、すべてが本書に詰まっています。

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text=Luca Gentile Canal Marcante photo=提供 Translation=Chiyomi Sakuma
2020年10月号「新しい日本の旅スタイルはじまる。/特別企画 小松美羽」


≫日本仏教三大霊山 高野山、比叡山、身延山へ。祈りのアーティスト・小松美羽がめぐる旅(前編)

≫2020年最注目のアーティスト、小松美羽とは?

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