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2013-2017 最先端を走り続ける。
書道家・武田双雲の半生

2020.2.1
2013-2017 最先端を走り続ける。<br>書道家・武田双雲の半生
個展「陰と陽」/2015年
アメリカ・カリフォルニアで開催した個展。「友人に連れていってもらったご縁で個展を開催したんです。由緒ある建物に60〜70点の作品を展示。地元の方々も受け入れてくれて、毎年訪れるようになりました」

日本を代表する書道家・武田双雲さんが歩んできた道のりに迫る特集《書道家・武田双雲の半生》。第4回はロゴや題字が生まれてい行く背景をうかがった。

成田空港「迎」/2014年
成田空港の到着ロビーで、日本に訪れた人々を歓迎する「迎」の書。「海外から帰国したとき、自分でも驚きます。『迎』の前で波動拳をするポーズもはやったとか(笑)」

双雲さんの書は、すべて一発。全神経を集中し、一画一画に念を込め、筆を走らせていく。「“降りてくる”イメージですね。僕はどんな書体でも書けてしまうので、『こういう書にしたら、こういう風に伝わるかな、みんなの心はこんな風に動くかな』と、デザイナー的な考え方をしています」。

頭の中には書におけるマーケティングが詰まっており、緻密な計算を瞬時に行っているという。「ここはかすれ率を1%減らそう、滲み率を1%加えよう、線の太さ、隙間、かすれの数はこれくらいにしようなど、書きながら細かい計算をしています。事前に考えておくのではなく」。

サントリー マスターズドリーム「醸造家の夢」/2017年
商品のテーマである「夢」の字はテレビCMやポスターで使用。CMのナレーターは野村萬斎さん、曲は久石譲さんというまさに“夢の共演”。商品発表会では書道パフォーマンスを披露

さらにロゴや題字などの仕事では、「自分をゼロ」にしているのだそうだ。「書道家としてのこだわりなんていらないんですよ。僕は人が喜ぶことをしたいから。常にお客さま目線を意識しながら書いていますね。飲食店なら、とがらせずに丸みをもたせ、美味しそうに書く。雑誌の表紙なら、本屋さんやコンビニで並んだとき、人の目に留まる違和感をどこかにつくるんです」。

誰かを思う気持ちが書に反映される。だからこそ双雲さんの書は人の心に響き、共感を呼ぶのだろう。

文=大森菜央

2020年1月号 特集「いま世の中を元気にするのは、この男しかいない。」

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