武田双雲・書道の現場
双雲さん愛用の書道道具。
筆、紙、墨など、書に欠かせない道具の数々。《武田双雲・書道の現場》第2回は、日頃双雲さんが使っている道具の中から、思い入れのあるもの、代表的なものを紹介してもらった。
「弘法 筆を選ばず」。真に才能ある名人は、どんな道具でも使いこなし、立派に仕事を成し遂げる。このことわざは、双雲さんのためにあるといえるかもしれない。
「もちろん愛着のある道具はあるけれど、筆、紙を含め、こう使い分けようといった基準はありません。本当に気まぐれ。その場にあるもの、ふと手に取ったものを使って書く。書の道具に限らず、僕の人生は探さない人生。
何事も一期一会。そのとき出会った人や物に感謝し、大切にする。というより、ここぞというタイミングでこれという人や物に出会う運が強い。僕に天才性があるとしたら、この運の強さでしょうね。とにかく僕の周りは幸せの青い鳥だらけなんです(笑)」。
文=成田美友 写真=近藤 篤