冬はこの宿にこの旬を食べに行きたい！
魚編

南北に続く、春夏秋冬がある日本。それぞれの土地や季節によって、美味しい食材も異なります。そこで今回は、冬が旬の魚を堪能できる3つの宿をご紹介。

野性味にあふれる天然トラフグの饗宴
【和味（なごみ）の家 角上楼】

一年中天然のトラフグが楽しめる、愛知県渥美半島。そんな恵まれた立地に建つのが昭和元年創業の「角上楼」だ。日本屈指の天然トラフグの産地で味わうのは、バリエーション豊かなフグ料理。鍋チリ、炭であぶったフグの薄造りで、軽く焼いた白子をくるんだふぐかさね、フグ寿司、干したフグのクチバシを（唇）を焼いて熱燗に投入したカラス酒、フグ雑炊……。天然トラフグを味わい尽くす贅沢な時間を過ごそう。

アラ、オコゼ、フグ……
玄界灘の美味を唐津焼で
【洋々閣】

日本を代表するうつわの産地である、佐賀県唐津にある「洋々閣」。唐津焼の第一人者「隆太窯」の中里隆さんの作品をはじめ、唐津焼に盛りつけられた、玄海灘の海の幸が堪能できる、うつわ好きにはたまらない宿だ。冬は名物〝アラ尽くし〟と〝フグ鍋〟がおすすめ。

ツウを唸らせる美食の小宿
【オーベルジュあかだま】

オーベルジュとは宿泊施設を備えたレストランのこと。長崎の大島にあるこの宿では、オーナーシェフ自ら仕入れる新鮮な海の幸を生かしたフレンチが味わえる。そのほかフレッシュ・フォアグラ、イベリコ豚、長崎牛などの肉料理も充実。美食に加えてオーナー夫妻の心温まるもてなしは、はるばる訪れるツウなリピーターがいるのも納得だ。

その土地の旬の美味を食べに行くために宿を訪れるというのも、四季がある日本ならではの旅の愉しみ方。この冬はそんな〝味の宿〟を満喫するというのはいかがでしょうか。

写真＝山平敦史、津久井輝明、宮地 工

Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」