渋谷パルコ《贈るうつわ展》
osio craft/杉田創作/新田佳子/奥平明子/波多野裕子/増渕篤宥/阿部有希
2024年8月17日(土)〜8月25日(日)にかけて渋谷PARCO1階のDiscover Japan Lab.で開催される「贈るうつわ展」では、ガラス、陶器、木工の3ジャンルのうつわを展示販売。合わせてラッピング用の風呂敷やボックスも提案します。
こだわりの詰まったうつわの中から、あの人へのベストな一品を選びませんか?
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を8月20日(火)20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
天然木の柔らかな風合い
osio craft
osio craft(おしおくらふと)
岐阜・高山の職業訓練校で木工を学んだ岩田翔馬さんの屋号。2018年にosio craftとして活動をスタートし、木の特徴を生かしたオンリーワンの作品を制作。
「osio craft」の名は、素材を生かし、味つけをする、日常の中の「塩」のような存在を目指して命名。事実、そのプロダクトは、温もりだけではない。木工旋盤によるシャープな装飾も特徴的で、現代の暮らしにそっと花を添える。同じかたちでも木目によって見え方や印象が違うのも木工の醍醐味。一つひとつ、見比べる時間も楽しい。
左)ディナースプーン
柄の部分は木工旋盤を使用。シャープな装飾は、握りやすいだけでなく、うつわに添えたときに滑らず、引っ掛かるので使いやすい。
価格|4620円
サイズ|W180×D30×H5㎜ 重量|10g
右)リム皿 18㎝
木目が表情豊か。リムの端を数ミリメートル立たせることでメリハリを出しつつ、持ちやすさも実現。普段の何げない料理に合わせたい。
価格|4180円
サイズ|Φ185×H15㎜ 重量|135g
鉋の痕跡を愉しむ高機能ペッパーミル
杉田創作
杉田創作(すぎた そうさく)
1987年生まれ。岐阜県「森林たくみ塾」で学び、木工と手道具のつくり手に。茨城県つくば市の工房で、作家に好評な南京鉋や豆鉋、また珈琲器具や調理道具などを制作している。
杉田創作さんがつくる鉋で仕上げたスパイスミル。優美で洗練されたかたちや木目の美しさとともに、料理人経験を生かした高い機能性と使いやすさが持ち味。こだわりは、丁寧な削り出しによるグリップ感、軽やかに挽けるセラミック刃。灯台型の「ポート」(写真左)、糸巻きをイメージした「スプール」(中央)と小サイズは「ボビン」(右)。
中央左)ペッパーミル(スプール/サクラ)
真鍮飾りの付いた蓋には、加飾挽きによるデザイン紋様が刻まれている。上品な佇まいとともに、リズミカルなデザインで愛らしさをプラス。
価格|1万3750円〜
サイズ|Φ55×H160㎜ 重量|165g
右)ペッパーミル(ボビン/イヌシデ)
無塗装仕上げのイヌシデのペッパーミルは、柔らかで美しい曲線がまるでオブジェのよう。木の質感や経年変化を愉しみたい。
価格|1万3750円〜
サイズ|Φ60×H105㎜ 重量|140g
白と透明のコントラスト
新田佳子
新田佳子(にった よしこ)
2000年に倉敷芸術科学大学芸術学部工芸学科ガラスコース卒業。ガラススタジオでの勤務を経て、ガラス作家として独立。’18年から東京を拠点に活動している。
繊細で華やかな模様は、砂をうつわの表面に吹き付けて描く、サンドブラストと呼ばれる加工技術によるもの。白と透明が織りなす世界が美しく、模様部分にわずかな凹凸があるので手によく馴染む。「ガラスは繊細ですが、丁寧に扱うことで日々の生活の中でひと呼吸置いてもらえるかなと思っています」と新田佳子さん。日常のアクセントにぜひ。
左)IZUMI花器
気負わず日常使いできる小さめサイズ。ボディのストライプ模様が、草花を華やかに演出。口が狭いのでバランスよく生けられる。
価格|1万9800円
サイズ|Φ120×H100㎜ 重量|270g
右)IZUMIロックグラス
全体にあしらった模様が何とも賑やか。酒器の好みは一人ひとり異なるので、あえてかたちを揃えず展開。好みのフォルムを見つけて。
価格|8800円
サイズ|Φ65×H110㎜ 重量|170g
優しいかたちのうつわ
奥平明子
奥平明子(おくだいら あきこ)
2000年、東京ガラス工芸研究所卒業。ガラス工房に勤務後、制作をスタート。12年間ほどの育休期間を経て、’16年より再開。’21年、自宅の一画に工房をつくり、現在に至る。
「ものづくりを仕事にしたいと思ったときに、なんとなくガラスだなと思ったんです」。自然体で話す奥平明子さんの作品には、ゆるやかな空気が漂う。高温で柔らかく溶けたガラスの自然な動きがほどよく投影されていて、思わず手に触れたくなる。「繰り返し使う中で、日常の風景になっていくことを意識している」とも。暮らしの相棒に迎え入れたい。
左)ギザフチボウル
縁に施したギザギザが表情豊か。サラダやお浸し、フルーツ、深みがあるのでソースなどにも。何でものせられる便利な小鉢。
価格|4400円
サイズ|Φ110×H55㎜ 重量|135g
右)ギザフチ皿S
シンプルでありながら、縁の装飾が華やか。ほどよいサイズ感で、取り皿としても使いやすい。ケーキやパン、焼き菓子にも合う。
価格|6050円
サイズ|Φ165×H20㎜ 重量|180g
ガラス粒の優雅な景色
波多野裕子
波多野裕子(はたの ひろこ)
1968年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科人文専修卒業。’93年より陶芸を、2004年より彫金をはじめ、’08年からガラスで作品を制作。国内外で展覧会を開催。
ガラスの粉を石膏型に詰め、焼成し、鋳込むことでつくられるうつわは、ガラスとは思えないほど柔らかく、なめらかな質感。「ガラスの粒が溶けて流れることで生まれる表情が好きなので、景色が映えるよう、あえてシンプルなかたちにしています」と波多野裕子さん。眺めているだけでも心が和むので、アートピースとして楽しむのも一案だ。
左)グラス
口縁部が広いため、日本酒の味や香りを存分に楽しむことができる。薬味を入れたり、水を張って花を浮かべたりしても絵になる一品。
価格|1万8150円
サイズ|Φ75×40㎜ 重量|50g
右)小皿
ニュアンスのあるカラーが空間をスタイリッシュに見せる。うつわとしての利用はもちろん、アクセサリーや小物置きにもぴったり。
価格|1万4520円
サイズ|Φ80×10㎜ 重量|35g
手彫りの緻密な模様
増渕篤宥
増渕篤宥(ますぶち とくひろ)
1970年、茨城県笠間市生まれ。愛知県立瀬戸窯業高等技術専門校卒業。以降、数々の窯元で陶磁器製造に尽力。2005年、宮崎県北諸県郡にて開窯。’10年、同県小林市に移転。
窯業地に生まれ、家業も陶磁器製造業だった増渕篤宥さん。紆余曲折あったものの、おのずと陶芸の道を選んでいた。得意とするのは自然モチーフの繊細な彫刻。洗う際にじゃまにならないよう極力浅く彫り、かつ奥行きを出している。「入れ物である以上、機能性を重視し、その上で装飾しています」。空間にメリハリをつけるスパイスのような存在だ。
左)青釉草紋小鉢
使い手の持つ姿も美しく見えるよう設計されている。オリエンタルな雰囲気で、さまざまな食卓に映える。フルーツやデザートにも。
価格|4400円
サイズ|Φ110×H40㎜ 重量|140g
右)青釉唐草紋陶小筥
手彫りならではのシャープな陰影が美しい。「お気に入りの小物など、蓋の下に秘められた何かを想像しながらお使いください」。
価格|1万8480円
サイズ|蓋Φ80×H10㎜、本体Φ80×H25㎜
重量|蓋50g、本体80g
のびやかなくるくる模様に心が躍る
阿部有希
阿部有希(あべ ゆうき)
2006年、筑波大学芸術専門学群建築デザイン専攻卒業。’09年、多治見市陶磁器意匠研究所修了。建築設計の仕事を経て、’14年より地元である愛知で作陶を開始。現在に至る。
「うつわは一日に何度も使うもの。自分の手に馴染み、食べ物や飲み物もしっくり収まる。それでいて好みのデザインだと気分が上がります」。陶器の魅力を語る阿部有希さんだが、自身の作品はまさにそれ。土が醸す優しい風合いを生かしつつ、個性的な模様で使い手の心を盛り上げてくれる。手に取るたびに笑みがこぼれる、遊び心あふれる一品だ。
左)鉄絵BIGマグ
300ccほど入る大容量のマグカップ。安定感のある筒形。ガシッと持てる大きな取っ手。微妙に異なるドット柄が愛嬌たっぷり。
価格|6600円
サイズ|Φ87×H90㎜(取っ手35㎜) 重量|305g
右)鉄絵片口 小
くるくる模様が大胆。内側のブロンズ釉がモダンな印象。酒器としての利用はもちろん、ちょっとした草花を挿す花器としても。
価格|4950円
サイズ|W110×D65×H105㎜ 重量|210g
贈る想いを伝えるラッピングもぜひ
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企画展作品の一部がオンラインで買える!
公式オンラインショップ
贈るうつわ展
会期|2024年8月17日(土)〜8月25日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel |03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Misa Hasebe, Yukiko Mori photo: Shiho Akiyama
2024年9月号「木と暮らす」