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渋谷パルコで開催!
アートスペース油亀企画展〈鉢は植物の着物である〉

2024.6.10
渋谷パルコで開催!<br>アートスペース油亀企画展〈鉢は植物の着物である〉

クスッと笑えるユニークなかたちからオブジェのような迫力あるデザインまで、バラエティに富んだ鉢が大集結。眺めているだけでもワクワクしてくる。
東京・渋谷パルコのDiscover Japan Lab.では、2024年6月8日(土)〜6月23日(日)にかけてアートスペース油亀企画展「鉢は植物の着物である」が開催。本展の背景と作品ラインアップを紹介します。

Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を6月11日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

アートスペース油亀
岡山県岡山市。日本三名園の一つ、岡山後楽園の対岸に佇む。かつて油問屋だった屋敷を改修し、うつわと美術を扱うギャラリーに。「視点が変わる展覧会」をテーマに繰り広げる独自の企画展は人気が高い。

柏戸喜貴(かしわど よしたか)
1978年、大阪府生まれ。幼少期からぐい呑みコレクターの祖父に代わり、うつわ選びをはじめる。学生時代に将来の起業を志す。大学卒業後、登山用品店に入社。転勤を重ねながら各地の郷土や暮らし、ものづくりに携わる人々に出会う。2007年に現ギャラリーを開業。

暮らしに彩りを添える
鉢と緑のある風景

動物モチーフがかわいらしい安藤大悟さんの作品

「食器は料理の着物である」。これは美食家としても知られる芸術家・北大路魯山人の名言。うつわは、単に料理を盛りつけるだけの道具ではなく、料理を際立たせる服のような存在。美味しい料理には、それ相応の美しいうつわが必要だと説いている。

「この言葉を聞いたとき、ピンときたんです。魯山人の考えは、緑と鉢の関係にも当てはまるのではないかと」(アートスペース油亀代表・柏戸喜貴さん)

江口誠基さんの作品からは大地の力強さが感じられる。エスニックなハーブやスパイス類を育てても楽しい

空間に緑をしつらえるとき、つい植物だけに注目しがち。だが実際は、鉢も含めてはじめて緑の世界観が成立する。
「だとしたら、特別な鉢を合わせれば、緑はよりいっそう輝くのではないかと思ったんです」

こうして今回の企画展「鉢は植物の着物である」のアイデアは誕生した。まず柏戸さんが取りかかったのは、とびきりの鉢をつくってもらうための作家探し。ゆかりのある全国の陶芸家、約100名の中から気鋭の12名に声を掛けた。その多くが普段から緑のある暮らしを楽しんでいる緑愛好家だ。

「どなたも素晴らしい感性をもっています。色遣いが斬新だったり、伝統を生かしつつ独自のセンスで自由に表現していたり。ですので、デザインはすべてお任せしました。ただ植物鉢ですので、機能面に関しては事前にしっかり打ち合わせをしました」

自身も緑愛好家である柏戸さんは、植物に負担のかからないかたちを目指した。大澤哲哉さんの鉢はリム幅が広く軽量なので持ち運びに便利

こだわったのは植物にやさしい構造であること。根腐れしないように水はけをよくしたり、通気性を確保したり。根がしっかり張るように、深さや容量も意識した。 こうして完成した鉢はどれも個性的。中にはオブジェと見間違うものもあり、ことごとく鉢の概念が覆される。生活にひねりを加えたい方にこそおすすめしたい。理屈抜きで気に入った鉢をぜひ。

あなたならどの鉢にどんな緑を合わせる?
作品ラインアップ

一般的な植物鉢とは大違い!? 今回の企画展では、緑を愛する作家たちによる個性豊かな鉢の数々を紹介。同じ植物でも、選ぶ鉢によって雰囲気が変わって見えるからおもしろい

屋内での使用はもちろん、庭に置いて植物の成長とともに経年変化を楽しむのも贅沢。シーンに合わせて選びたい。

長谷川哲也 縞植木鉢L
水はけのよい絶妙なカーブ、手作業で刻んだ鎬(しのぎ)、マットな釉薬。シンプルながらも丁寧な仕事ぶりが随所に見られる一品。
サイズ|φ170×H100㎜
重量|715g 価格|5500円

柳 忠義 赤・白(大)
一般的な鉢の概念を覆す、アート性の高い作品。緑を自由に生けてもいいが、オブジェとして空間にしつらえるのもおすすめ。
サイズ|φ185×H95㎜
重量|1070g 価格|1万925円

あよお 金澤尚宜 植木鉢 彗星
天草出身の作者が、地元の海の情景を鉢で表現。青のグラデーションがハッとするほど美しく、なめらかな質感も気持ちいい。
サイズ|φ125×H100㎜
重量|525g 価格|1万2650円

タナベヨシミ 地球
球体の鉢に緑を生けると、まるで自然豊かな地球を人々が支えているような風景が現れる。自由で伸びやかな発想に心が躍る。
球 サイズ|φ100×H85㎜ 重量|220g
土台 サイズ|φ95×H130㎜ 重量|330g
価格|1万2650円

増田 光 植木鉢LL
上に伸びるものや、下に垂れ下がるものなど、選ぶ緑によってコアラの表情が異なって見える。耳がつかみやすく、持ち運びも楽。
鉢 サイズ|W375×D205×H215㎜ 重量|2280g
受け皿 サイズ|φ185×H40㎜ 重量|650g
価格|3万3000円

梅澤真那 オブジェ植木鉢
凸凹のフォルムがまるで何かの生き物のよう。アートピースとして庭にあしらい、時間とともに苔むしていくさまを愛でるのもいい。
サイズ|φ320×H210㎜
重量|6465g 価格|12万1000円

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公式オンラインショップ
 

アートスペース油亀企画展「鉢は植物の着物である」
会期|2024年6月8日(土)〜6月23日(日)
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel |03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。

text: Misa Hasebe photo: Shimpei Fukazawa
2024年7月号「沖縄」

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