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熊本県南小国町《喫茶 竹の熊》
アロマから家具まで暮らしに取り入れたい小国杉

2023.10.19
熊本県南小国町《喫茶 竹の熊》<br><small>アロマから家具まで暮らしに取り入れたい小国杉</small>

2023年5月、熊本県阿蘇郡南小国町に「喫茶 竹の熊」がオープンした。地場産品である小国杉を多用した建築は、美しい里山の風景と調和し、訪れた人々に南小国町の風土を伝えている。最後は、南小国町の伝統や文化を凝縮した、ライフスタイルブランドFILの製品の数々を紹介。

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すがすがしい香りを漂わす小国杉の葉。精油の抽出後の葉は農家が引き取り、肥料にするという

「FIL」のコンセプトは「Fulfilling Life」。
 
「丁寧な手入れで保たれてきた阿蘇の美しい景観、訪問者を優しく受け入れる温かな心、“自然と人・人と人”のつながりを重んじる文化・価値観を『Fulfilling Life=満ち溢れた人生』というコンセプトに落とし込みました。末長く愛用でき、人とモノの関係において深く強いつながりを生む製品づくりに挑戦しています。この土地を体験し、素材に触れ、その感覚をかたちにしていきたい。この土地でしかつくれないものがまだまだあると思っています」

小国杉の葉のエッセンシャルオイルは、水蒸気蒸留法で抽出。留液タンク内の上に浮かぶのが精油だ
粉砕した小国杉の葉を蒸留釜に入れて熱し、芳香成分と水蒸気を気化させ、冷却すると芳香蒸留水と精油の2層ができる

この言葉通り、FILの製品はこの土地と強いつながりを感じさせる。たとえば「MASS Series Dining Chair」は、小国杉の重量感と対比したフレームの構成がスギの価値を高め、軽快さを生み、森の中のような心地よさと風通しのよさを感じさせてくれる。
 
また、小国杉の伐採時に不要とされる枝葉は精油として活用。木を余すところなく使うのも穴井さんらしい。
 
「僕らは小国杉ないし南小国町の魅力を掘り下げているんです。伝統や文化を新しくするのではなく、強めていくことこそがイノベーションだと思っているんですよね。そのために何ができるかを、常に考えています」
 
次に目指すのは宿泊施設をつくることだという。穴井さんが巻き起こす革新は、まだまだはじまったばかりだ。

読了ライン

小国杉のエッセンシャルオイルは、柑橘系の爽やかな香り。杉の学名「Cryptomeria japonica」からも日本固有種だとわかる
FILの旗艦店に併設する「FabLab MinamiOguni」では、タボレッタポプリをつくるワークショップも開催している
FILの旗艦店。左側にあるのが「MASS Series Dining Chair」20万6800円〜
小国杉の丸太を加工したスツール「MASS Series 4leg Stool」16万2800円〜。色は3色
Pot-Pourri Susano 素戔嗚
阿蘇山の溶岩を使用したポプリ。香りはパリのMiya Shinma PARFUMSのアトリエで調香され、小国杉の精油をベースにブレンド。爽やかで温かみのある香りだ。2万5080円
Epsomsalt
小国杉のエッセンシャルオイルを贅沢に使用したエプソムソルトの入浴剤。清涼さの中に甘みのある心地よい香りで心を癒し、身体を芯から温め発汗を促してくれる。3080円
Aroma Candle
ソイワックスを使用したキャンドル。落ち着いた香りの「kusabi 楔」、緊張を溶きほぐす香りの「tamaki 環」、輝きに満ちた香りの「uzume 鈿女」の3種類。各1万2980円
SUGI PLATE
一つひとつ丁寧につくられた小国杉のプレート。小国杉の色合いとつや、木目の表情が楽しめ、優しい手触りも魅力だ。S7700円、M9900円、L1万3200円
SUGI CUP
手にするとその軽さに驚かされる小国杉のカップ。持ちやすく、美しい曲線を描くフォルムは、手作業で仕上げられたもの。S5280円、M6380円、L7040円

喫茶 竹の熊
住所|熊本県阿蘇郡南小国町赤馬場2041
Tel|0967-42-1010
営業時間|11:00〜16:00(L.O.15:30)
定休日|木・金曜

 

  

text: Nao Ohmori photo: Kenta Yoshizawa
協力=九州観光機構

Discover Japan 2023年9月号「木と生きる」

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