沖縄県竹富町《星のや竹富島》
コンテンポラリーダンサー・振付家の水村里奈さんが体験!
島時間に癒される夏の朝活【後編】
心までゆるむ休息を求め、水村里奈さんとともに向かったのは、柔らかな南風と藍緑色の海に抱かれた竹富島。まるで島人として暮らすかのように滞在する「星のや竹富島」での3日間は、インスピレーションの宝庫だった。
自然の中で心身を解き放つ
特別な朝活 「海ぬククルムチ」
朝一番のフェリーが石垣島から到着する前。そこには静けさが際立つ島人の日常があった。「夜も鳥や虫の声がよく聞こえましたよね」と会話を楽しみながら目指すは、賑わう前のコンドイビーチ。箒目が美しい白砂の小路は、島人の朝の習慣として掃き清められたばかりだ。
ウォーキングでほどよい疲れを感じると、一刻も早く「海ぬククルムチ=海の心地」に身体をゆだねたくなる。ひと息ついて浅瀬に浸かった水村さんは「目を閉じると、不思議と海の広さと深さを感じるんです」と、いとも簡単に浮遊浴を自分のものにした。
緊張を解き放った浮遊浴の心地よさを消さぬよう、砂浜では月桃・ピーヤシなどの命草をブレンドした温かいハーブティーを心と身体に染み渡らせる。約54種あるといわれる命草は、長らく医者のいなかった島の人々の健康を守ってきた味方。民具やバスソルトづくりの体験でも、その恩恵を身近に感じることができる。
「最初は南の島という大雑把なイメージを抱いていたんですが、島の話を聞いてから周囲に目を向けると、竹富らしさがだんだんと肌で感じられるようになって」と、島での癒しが水村さんに新たなインスピレーションをもたらした。
「東京では緑の多い公園をわざわざ探してクリエイションしていたのですが、ここにはその場所が有り余るほどある。竹富島に来て、ようやく自分の表現するダンスと空間が調和したんです」
南風に乗って聞こえてくる鳥や虫の声−−−−。帰る頃にはダンスを彩る音色となり、耳に響いていたという。
特別な朝活 「海ぬククルムチ」
開催期間|~2023年9月30日(土)※8月11~20日を除く
料金|1名3万250円(税・サ込、宿泊料別)
含まれるもの|フロート貸出、朝食(フルーツ、サンドイッチ)、ハーブティー、スパトリートメント
定員|1日1名
※公式サイトより14日前までに要予約、雨天中止、施設内プールで実施する場合あり
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星のや竹富島ならではの
アクティビティも体験
島の人たちと触れ合う民具づくり
島人と協力し、歴史や伝統を後世へとつなぐリゾートを目指す星のや竹富島。手業を継承する「クージの会」の皆さんと“ゆんたく(おしゃべり)”しながら、月桃コースターづくりを教わる
命草(ぬちぐさ)バスソルトづくり
自生する命草やハーブの香りを嗅ぎ、好みの草花を摘み取るところからはじまるバスソルトづくり。「入浴時にいろいろな香りがしたらいいなと、心の赴くままに入れてみました」
開催日|月・木曜日(時期により変更あり)
時間|10:30~/11:30~
開催場所|ゆんたくラウンジ
料金|無料
星空の下でてぃんぬ深呼吸
天の川の帯までもが見える星空の下で、快眠へと導く深い呼吸とストレッチを体験。終了後は芝生の上にゴロンと仰向けになり、静かな星月夜の中で流れ星を待ってみたい
開催日|毎日
時間|21:15~21:45
開催場所|プールサイド
料金|無料
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「海ぬククルムチ」滞在のスケジュール例
<1日目>
15:00 チェックイン
17:00 客室でゆったり過ごす
<2日目>
6:15 星のや竹富島を出発。歩いてビーチへ
6:45 コンドイビーチ到着。浮遊浴スタート
7:20 海から上がりビーチでシャワーを浴びる
7:45 海辺で朝食とハーブティーでリラックス
8:30 コンドイビーチ出発
8:40 星のや竹富島到着
9:00 スパトリートメント「島時間スパ」
11:00~17:00 客室やラウンジで休憩
18:00 「島テロワール」夏のディナーコースを堪能
<3日目>
8:00 朝の集落を水牛車でめぐるツアーに参加
12:00 チェックアウト
星のや竹富島
住所|沖縄県八重山郡竹富町竹富
Tel|050-3134-8091(星のや総合予約)
客室数|48室
料金|1泊1室11万2000円~(税・サ込、食事別)。2泊より受付
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAほか
IN|15:00
OUT|12:00
夕・朝食|洋食または和食(レストランまたはインルームダイニング)
アクセス|石垣港よりフェリーで約15分、竹富港より送迎あり
text: Natsu Arai photo: Yamato Nonaka
Discover Japan 2023年8月号「夏の聖地めぐり。」