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データサイエンティスト・宮田裕章に聞く
データサイエンスが導く持続可能な未来②

2023.7.30
<small>データサイエンティスト・宮田裕章に聞く</small><br>データサイエンスが導く持続可能な未来②</small>

収集したデータを分析、解析し、有益な価値を引き出す学問、データサイエンスへの注目度は、年々高まりを見せている。データで未来を切り拓くために必要なカギを、データサイエンティスト・宮田裕章さんの解説で探っていく。

今回のテーマは「データサイエンティストに求められること」。データサイエンティストの活躍の場は経済活動にとどまらず、国家政策や医療の現場など、さまざまなシーンでその存在感を示している。

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データサイエンティストに求められること

ローカルの価値と世界との結び付きがより強くなれば、地域特有の文化を生かしたプロダクトやアイデアも、海を越えて世界に届けられるはずだ。それらをかなえるデータサイエンスに大切なのは、「問いを立てる力」だと宮田さんは言う。
 
「課題に対し、どんな戦略が有効か問いを立て、データを収集、分析し、検証を重ねていく。この力は、未来に必要な価値を考える上でも重要です」
 
持続可能な未来のために、いま日本企業に求められることは何か。
 
「問いを立てる力を養い、デジタルを前提とした解決策をつくり、データを活用すること。そうすれば日本は世界でよりいっそう躍進できるでしょう」

<データサイエンティストに求められること>
▶︎適切なデータを見つけ、扱うための“問いを立てる力”
▶︎データを収集・分析してアクション起こす
▶︎課題解決のための支援(教育)

課題に対する問いが、収集するデータの内容や具体的な実践に落とし込まれる。「データの用途を真摯に説明し、ミッションに対し誠実に役割を果たす『Give and Share』の理念。それがデータサイエンティストに重要なことだと考えます」と宮田さんは語る

<データの力の活用 CASE 1>
医療の底上げを可能にするNCD
(National Clinical Database)
2010年に外科系臨床学会が設立した、全国の外科手術・治療情報を収集、分析、解析し構築された手術症例データベース。施設診療科の特徴、適正な外科専門医の配置、手術の見通し、死亡・合併症の危険性などを明らかにしている

<データの力の活用 CASE 2>
見えない感染を見える化した全国LINE調査
LINE×厚生労働省「新型コロナ対策のための全国調査」では、発熱者の職業割合、「3密」リスク、抗うつ傾向などを数値化することで課題を浮き彫りにした。「データの重要性を認識する契機にもなったのかなと」と宮田さん

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データサイエンスが、
一人ひとりに寄り添う未来をつくる!?

 
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text: Nao Ohmori photo: Kenji Okazaki
Discover Japan 2023年6月号「愛されるブランドのつくり方。」

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