山梨県・北杜市
《星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳》
ワインリゾートでかなう幸福なワイン三昧の滞在
国産ワインに特化したワインリゾート「リゾナーレ八ヶ岳」。提携する「ドメーヌ ミエ・イケノ」の稀少なワインを堪能すべくワインエキスパートの和田大さんがこの地を訪れた。
和田 大さん
ワインエキスパート・エクセレンス。企業経営のかたわら「アカデミー・デュ・ヴァン」講師も務める。全日本J.S.A.ワインエキスパートコンクールで2度優勝。テイスティングコメントはトップソムリエからも高く評価される
池野美映さん
エノログ(フランス国家資格ワイン醸造士)。ドメーヌ ミエ・イケノ主宰。モンペリエ大学薬学部で国家資格を取得後、ブルゴーニュ、南仏で醸造経験を重ね帰国。2007年より100%自ら栽培したブドウのみでワインを造り続けている
自社畑のブドウ100%でワインを造る「ドメーヌ ミエ・イケノ」。凛としてしなやかな強さのあるワインは国内外で評価が高く、リリースして数十分で売り切れるほどだ。「リゾナーレ八ヶ岳」がドメーヌ ミエ・イケノと提携し、ワインリゾートとして歩み出したのは2006年のこと。以来、季節ごとのワインステイを提案している。
和田大さんは、まずブドウ畑に足を運んだ。南西に南アルプス、南に富士山、北に八ヶ岳を望み、空が開けた丘陵地に、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルローが植えられている。足元はふかふかだ。春先に剪定した枝や米のもみ殻、近隣で育つ馬の有機堆肥、刈り取った雑草も土に帰して循環させる。冬場はブドウの木の幹に畝立てをして保温チューブをめぐらせる。大変な作業をそこまで徹底してやるところは珍しい、と和田さん。
ブルゴーニュでワイン造りを学んだ池野美映さんは、グラビティ・フロー・システムを国内ではじめて取り入れた。ブドウを破砕・圧搾し、階下の発酵タンクに自然落下させるやり方だ。発酵後さらに階下のワイン樽へ。瓶詰めまで重力を利用。ポンプで送るのに比べブドウにストレスがかからず、繊細な個性を引き出せる。できるだけ自然酵母で発酵させ、樽で長期熟成。ろ過はしない。「フィルターを通せばもっとキレイなワインになるのですが、雑味も全部含めて自然のまま、飾らないワインにしたくて」と池野さん。
自然の大きなリズムを取り入れて人為的なものは最小限に。そのバランスを見極めながら造られたドメーヌ ミエ・イケノのワイン。「いいワインはその土地にある自然全体が呼びかけてくれる」との和田さんの言葉がフィットする。
八ヶ岳のテロワールを満喫する
究極のワインステイ
ドメーヌ ミエ・イケノのワインを全種類揃えているのはリゾナーレ八ヶ岳のみ。「ドメーヌ ミエ・イケノ 究極のワインステイ〜冬〜」プランでは、とても稀少なバックビンテージのワインを、八ヶ岳のテロワールを感じる食事とともに堪能できる。
そのひとつがナイトハーベストによる「月香シャルドネ」だ。ブドウを気温が低い深夜のうちに収穫し、低温でブドウがいい状態のうちに仕込むことで、果実のきれいな酸や糖をキープできるという。「澄みきったピュアな果実感があり、酸も際立っている。満月のような色もいいですね」と和田さん。
プライベートダイニングに移動してのディナーは、なんとメルローのバックビンテージ3年分を垂直テイスティング。「近年は気候の波が大きいので収穫年による個性が出やすいです。その年の個性を大事にされているというから、さらに楽しみです」。山梨の食材や郷土料理を取り入れた料理も秀逸で、ワインの個性をさらに引き立ててくれる。
客室には「ドメーヌ ミエ・イケノ」の
ハーフボトル3種を用意
楽しみはこれだけではない。食後はグラッパが待っているし、部屋にはドメーヌ ミエ・イケノのハーフボトルが3種も。朝食は部屋でゆっくり、ワインとともに。ワイン愛好家にはたまらない滞在となること間違いない。
「ドメーヌ ミエ・イケノ 究極のワインステイ〜冬〜」
期間|12月12日〜2023年3月31日の平日(除外日あり)
料金|1泊2食付1名10万2550円〜(税・サ込)
定員|1日1組 ※2週間前までに要予約
星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
住所|山梨県北杜市小淵沢町129-1
Tel|050-3134-8093(9:30〜18:00)
料金|1泊朝食付1室1名2万4000円〜(税・サ込)
客室数|172室
カード|AMEX、Master、VISAなど
夕食|イタリア料理、ビュッフェ(レストラン)
朝食|ビュッフェ(レストラン)
アクセス|車/中央自動車道小淵沢ICから約5分、電車/JR小淵沢駅から送迎バスで5分
施設|レストラン、ワインハウス、温浴施設、プール、スパなど
text: Yukie Masumoto photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2023年1月号「酒と肴のほろ酔い旅へ」