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「野崎島」潜伏キリシタンが残した秘島。
この夏は、長崎でのんびり島旅へ。

2019.7.18 PR
「野崎島」潜伏キリシタンが残した秘島。<br>この夏は、長崎でのんびり島旅へ。

夏旅といえば、のんびり滞在できる離島めぐりがしたくなるもの。おすすめしたいのは佐世保港を起点に旅できる島々だ。2018年に世界遺産に登録された野崎島をご紹介しよう。

旅の入り口は佐世保港がおすすめ!

野崎島、宇久島、小値賀島への旅は、距離が近く、船の便数が多い佐世保港がおすすめ。佐世保市は『「海風の国」佐世保・小値賀観光圏』として、観光圏の認定を受けている

潜伏キリシタンが残した秘島
野崎島

島内の704年創建の沖ノ神島神社。野崎集落の人々は神道を信仰していた。小値賀島から野崎島へ渡る船から全景が見られる

野崎島に降り立つと、こちらの様子をうかがう、野生の鹿の存在に気づく。風景の中には、かつて人の営みがあったことをしのばせる廃屋の集落。野崎島には、野崎、野首、舟森の3集落があり、昭和30年代には650人以上の住民が暮らしていた。しかし時代の波にのまれ、2001年に最後の住民であった沖ノ神島神社宮司が離村。現在は簡易宿泊・休憩施設「野崎島自然学塾村」の管理者以外、ほぼ無人の島になっている。

野崎島は人々の祈りとともに、歴史を積み重ねてきた。神道の聖地であったこの島に、禁教令から逃れた潜伏キリシタンが移り住んだといわれ、野首集落と舟森集落を開拓。小高い丘の上に建つ旧野首教会は、長年の苦難を耐え抜き信仰の自由を手に入れた人々の、精神性の象徴といえるだろう。野首集落に住む17世帯の信者たちは生活を切り詰め、結託して建設費用を捻出。1908年に野首教会が完成し、人々の心に寄り添い続けてきたが、1971年に野首集落が廃村になったと同時に教会としての役目を終えた。

その後、野首教会は全面改修され、2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として「野崎島の集落跡」が、ユネスコ世界文化遺産に登録。野崎島の記憶を後世に伝えるため、旧野首教会は今日も美しい海を見つめている。

設計は教会建築の名工・鉄川与助。旧野首教会は彼がはじめて手掛けたレンガづくりの教会だ。内部はこうもり天井で、骨組みに竹を用い、しっくいで仕上げている。ステンドガラスのモチーフは五島列島の名産である椿といわれている。総工費は約3000円、現在価格にして2億円に及ぶ
ガイドツアーを利用すれば、ありのままの自然が息づく野崎島を深く知れる。(7〜9月は沖ノ神島神社をめぐるツアーは不催行)

佐世保を起点に旅しよう!

長崎空港から佐世保駅まで、バスで約90分、乗合ジャンボタクシーで約55分。佐世保駅から佐世保港まで徒歩約5分。佐世保港から小値賀島まで、高速船で1時間半、フェリーで約2時間半〜3時間。

※時刻表または運賃については、佐世保観光情報センターに問い合わせ(Tel:0956-22-6630)
※野崎島の問い合わせは、おぢかアイランドツーリズム協会(Tel:0959-56-2646)まで

《この夏は、長崎でのんびり島旅。》
1|潜伏キリシタンが残した秘島「野崎島」
2|平氏と大自然とパワースポットと「宇久島」
3|古民家の島を暮らすように旅する「小値賀島」

文=大森菜央/写真=林 和也
※本記事は、7/5に発売されたDiscover Japan8月号『120%夏旅。の一部を抜粋して掲載しております。

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