《SKS JAPAN 2022》
地域×企業の共創から見えてくる
よりよい未来のフードシステム
2022年9月1日(木)から3日(土)の3日間にわたり、米国発フードテックカンファレンスの日本版「SKS JAPAN 2022 -Beyond Community-」が開催された。2017年にはじまった「SKS JAPAN」は、“食×テクノロジー&サイエンス”をテーマに、あらゆる業界の共創により食の未来を描くことを目指している。
今年のタイトルに掲げた「Beyond Community」とは、「コミュニティを超えた存在を目指すこと」。食に関する社会問題の解決と食の多様な価値の開花を両立し、人と地球のウェルビーイングを実現するビジネスを生み出す“エコシステム”へ進化させたいという想いが込められている。
今年は、食の未来の可能性を探ると同時に、新しいフードシステムの実現につなげるためのコンテンツを中心に展開。食の課題をテクノロジーで解決する技術=フードテックのトレンドを体験できる展示や、スタートアップによるピッチセッションなどが行われた。また、さまざまな業界の有識者による多彩なセッションがステージで行われ、会場参加者と登壇者が少人数に分かれて議論を行うテーマ別ラウンドテーブルなど、先進的な話題で会場は常に盛り上がりを見せた。
2日目のセッションには、弊誌『Discover Japan』統括編集長・高橋俊宏も登壇。佐賀県・嬉野でお茶の新たな価値創造に取り組む旅館「和多屋別荘」の当主・小原嘉元さん、嬉野の茶農家・北野秀一さんとともに嬉野の革新的な取り組みに言及した。
同セッションのタイトルは「Building new Regional “Food OS”/食から考える地域OS~嬉野モデルが示す世界最先端Regenerative地域エコシステムの可能性」。小原さん、北野さんをはじめ、嬉野の住人たち自らがデザインし、推進するティーツーリズムを具体例として取り上げ、地域の食産業×テクノロジーにより、地域単位でフードシステムを考える地域OSの可能性を探った。
日本の魅力は地域にあり、どの地域にもその土地ならではの魅力があること、そしてそれらをストーリーとしてつなげると、唯一の地域資源として浮かび上がってくることなどについて発信。また、魅力の再発見・再編集のためには外部の目が必要であり、異業種がコラボレーションすることでその価値を高められることについても語った。
会場、オンラインともに参加者の関心は高く、「嬉野に行きたくなった方は挙手を」という高橋の問いかけに、ほぼすべての来場者が手を挙げたほど。セッションの最後には、Discover Japanが今秋開催する「嬉野ビジネストリップ」についても告知。業種を超えて共創する嬉野での取り組みを現地で体感・実感することで、新たなビジネスの種を見出す機会を提案した。
日本の市町村数は1700超。歴史や文化を背景にすれば、より細かい地域に区分することができ、そのすべてに唯一の魅力がある。なかでも食産業は、地域に根差した魅力の宝庫。そしてそれぞれの地域の魅力にかたちをもたらし、広く発信するために欠かせないのがテクノロジーである。地域とテクノロジー、すなわち企業の共創は、地域資源の価値を高める新しいビジネスの種になり得ると同時に、よりよい未来のフードシステムへと導いてくれることだろう。
SKS JAPAN問い合わせ|シグマクシス(f00dtecheyes@sigmaxyz.com)
嬉野ビジネストリップ
催行予定|2022年11月下旬予定
問い合わせ|
ディスカバー・ジャパン(info@discover-japan.co.jp)
シグマクシス(f00dtecheyes@sigmaxyz.com)
画像提供:SKS JAPAN/シグマクシス
Text&article : Miyu Narita、caption : Discover Japan