【漫画】第50代「桓武天皇」
|20人の天皇で読み解く日本史
126代目の天皇が誕生した2019年。今も昔も日本の歴史は天皇がつくってきたといっても過言ではありません。天皇に焦点を当ると、これまでとは違う日本の姿が見えてくるはず。今回は、長岡京から平安京へ都を移した人物、桓武天皇を紹介します。
第50代 桓武天皇(かんむてんのう)
生没年|737–806年
在位|781(45歳)–806(70歳)年
父|光仁(こうにん)天皇
母|高野新笠(たかのにいがさ)
妻|藤原乙牟漏(ふじわらのおとむろ)
弟のたたりを恐れて
長岡京から平安京へ遷都
父・光仁天皇の崩御を受け、45歳で即位した桓武天皇。天武系皇統の都であった平城京から長岡京に遷都するも、長岡京造営の責任者の藤原種継が何者かに殺される事件が起こる。その主犯者が、桓武の弟で皇太子だった早良親王とされ、淡路へ流罪に。その護送中に死去した。その後、桓武に近い人々が相次いで死去したことから、桓武は早良親王のたたりと恐れた。早良親王の事件が、桓武の皇統を守るための陰謀だったことから、後ろめたさを拭えなかった事情があるのだろう。桓武は長岡京を断念し、遷都後わずか9年で平安京への遷都を決定した。
その後平安時代は、藤原家が権力を握り、摂政・関白となって天皇を補佐する「摂関時代」へと移っていく。
また、坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命し、蝦夷を鎮圧。当時朝廷の影響が及んでいなかった東北地方を日本の領土に組み込んだのは、桓武天皇の功績だ。
〈天皇ゆかりの地〉
早良親王の怨霊を鎮めるために建立
「御霊神社」
桓武天皇が早良親王の御神霊を鎮めるため建立。室町幕府の畠山政長がここに立てこもり、応仁の乱がはじまったと伝わる。
御霊神社
住所|京都府京都市上京区上御霊前通烏丸東入ル上御霊竪町495
Tel|075-441-2260
www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/02/004
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20人の天皇で読み解く日本史
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supervision: Hirofumi Yamamoto text: Akiko Yamamoto, Mimi Murota illustration: Minoru Tanibata
Discover Japan2019年6月号「天皇と元号から日本再入門」