東日本大震災から9年
いまも力強い復興を続ける「岩手県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は岩手県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
力強い復興パワーに「じぇじぇじぇ!」
西に奥羽山脈、東に三陸海岸を擁し、北海道に次ぐ面積の広さを誇る。三陸海岸の“三陸”とは東北地方にあった陸奥・陸中・陸前の3つの令制国を表したもので、現在の岩手県はそのいずれにも属し、長くみちのくの中心的な役割を担っていたことがうかがえる。
古代には蝦夷と呼ばれる人々が暮らす遠方の地とされていたが、平安時代に東北地方の開拓拠点となり発展。中世には奥州藤原氏の下、平泉を中心に華やかな仏教文化が栄え、世界遺産の一角をなす中尊寺金色堂をはじめ、当時の歴史を物語る建造物が多く残る。
東日本大震災で三陸地方を中心に多大な被害を受けたが、三陸鉄道の復旧やNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となるなど明るい話題が地域を勇気づけ、現在では震災復興の象徴的なエリアとして、多くの人々が訪れる東北屈指の観光地となっている。
名所・観光
三陸鉄道
三陸海岸沿いを南北に走る長さ163㎞のリアス線を運営。美しい海岸と地形が織りなす絶景路線として、復興新時代の象徴とされる。
問|三陸鉄道 旅客営業部
Tel|0193-62-7000
その他
浄土ヶ浜
龍泉洞
盛岡城跡公園
年中行事
盛岡さんさ踊り
華やかな衣装を身にまとった踊り手の舞とともに、「サッコラチョイワヤッセ」という独特の掛け声と太鼓の音色が響く伝統の祭り。
会期|毎年8月上旬
会場|岩手県盛岡市中央通周辺
その他
いわて雪まつり
春の藤原まつり
チャグチャグ馬コ
美術館・建築
岩手県立美術館
岩手県ゆかりの作家作品を収蔵・公開。南北にゆるやかなカーブを描く壮大な空間「グランド・ギャラリー」が印象的な建物。
住所|岩手県盛岡市本宮松幅12-3
Tel|019-658-1711
http://www.ima.or.jp/
その他
岩手県立博物館
岩手銀行赤レンガ館
めがね橋
郷土料理
盛岡冷麺
朝鮮半島に伝わる郷土料理をルーツにもち、朝鮮特有の強いコシの麺に牛骨鶏ガラスープ、キムチの酸味と辛みがマッチ。
その他
盛岡じゃじゃ麺
わんこそば
まめぶ汁
食
世嬉の一酒造 蔵元レストランせきのいち
1918(大正7)年創業の老舗蔵元の酒蔵内にあり、地元食材を使った郷土料理が味わえる。自慢のビールや清酒の飲み比べも。
住所|岩手県一関市田村町5-42
Tel|0191-21-1144
営業時間|11:00〜14:00、17:00〜21:00(L.O.20:00)※ディナーは1週間前までに要予約
定休日|不定休(1〜3月は火曜)
https://sekinoichi.co.jp/cuisine
クラフト
浅野奈生さんの浄法寺塗
良質の漆に恵まれた浄法寺地区で長い歴史を紡ぐ伝統漆器。技を継承する浅野さんの作品は、柔らかなフォルムが特徴。
問|光原社 本店
Tel|019-622-2894
http://morioka-kogensya.sakura.ne.jp
名産・土産
ベアレン醸造所のベアレンビール
ドイツから移設した100年以上前の醸造設備でつくるクラシックビール。(327円)
Tel|019-606-0766
https://www.baerenbier.co.jp/
巖手屋の南部せんべい
旧南部藩で約600年前から焼かれる郷土料理で。(12枚入り各356円)
Tel|70120-232-209(通販)
https://www.iwateya.co.jp/
旅館・ホテル
とおの屋 要
発酵を極めたオーナーが1組のみの宿泊客をもてなす和のオーベルジュ。自家栽培米で造られたどぶろくや、発酵・熟成食品を使った料理が並ぶ。
住所|岩手県遠野市材木町2-17
Tel|0198-62-7557
客室数|3室(1日1組限定、6人まで利用可能)
料金|1泊2食付3万2000円〜(税別) ※利用人数によって異なる
http://tonoya-yo.com
方言
まんず、うめなぁ(すごく、美味しいですね)
その他
せっちょぐ(難儀する)
おめー、ちょしたな?(おまえ、いじったな?)
おげのみんず、そどさまげでおげよ(桶の水を外に捨てておきなさいよ)
なんでもランキング!
アワビの漁獲量→全国1位
漆の生産量→全国1位
龍泉洞 地底湖の深さ→全国1位
ご当地Q&A
龍泉洞ができたのはどのくらい前?
2億数千年前。現在も調査中の洞内は判明部分だけで4000m以上で、うち700mを公開。芸術的な鍾乳石と青い地底湖が広がる神秘的な光景が楽しめる、日本三大鍾乳洞。
模様が特徴の岩手県の伝統的工芸品は?
南部鉄器。1975(昭和50)年に国の第一号伝統的工芸品に認定された。盛岡と水沢で生産され、独特のアラレ模様は鉄瓶の表面積を増やすことで保温効果を持続させる。
岩手県・基本データ
DATA
県庁所在地|盛岡市
市町村数|14市・15町・4村
面積|1万5275㎢
人口|124万人
人口密度|81.2人/㎢
訪問観光客数(年間)|2759万人
県の木|ナンブアカマツ
県の花|キリ
県の鳥|キジ
気候
年平均気温|11.0℃
最高気温|29.4℃
最低気温|−6.9℃
降水量|1322㎜
快晴日数|8日
降水日数|120日
雪日数|106日
観光
温泉数|85
宿泊施設数|763(ホテル+旅館)
美術館数|18
博物館数|4
道の駅数|33
国宝|中尊寺金色堂ほか
重要文化財数|334(内国宝は8)
史跡数|67
名勝数|14
天然記念物数|69
世界遺産|平泉、明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(橋野鉄鉱山)
国立公園・国定公園|八幡平、三陸復興、栗駒、早池峰
出身有名人
大谷翔平/福田 萌/八重樫東/沢田知可子/宮沢賢治ほか
天然記念物
イヌワシ/焼走り熔岩流/岩泉湧窟及びコウモリ/夏油温泉の石灰華/安家洞/根反の大珪化木ほか
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」
SDGs視点で解説!
岩手県は健やかに成長し、学べる環境が整っている。
人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール2の「飢餓をゼロに」に注目してみると、岩手県は「学校給食における栄養士の有無」で全国1位!さらにゴール4の「質の高い教育をみんなに」に関わる「小中学校投稿者割合」では全国2位の自治体です。
岩手県は未来を担う子どもたちが健やかに成長し学ぶことができる環境が整っている自治体でもあるんですね!
岩手県内の岩手町は、2020年度SDGs未来都市に選定され「岩手町 SDGs未来都市計画」を進めています。この計画の中で「町の未来を担う戦略的な SDGs 人材(地域共創人材)」の育成に向けた「SDGs未来塾 × SDGs起業塾による戦略的な SDGs人材の共育」を織り込み、中高生向けのSDGs 起業塾に加え、子ども議会など子供や若者を対象とした様々な社会教育プログラム、ワークショップを重点的に展開することなどを計画しています。