御神木が伐り出されるまで。
「仮御樋代木伐採式」の様子を追う
|伊勢神宮・式年遷宮と木
いまから約2000年前、倭姫命による巡行の旅を経て、伊勢の地に天照大御神が鎮座したのが伊勢神宮のはじまり。20年に一度行われる式年遷宮は、神様に新しい御社殿に遷っていただくお祭り。2033(令和15)年に63回目を迎える予定の式年遷宮。いま「御神木のお祭り」がはじまっています。今回はそのお祭りのひとつである、「仮御樋代木伐採式」に迫る。
木の神様を祀る祭儀

まず神宮式年造営庁の技監以下による木の神様を祀る祭儀が行われる。伐採する木に神饌をお供えした後に、斧を木に打ち込む所作をする儀式・忌斧を行う。

三ツ緒伐りに使う斧。幹の中心にまで届くように縦の寸法が長い目戸斧や、化粧掛けに使うはつり用斧など数種類の斧を使い分けて伐る。

伐採の前に、木の神様に祈りを捧げる三ツ紐伐り保存会の杣人たち。遷宮に際して行われる御神木を伐り出す祭儀に向けて練習を重ねてきた。
江戸時代から行われている
三ツ緒伐り

三ツ緒伐りは、伐倒方向に合わせて3方向から幹に斧を入れていく。途中何度も慎重に穴の開き具合を確認をしながら斧を打ち込んでいく。

「いよいよ寝るぞー」の掛け声とともに、伐倒させる方向の反対側に斧を入れて伐り倒す。伐り倒した後の御用材は、木口に丸みをつくる化粧掛けを施して整えられる。

杣人が倒れた檜に駆け寄り、一本の梢を切り取って、切り株に挿す。「鳥総立て」という、伐採した木の再生を願い山の神への感謝を表す『万葉集』にも記された、由緒ある風習だ。
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text: Discover Japan photo: Mariko Taya
2026年9月号「木と生きる2026」



































