《九州観光まちづくりAWARD2026》も
九州を盛り上げている事業者の方々に出会いました
JR九州が手掛ける「九州観光まちづくりAWARD」が2026年も開催。分野の第一線で活躍する審査員が九州各地をめぐって現地を訪れ、地域の未来を切り開く、情熱あふれる挑戦を追った。5回目となる今回は、最終選考に残った9組を7名の審査員が審査。熱く盛り上がった検討委員会の模様と、それぞれのコメントをご紹介する。
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白熱する検討委員会

過去最多の応募があった今年のアワード。視察の後、審査会が行われた。
2026年の大賞は、ON THE CLIFFの宗秀明さんとPAAK DESIGNが受賞。ふたつの大賞は異例だが、若い世代による新たな取り組みと、アワード念願の宮崎からのノミネートが最終選考に残り、受賞となったことも喜ばしい。柔軟な視点で取り組みそのものを評価し、「継続的に活動する個人の取り組みを応援したい」というJR九州と審査員の思いを象徴する結果となった。惜しくも大賞を逃した取り組みも審査員たちを驚かせ、うならせた。

視察では、現地を訪ね、候補者と審査員が直接言葉を交わすことで、思いがけない気づきが生まれる場面も。審査員からの問いをきっかけに、候補者が新たな可能性に気づくこともあった。審査するだけでなく、人と人が出会うことで次のアイデアが生まれることも、アワードの魅力のひとつだ。「アワードも5回目となり、視察先で『この分野なら、前回の候補者だったあの人に会わせたい』と思いつくことも。候補者同士でインスパイアし合うと、もっとすごいことが起きるのでは」と伝統技術ディレクター・立川裕大さん。
一方、審査員の目は、審査の在り方にも向けられた。時間などにも限りがある中で、離島など現地訪問が難しい取り組みをどう評価するのか。こうした課題にどう向き合うかも、これからのアワードに問われている。挑戦する人とともに、アワードもまた成長の時を迎えている。
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審査委員会

審査委員長
九州旅客鉄道代表取締役社長執行役員
古宮洋二(ふるみや ようじ)
福岡県出身。九州大学工学部を卒業後、日本国有鉄道に入社。九州旅客鉄道では九州新幹線の全通と豪華列車「ななつ星 in 九州」の実現に尽力。2022年4月に現職に就任。
5回目も大成功のアワードになりました。今回あらためて、九州にはまだまだ素晴らしい人がいると実感しました。特に強く印象に残ったのが、ON THE CLIFF。小さな島の中で、自ら考え、かたちにしながら、次世代のことまで見据えている姿勢に感銘を受けました。次回のアワードもたくさんのエントリーをお待ちしています。

ホテルジャーナリスト
せきねきょうこ
仏アンジェの大学留学後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。その間、ホテルに住まう。環境・癒し・もてなしを軸に現場主義。著書・連載多数、新刊出版予定。
PAAK DESIGNは、鬼束さんの抜群のセンスと、自分が信じたものに突き進む行動力が見事。水路に鯉が泳ぐ、飫肥の町の美しさにも心を動かされました。大きな可能性を感じたのが、宗さんによるON THE CLIFF。島の暮らしを守りながら観光ビジネスを成立させるためには、考えるべきことも多いと思います。引き続き応援したいです。

伝統技術ディレクター
立川裕大
長崎県出身。最先端の空間に伝統工芸のアートオブジェなどを別注製作するブランド「ubushina」と、国内初となる伝統工芸のラグジュアリーブランド「AMUAMI」を主宰。
今回も、地元のために献身的に動く皆さんの姿に敬意を抱きました。PAAK DESIGNは、鬼束さんが自ら動き、地に足のついたリノベーションで美しい街をつくっている姿が素晴らしかったです。庄分酢は、親から子へとうまくバトンが渡されていてよかった。訪れて、味わって体験して、買って帰るという仕組みが完成されていました。

菓子研究家
福田里香
福岡県出身。食にまつわるモノ・コトのディレクションを手掛ける。著書に『季節の果物でジャムを炊く』(立東舎)、『新しいサラダ』(KADOKAWA)ほか多数。
ON THE CLIFFは、故郷を大切にする宗さんの生き方そのものに、大きなインパクトがありました。パレットは、食の充実によってさらに可能性が広がるはず。これからも見守っていきたいです。美々津プラザは、先住の方々とうまく関係を築き、店同士でお客さまを紹介し合うなど、通り全体で成り立っているところがよかったです。

建築家
永山祐子
東京都出身。LOUIS VUITTON大丸京都店、ドバイ国際博覧会日本館などの設計を担当。受賞歴に、東京建築賞優秀賞(2018)、照明学会照明デザイン賞最優秀賞(2021)など。
皆さん、すぐに答えが出ないことを信じて、やり続けてきたからこそいまがある。その姿に胸を打たれます。PAAK DESIGNは、建築家の新しい潮流ともいえる、受注するだけでなく、自ら仕事や場を生み出す存在になっているところが印象的でした。パレットは、地域課題を自分事としてとらえ、仲間とともに動く姿勢に胸が熱くなりました。

俳優
宮﨑香蓮
長崎県出身。島原ふるさとPR大使。第11回全日本国民的美少女コンテスト演技部門賞受賞後、デビュー。ドラマや映画、舞台などで活躍。長崎の魅力を県内外に発信。
若い世代の取り組みもあり、自分も頑張りたいと思えるエネルギーをもらいました。原田米店は、お米はもちろん、内装や音楽など一つひとつにこだわりをもたれていて素晴らしかったです。美々津プラザでも感じましたが、自分が住む町にあんなすてきなお店があったらうれしい。これから町の重要な場所になっていくのだろうなと思います。

Discover Japan統括編集長
髙橋俊宏
岡山県出身。雑誌メディアを軸に、イベントや場づくりのプロデュース、デジタル事業や海外展開などにも積極的に取り組む。審査員やアドバイザーの実績も多数。
新しい取り組みはもちろん、年数を重ねて実績をつくっている活動も高く評価したいですね。庄分酢は、300年のものづくりを守る覚悟、また生家である文化財の建物での暮らしを間近に見学できるのもおもしろい!美々津プラザの江原さんは、小誌をバイブルに活動され、それがかたちになっている姿にとても感動しました。
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「九州観光まちづくりAWARD2026」の概要

〈基本理念〉
九州に根付き、魅力ある「まち」へと成長させる人物・団体を称え、地域の誇りになり、さらには旅人に感動を与えていく。
〈目的〉
九州で、その地域ならではの伝統・伝承を守りながら、未来に向けて新しい「もの」「こと」「風景」 を生み出している方々に光を当て、その土地ならではの魅力を発信する。
〈審査基準〉
1 「伝統」そのまち固有の風土、歴史、伝承を尊重している。
2 「進化」既存の概念にとらわれず、未来につながる新たな価値を創造している。
3 「循環」豊かな自然を生かし・守り、持続的に発展している。
4 「共働」まち全体を巻き込みながら、尽力している。
5 「多様」旅人、住民を問わず、誰もが体感できる。
〈募集対象〉
九州エリアで以下の事業などに従事し、その地域ならではの伝統・伝承を守りながら、新しい「もの」「こと」「風景」を生み出している人物および団体。
◎飲食業、菓子製造業、農業、漁業など
◎工芸、物産、お土産、体験プランなど
◎イベント、地域の産業・取組み、複数の事業者・コンテンツで構成するツーリズム形成など
◎宿泊施設、民泊など
〈スケジュール〉
1月22日〜3月25日 募集期間
〜書類選考〜
6月30日〜7月3日 ノミネート者の視察
7月22日 検討委員会・受賞者決定
12月2日 表彰式・シンポジウム
〈受賞者〉
大賞 ON THE CLIFF 宗 秀明 佐賀・唐津市(松島)
PAAK DESIGN 宮崎・日南市
金賞 食部門 庄分酢 福岡・大川市
原田米店 鹿児島・薩摩川内市
金賞 にぎわいづくり部門 パレット 熊本・甲佐町
特別賞 –NEXT CREATE- 美々津プラザ 宮崎・日向市
〈Message〉
挑戦する人に光を当てるアワードが
九州をもっとおもしろくする

九州観光まちづくり AWARDも早いもので5回目を迎えました。自薦・他薦含め、たくさんのエントリーをいただき、ありがとうございました。食、ものづくり、にぎわい、そして宿。さまざまな切り口から九州各地に眠る宝を掘り起こして、磨き上げる姿に、今年も感動を覚えました。地域のため、継続的に個人で奮闘されている方々を応援していきたい。その思いでアワードを続けています。
賞を受賞された皆さん、そして最終選考に残った皆さんが、このアワードをきっかけに、さらなる飛躍をされることを願っています。また、読者の方々には、魅力あふれる各地域の取り組みを訪ねながら、ぜひ九州の旅を楽しんでもらいたいです。
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取り組みや最新情報はこちらをチェック!
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01|「九州観光まちづくりAWARD2026」、結果発表!
02|佐賀・唐津市「ON THE CLIFF 宗 秀明」
03|宮崎・日南市「PAAK DESIGN」
04|福岡・大川市「庄分酢」
05|鹿児島・薩摩川内市「原田米店」
06|熊本・甲佐町「パレット」
07|宮崎・日向市「美々津プラザ」
08|最終ノミネート者の皆さん
09|「九州観光まちづくりAWARD2026」を振り返ろう
text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Otsuka
2026年10月号「感性の刺激する場所へ。/九州」
































