旅に出掛ける前に知っておきたい
〈国立公園の基本〉
自然だけではなく、その土地の歴史や文化を含む日本の国立公園は、「アドベンチャーツーリズム」の旅先にぴったり。日本の国立公園について、基礎知識からアドベンチャーツーリズム(AT)の観光地としての可能性まで、環境省国立公園課に話をうかがった。
日本の国立公園の魅力とは?
全国35カ所が指定されている国立公園。環境省国立公園課の中原一成さんは、「豊かな生物多様性という視点でいえば、日本は群を抜いています。落葉広葉樹林の紅葉と針葉樹林の緑のコントラストが広がる北海道の森などは、世界的にも類を見ない美しさです」と話す。流氷が押し寄せる亜寒帯の海から、常緑広葉樹が広がる亜熱帯の森までを有し、さらに四季の移ろいが相まって、日本の国立公園には、多様な自然が広がっている。

Ⓒ環境省
また、火山の恵みである温泉文化は、国立公園を旅する醍醐味のひとつ。「国立公園を語る上で、生活を支える一方で脅威ももたらしてきた火山は外せません」と同じく国立公園課の遠矢駿一郎さん。自然災害と隣り合わせの日本では、山岳信仰や修験道に象徴される祈りの文化が息づいてきた。こうした精神文化は国内外の高付加価値旅行者を惹きつける旅の目的になる。環境省では、その体験を後押しするため、整備を進めている。
Q.そもそも国立公園って何?

Ⓒ環境省
A.自然を守り、
後世に伝えていく場所です
現在の「自然公園法」の前身である「国立公園法」が指定されたのは1931年。日本を代表する風景地の保護と、豊かな自然や野生動植物に触れられる観光利用の場としての役割は、法制定から95年を経たいまも変わらない。「公園を取り巻く環境は変わりつつあるものの、目的が『保護と利用の両輪』である点は、100年近く変わりません」と中原さん。
Q.日本の特徴は?

A.ATの3要素を兼ね備えています!
北米などの国立公園のように、国が直接土地を所有し管理しているケースがある一方、日本の国立公園には私有地も含まれることが多く、国や自治体、民間が連携して管理している。また、人々が暮らしているエリアも園内にあるため、文化も息づいている。そのため、ATを構成する3要素を満たしており、旅の目的地としてのポテンシャルが高い。
Q.日本の国立公園は、
いま何を目指している?

Ⓒ環境省
A.2030年に向けて、国立公園
満喫プロジェクトが進行中!
AT黎明期といわれる現在、国立公園を舞台にした自然体験アクティビティやツアーの開発は必須だ。「国立公園満知床国立公園喫プロジェクト」を通して、それらの磨き上げや、宿泊、交通、ガイドなどの受け入れ態勢の整備を進めている。「2030年までに訪日外国人客数1400万人を目標に掲げていますが、友人や知人に勧めたくなる来訪者の割合を高めるなど、質の向上が前提です」(遠矢さん)
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text: Natsu Arai
2026年8月号「海へ 山へ」



































