夏の風物詩「よさこい祭り」をひも解く!
|よさこいに刻まれた高知の原点をたどる旅
「よっちょれ、よっちょれ」と軽快な音楽と華やかな衣装、躍動感あふれる踊りで魅せる“土佐のカーニバル”「よさこい祭り」。祭りの背景には高知の歴史や文化が息づき、名所や名物をめぐるほどに、この地の奥深い魅力が見えてくる。
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ダイナミックな振り付けと
音楽が観客を魅了する

南国・高知をさらに熱くする、「よさこい祭り」がこの夏も開催される。第73回となる2026年は、8月9日の前夜祭、10~11日の本番、12日の後夜祭までの4日間。市内16の会場を舞台に、高知城下が祭り一色に染まる。
派手な地方車に先導された踊り子たちが、街路を前進しながら踊る姿は圧巻だ。チームごとに個性あふれる衣装やメイク、ダイナミックな振り付けと音楽が一体となり観客を魅了。朝から夕方、そして夜へと祭りの熱狂は続いていく。

着物や法被が定番だったが、昭和50年代より洋服スタイル、エスニック風、カーニバル風など多様化。腕を広げると蛇腹式に柄が現れたり、踊りの途中で着替えたりといった演出も
そのはじまりは1954年にさかのぼる。戦後の不況の中、市民を元気づけ、商店街に活気を取り戻そうと高知商工会議所が中心となりよさこい祭りを発案。作曲家・武政英策が、高知に伝わるよさこい節に名所や物語を織り込み、楽曲「よさこい鳴子踊り」は誕生した。振り付けは、日本舞踊の師匠たちが担った。

日本舞踊の振り付けを基に、時代の変化や海外との交流を経て進化。伝統的な踊りを守るチームはもちろん、ジャズやポップスなどの要素を取り入れたダンス的な演舞のチームも多い
「お祭りで最も大事なのは、心が浮き立つわくわく感。お座敷で輪になる正調踊りを基に、道を前進していく振り付けに改良していきました」と語るのは、日本舞踊協会の若柳由喜満さん。さらに米づくりの盛んな高知らしく、田畑の雀を払う鳴子を持って踊ることも考案された。祭りの初日では、第1回の“幻の舞”が披露されている。
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よさこい祭りのルールはふたつ。「①鳴子を鳴らして前進すること」、そして「②曲のどこかによさこい鳴子踊りのフレーズを入れること」のみ。高知のおおらかな気風の下、音楽も踊りも自由なアレンジが許され、ジャズやロックなども取り入れ、祭りは大きく発展した。第1回は21団体、参加者750人だったのが、現在は180団体、参加者約1万8000人の一大祭典に成長。さらに、その熱は全国に広がり、国内約200カ所でよさこい祭りが開催されている。

音響設備を積んで踊り手を先導する車。チームごとに豪華な装飾が施され、歌い手やパフォーマーが乗って踊り子を鼓舞する。夜はネオンが輝き、ドライアイスの演出が見られることも
2026年は世界情勢に鑑み、平和への祈りを込めて白木の鳴子も登場予定だ。時代を映しながら人々の心をひとつにしてきた、よさこい祭り。祭りの熱気を感じに、この夏は高知を訪れたい。
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昭和50年頃には生バンドや大太鼓を使った曲が誕生。現在も、三味線や太鼓、笛といった和楽器を演奏しながら踊るチームもある。地方車(じかたしゃ)にDJブースが持ち込まれることもあるそう
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text: Nozomi Kage photo: Sayuri Ono
2026年7月号「納涼、しましょ。」


































