渋谷パルコ《アセビマコト 個展》
使うほどにいとおしい、暮らしに心地よく馴染むうつわを迎えたい
2022年、2023年に続き、この秋もアセビさんのうつわが渋谷にやってくる。東京・渋谷パルコにて2025年11月1日(土)~11月7日(金)にかけて《アセビマコト 個展》を開催。古典的なデザインを日本の食卓に落とし込んだかたち、釉薬の実験を重ねて生まれる優しい色合いなど、その魅力をあらためてご紹介。
※個展初日の入店について、一部時間帯に整理券が必要です。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)、または公式オンラインショップをご確認ください。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を11月4日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)

アセビ マコト
1964年、北海道生まれ。多摩美術大学美術学部陶芸科卒業。在学中はオブジェを制作し、1994年よりうつわを制作。1997年に横浜市に築窯。2001年より鎌倉で、妻のキクタヒロコさんと制作を続ける。
世代を越えて使い続けられるうつわを追求中

多摩美術大学に在学中、陶芸科とはいえオブジェなどを手掛けていたというアセビマコトさん。研修旅行で京都の樂美術館を訪れた際、樂焼の創始者で、千利休の茶碗を手掛けた初代長次郎の作品に出合う。その茶碗の圧倒的な存在感に衝撃を受け、後に30歳で本格的にうつわづくりをはじめた。

アセビさんのうつわは、日常使いにちょうどいい厚みがあり、穏やかなかたちの中に空間を引き締めるラインがあるのが特徴だ。たとえば彼のデルフト皿は、オランダのデルフトの町で昔から量産されていた庶民のうつわがベースにある。
「デルフトでは、型から押し出されて縁に盛り上がった粘土を処理せずそのまま焼いています。この皿の縁の盛り上がりが好きで、私はろくろで、意図的にそこを強調して仕上げています」
また、2024年秋に「味の素」から誕生した、新たな出汁ブランド「SIIDA®」。その魅力をより発信すべくコラボレーションしたうつわは、既存のイメージが少しだけ変わるかたちの丼とお猪口を提案する。

うつわの素朴な色は、釉薬の実験を重ねて生み出したもの。酸化チタンで白をより強く出した「白マット」、藁灰や雑木の灰(土灰)といった伝統的な素材を用いる「キセト」、アンティークの風合いをもつ「草色」、食卓が引き締まる「サビ黒」など。今年のキセトは昨年とは異なる藁灰を使ったので仕上がりの色が微妙に変わったとか。その違いもまたおもしろい。


人生のふとした瞬間に、これらのうつわがささやかな日常の思い出を呼び起こす存在になればうれしいとアセビさん。いつもの食卓の、温かな記憶とともに。
穏やかなフォルムと安心感のある厚みに出合う
個展作品ラインアップ

リム皿 白マット
一般的なリム皿はもっと浅いが、リゾットやチャーハンなど米料理もすくいやすいように深めにデザイン。白のマットな質感がいい。

マグカップL 250㎖ オリベキセト
カフェオレ用にとの妻のリクエストで生まれ、いまは定番サイズに。取っ手が上に出っ張るデザインが、大きめのカップでも持ちやすい。

デルフト皿 草色
アセビ家で一番出番が多いという皿。草色は、チタンと鉄を混ぜた釉薬を施し、酸化と還元の中間で焼き上げることで出せる色合い。

ソーサー/価格|4950円 サイズΦ160×H17㎜ 重量|220g
マグカップL、マグのソーサー サビ黒
サビ黒にまだらに浮かぶ錆び色は、酸素が完全に消費されなかった部分。どんな風に出るかは焼き上がるまでわからないのもおもしろい。
味の素 SIIDA®とコラボレーションしたうつわも

お猪口 白マット
ゴブレットをイメージした酒器。酒はもちろん、豆や和え物といった箸休めや副菜を盛ると、食卓に立体感が出て華やかになる。

丼 白マット
油揚げとネギのシンプルなうどん、かき玉にゅうめんなど、優しい味わいの麺料理が似合う丼。高台の手掛かりも心地よい。
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「SIIDA®」とコラボレーションしたうつわのストーリーはこちら!
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個展作品がオンラインで買える!
公式オンラインショップ
アセビマコト 個展
会期|11月1日(土)~11月7日(金)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※初日は混雑緩和を目的とした入店整理券を事前配布のうえ開催いたします。
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Yukie Masumoto photo: Shiho Akiyama
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」


































