陶芸作家《増渕篤宥》
繊細な装飾と実用性を兼ね備えるうつわ
浅い手彫り模様と釉薬の工夫で透明感と立体感を追求する増渕篤宥さんのうつわ。日常に静かな華やぎを添えるうつわは贈り物にも最適。東京・渋谷パルコのDiscover Japan Lab. では「色のうつわ展」が、2025年9月13日(土)~9月23日(火)にかけて開催される。日常に彩りを添える“色”の世界を味わおう。
※個展初日の入店について、一部時間帯に整理券が必要です。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)、または公式オンラインショップをご確認ください。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を9月16日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
増渕篤宥(ますぶち・とくひろ)
1970年、茨城県笠間市生まれ。愛知・瀬戸の専門校を卒業後、愛知、茨城、宮崎の窯元で陶芸を学ぶ。2005年に独立し、2010年から宮崎で作陶する。手彫りによる繊細な模様を施したうつわが好評。
繊細な手彫りで浮かび上がる、
増渕篤宥の彩りのうつわ

繊細な彫りの技術を駆使し、装飾による表情豊かなうつわに定評がある増渕さん。褐釉や青釉による色のうつわをつくりはじめた当初、彫り込みは現在より深い1~2㎜だったものを、ずっと浅い0.1~0.2㎜にし、水の中から浮かび上がるような透明感と立体感を追求した。
「加飾が食事や洗うときのじゃまにならないよう、表面をできるだけ平滑に仕上げています。ごく浅い模様を生かすには、型や印ではどうしても輪郭がぼやけてしまうので、彫りの作業はすべて手作業です」
透明感と表面の平滑さを出すために、釉薬を再度調合し、窯の温度管理に気を遣うという。普段の生活にそっと華やぎを添えてくれる増渕さんのうつわは、贈り物にもふさわしい。
作品ラインアップ

黄釉釉象嵌香炉
どこから見てもエレガントな佇まい。蓋の透かし彫り、象嵌を用いたボディの装飾はすべて手彫り。圧倒的な技巧の奥に品格がある。

褐釉釉象嵌ポット(480cc)
彫刻刀で彫った部分に釉薬を埋め込む象嵌(ぞうがん)技法を用いる。幾何学模様と東洋的な色合いが、お茶の時間を優雅に演出する。

褐釉刻花湯呑
つやのある褐色釉が美しい湯飲み。彫りの深さの違いで出る釉薬の濃淡が模様になる。ころんと手に収まる丸いフォルムが愛らしい。

青釉釉象嵌リンカ皿(中)
彫りの深さによって釉薬の濃淡が変わり、それによりグラデーションが生まれる。縁取りのあしらいが加わり、存在感のある一枚。
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「色のうつわ展」の作品が
オンラインで買える!
公式オンラインショップ
色のうつわ展
会期|9月13日(土)~23日(火)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※初日に整理券配布予定。
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Yukie Masumoto photo: Shiho Akiyama
2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。/九州」


































