陶芸作家《内村宇博》
釉薬が重なり合い生まれる、うつわの表情
結晶釉を重ね、光の角度で表情を変える内村宇博さんのうつわ。繊細な調整が生む奥行きある世界観が魅力。東京・渋谷パルコのDiscover Japan Lab. では「色のうつわ展」が、2025年9月13日(土)~9月23日(火)にかけて開催される。日常に彩りを添える“色”の世界を味わおう。
※個展初日の入店について、一部時間帯に整理券が必要です。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)、または公式オンラインショップをご確認ください。
Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を9月16日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
内村宇博(うちむら・たかひろ)
1988年、静岡県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、愛知・常滑市に移り、吉川千香子氏に師事。2016年に独立。2019年に同市内に工房を構える。結晶釉使いで独特の世界観をもつうつわが人気。
結晶が織りなす、
内村宇博の万華鏡のようなうつわ

釉薬が溶けて流れた表情に魅力を感じるという内村さん。釉薬を何層かまだら状にかけ、奥行きのある表情をつくり出す。
「焼物の色は、土の色、釉薬、装飾技法や焼き方などさまざまな要素がかかわり、ある工程でちょっと変化させるだけで全体の雰囲気が変わります」
一般に亜鉛華結晶と呼ばれる結晶のできる釉薬を使用。結晶は無色透明で、金属を添加して着色している。手でかき混ぜたときの感覚で濃度を調整するが、同じ材料でも浸す時間が数秒違えば表情も変わる。溶けて流れやすく適正温度の幅が狭いので、窯の温度に気を遣うそうだ。
万華鏡のように少しずつ動かしたり、光の当たる角度を変えたりして、釉薬の色や結晶の見え方の変化を楽しんでほしい。
作品ラインアップ

濃青釉壺
どっしりとした安定感のある壺。窯で焼く際の温度調整によって結晶が偶発的に析出し、時に鉱物のような表情になる。

飴緑釉壺
無機質で力強い素地に、つやのある飴緑釉がぽってりと。首がすぼまったかたちも相まって不思議な色気がある。

白釉八角鉢M
隅を切った八角形の盛り鉢。縁回りを立ち上がらせ、緊張感をもたせてある。和洋中を問わず料理を引き立てる。

白釉舟形ボウル
自然の一部を切り取ったかのような色合いが魅力。深さのある舟形で、どんな料理もたっぷりと受け止めてくれる。
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「色のうつわ展」の作品が
オンラインで買える!
公式オンラインショップ
色のうつわ展
会期|9月13日(土)~23日(火)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※初日に整理券配布予定。
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
text: Yukie Masumoto photo: Shiho Akiyama
2025年10月号「行きたいまち、住みたいまち。/九州」


































