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「ビールスタンド 重富」広島で飲む究極の生ビール

2019.9.3
「ビールスタンド 重富」広島で飲む究極の生ビール
傾き、高さ、時間。グラスのどこに、どれくらいの勢いでビールをぶつけて泡立てるかで味わいが変わる。「五感で注ぎます」と重富さん

取り扱うビールは1銘柄、注文は一人2杯まで、営業は2時間限定にもかかわらず、行列が絶えない広島市の「ビールスタンド重富」。徹底した品質管理とこだわりのビールサーバーで注ぎ分ける6つの味わいに、今日も人々が集う。

「ステーキの焼き具合、豆腐の木綿と絹ごしのように、ビールも泡の立て方で多様な味わい、口当たりがつくれるんです」とオーナーの重富寛さん。

ビールサーバーは氷式冷蔵庫を使い独自に再現。昭和初期の型をモデルに特注した注ぎ口、ドラフトコック(スイングカラン)が絶妙な注ぎ加減を可能にする。

左)苦みを泡に集めて取り除き、甘みを引き出す「マイルド」。苦みを集めた泡を「IPA」に移し、甘みを引き出す。昭和型のドラフトコックでつくったなめらかな泡を+。右)現代型のドラフトコックと泡で苦みの効いた「IPA」。苦みと炭酸をしっかり残す注ぎ方に「マイルド」をつくる過程でできた泡をのせる

メニューは「一度つぎ」、「二度つぎ」、「三度つぎ」、「シャープつぎ」、「マイルドつぎ」(各550円)に、裏メニューの「マイルド&IPA(タイプ)」(上写真/1100円)を加えた6つ。いずれも銘柄はアサヒ生ビールのみだが、注ぎ方で苦み、旨み、炭酸の比率が変わり、まったく違う味わいに。

中でも2杯セットの「マイルド&IPA」は知る人ぞ知る人気メニュー。とろりとした泡と甘みを感じる「マイルド」に対し、「IPA」は苦みの強い泡とスカッとするのど越しが特徴だ。

グラスは専用の機器で徹底洗浄

ビールが苦手な人にも「美味しい」と言わせる注ぎ分け。その美味しさは「行き届いた手入れ」があってこそだ。風味の維持やきめ細やかな泡のため、開店前後はグラスやビールサーバーの洗浄・管理に2時間ほどを費やす。

「ここをきっかけに、職人が注ぐビールを愛する人が増えたら」。手をかけたビールの美味しさがじわりと広がる。

文=坂西野風子 写真=清家 洋
2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある?」

ビールスタンド重富
住所:広島県広島市中区銀山町10-12
Tel:050-3635-4147
営業時間:17:00〜19:00
定休日:なし※不定休
http://sake.jp

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