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奈良県奈良市 くるみの木の「ビスケット缶」
《福田里香の民芸お菓子巡礼》

2022.9.20
奈良県奈良市 くるみの木の「ビスケット缶」<br><small>《福田里香の民芸お菓子巡礼》</small>

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、染色家でありアーティストの柚木沙弥郎氏が描いた鹿を型押しした、さくっとした食感でしっかりとバターの香りがおいしい、ほどよい甘さの、くるみの木の「ビスケット缶」を紹介します。

福田里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

くるみの木オリジナルの「ビスケット缶」は2種の味、塩とくるみココア。ふたを開けたところ。敷き紙を留めるシールにも注目。1944円

奈良の「くるみの木」は、カフェファンや工芸愛好家の間で知らぬ人はいない名店です。美味しいカフェごはんはもちろん、オーナーの石村由起子さんが優れた選択眼で選んだ、地元食材やうつわ、服、インテリア雑貨を幅広く取り扱っているのも魅力。たとえば広大な東京23区に点在するショップの大人気商品等もツボを押さえた品揃えで「東京から来たとしても、くるみの木にあったら即買え。東京に戻っても買えないモノだから!」が合言葉。

若かりし石村さんがご結婚されたときのこと。ひとつだけ新居に揃えたモノが「松本民芸家具」のたんすだったそうです。めぐりめぐって現在「くるみの木」のオリジナル「ビスケット缶」は、民藝運動とかかわりが深い画家の柚木沙弥郎が描いた鹿の挿画が使われています。ユーモラスな鹿の掛け紙を外して、開封すると2種類のビスケットには、鹿の刻印が。なんてかわいいんでしょう。口に含めばサクサクとリズムよく溶けます。塩とくるみココア味の詰め合わせは、どなたにも喜ばれる奈良のお土産です。

掛け紙は、淡い色彩で描かれた柚木沙弥郎作の奈良の鹿

くるみの木
住所|奈良県奈良市法蓮町567-1
Tel|0742-23-8286
営業時間|11:00〜17:00
定休日|水曜、第3火曜
www.kuruminoki.co.jp

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
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