深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」
筆でうつわに命を吹き込む
神秘的な魅力をもつ金魚に惚れ込み、横浜市のアトリエ「金魚養画場」で創作活動を行う現代アーティスト・深堀隆介さん。ニューヨークやロンドンなどでも個展を開催し、世界中から注目を集めている。透明樹脂にアクリル絵具で描くという独自のスタイルから生まれた金魚は、まるでいまも泳いでいるかのよう。彼の作品が約300点も展示される、東京の美術館でははじめての大規模展覧会が開催中だ。
平面の絵画作品と立体作品との境界に揺さぶりをかける
革命的絵画「2.5D Painting」
深堀隆介さんは、透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描くという独自の斬新な手法で注目を集める現代美術家。その技法は器の中に樹脂を流し込み、固まった表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描いていき、さらにその上から樹脂を重ねるというもの。
こうした作業を繰り返すことにより、絵が重なり合い、まるで生きているかのような金魚が表現され、絵画でありながら立体的な躍動感にあふれている。その生き生きとしたリアリティは「2.5D Painting」と言えるだろう。
金魚養画場 美術作家
深堀隆介(ふかほり・りゅうすけ)
1973年 愛知県生まれ。幼少期に弥富市の金魚を見て育つ。1995年 愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸専攻学科卒業。2000年 アーティストとしての活動を悩んでいた時期、放置していた水槽で生き続ける金魚の存在に気づき、その美しさに心打たれ、金魚をモチーフに制作をはじめる。以後この体験を「金魚救い」と呼び、金魚を描きはじめる。2002年 器の中に樹脂を流し込み、絵具で金魚を描く技法―2.5D Painting-を編み出す。2007年 横浜にアトリエ「金魚養画場」を開設。現在、活動の場は国内にとどまらず、ニューヨーク、ロンドン、ミュンヘン、香港など海外でも個展を開催し、注目を集めている。横浜美術大学客員教授、愛知県弥富市広報大使。
絵画でありながら立体的な躍動感にあふれ、不思議な美しさを湛えた“深堀金魚”をたっぷりと楽しんで。
深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」
会期|~2022年1月31日(月)
会場|上野の森美術館
住所|東京都台東区上野公園1-2
時間|10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日|12月31日、1月1日
料金|一般1600円、大高生1300円、中小生800円
Tel|050-5541-8600(ハローダイヤル)
www.kingyobachi-tokyo.jp