緑茶、発酵茶、ハーブティー…
朝の始まりに嬉しい“お茶”【前編】
《自宅に常備しておきたいお茶と珈琲、お菓子》
「まあ、お茶でも飲みなさい」を意味する「喫茶去(きっさこ)」という禅語。家での喫茶は心を落ち着かせる一服タイム。そんな時間をより豊かにする常備品をお茶や珈琲が大好きな方たちにうかがいました。今回は、目覚めの身体に染み渡る、香り高く、やさしい味わいのお茶を紹介します。
〈お茶、コーヒーが大好きな12人の方に選んでいただきました〉
戸村 亜紀(とむら・あき)
クリエイティブディレクター。国内外での作家活動後、2004年より地域資源や文化継承、資源循環などのサーキュラー・エコノミーに特化した事業開発に従事。日本文化の書籍制作やクリエイティブなどで多くの海外のアワードを受賞している。FOLKHOOD代表
高橋 みどり(たかはし・みどり)
スタイリスト。女子美術大学短期大学部で陶芸を学んだ後、テキスタイルを学び、大橋歩事務所、ケータリング活動を経てフリーに。現在は、東京と栃木の2拠点生活を送り、週末には自身の店「タミゼクロイソ」にて暮らしの道具や書籍などを販売している
浅本 充(あさもと・まこと)
フードディレクター。2009年、ユニテを設立し、企業の飲食部門のコンサルティングをはじめ、商品開発などを手掛ける。最近の主な仕事としてGAPの世界初となるカフェや、アニエス・ベーのカフェのディレクションなどがある
長谷川 愛(はせがわ・あい)
ティーキュレーター。国内の生産地を訪ね、お茶を学びながら、自身のブランド「norm」として日本茶を紹介する。国内外の多様なお茶が集まるイベント「Tea For Peace」を年2回開催、ディレクターを務める。今秋、都内にnormの店舗をオープン予定
横川 志歩(よこかわ・しほ)
花人。2006年より花人・川瀬敏郎氏に師事。“なげいれ”の花を学ぶ。2016年より「なげいれ 花の教室」を開講。都内を中心に各地で教室を主宰。飲食店や骨董店などの生け込みも手掛ける
http://nageire.jimdofree.com
たかつまこと
映画『ごちそう茶事。』プロデューサー。スペシャルティコーヒーの映画『A FILM ABOUT COFFEE』にインスパイアされ、日本茶ドキュメンタリー映画『ごちそう茶事。』を制作。脚本も手掛けた。“好きなもの”としてお茶の好きを深めたり、伝えたりする活動を満喫中
石村 由起子(いしむら・ゆきこ)
空間コーディネーター。38年前に奈良県でカフェと雑貨の店「くるみの木」を開業。居心地のよい空間や美味しいごはん、用と美を兼ね備えた生活道具などを通し、心豊かな暮らしを提案する。今年7月、三重県に「くるみの木 暮らしの参考室」をオープンした
福田 里香(ふくだ・りか)
菓子研究家。小誌で「民芸お菓子巡礼」を連載中など、書籍や雑誌で活躍するほか、食品関連の商品開発も多く手掛ける。今秋、レシピを担当した焼菓子が発売予定。著書に『民芸お菓子』(小社)、『新しいサラダ』(KADOKAWA)など
森岡 督行(もりおか・よしゆき)
「森岡書店」店主。“一冊の本を売る本屋”がコンセプト。資生堂『花椿』オンラインにて『現代銀座考』連載中。北陸工芸の祭典「GO FOR KOGEI 2021」では越前和紙のスプリングコートをプロデュ−ス。近著に『ライオンごうのたび』(あかね書房)がある
服部 滋樹(はっとり・しげき)
クリエイティブディレクター。大阪を拠点に活動するクリエイティブユニット「graf」代表。京都芸術大学教授。建築、インテリアなどにかかわるデザインや、ブランディングディレクションなどを手掛け、近年は地域再生などの社会活動にもその能力を発揮している
甲斐 みのり(かい・みのり)
文筆家。旅、散歩、手土産、地元パン®、クラシックホテル、雑貨や暮らしなどを主な題材に執筆。静岡県富士宮市、和歌山県田辺市などの観光案内パンフレットも手掛ける。11月3日に新刊『にっぽん全国おみやげおやつ』(白泉社)が発売予定
大谷 哲也・桃子(おおたに・てつや、おおたに・ももこ)
陶芸家。2008年、滋賀県・信楽に工房を構える。日々の暮らしの中で出合う小さなアイデアを種に作品を制作。お茶、コーヒーにまつわるうつわも多く手掛ける
「土熊」/お茶の土倉
石井「北海道のハッカ、ラベンダー、とうきびを使った3種類のお茶をその日の気分で飲み分けています。ハッカの爽やかな香り、ラベンダーの甘くてやさしい香り、とうきびの香ばしさに癒されます。」
Data
茶葉産地|【ハッカ緑茶ブレンド】日本(茶葉)、北海道滝上町(ハッカ) 【ラベンダー緑茶ブレンド】日本(茶葉)、北海道上富良野町(ラベンダー) 【とうきび茶】北海道(とうきび)
価格|各1512円/20g(2g×10P)、【とうきび茶】は18g(1.8g×10P)
問|土倉
Tel|011-811-5121または0120-088-300(平日8:30〜17:30)
www.tsuchikura.co.jp
「suchea Tea Bag」/graf
服部「爽やかで上品な香りが特徴の紅茶。渋みと甘みのバランスがよく、飽きのこないすっきりとした味わいです。ストレートで飲むのがおすすめ。どんな料理とも合わせやすいので、目覚めの一杯としてのほか、食中茶としても重宝しています。」
Data
茶葉産地|スリランカ
価格|1404円/2.5g×15P
問|graf studio
Tel|06-6459-2100
https://graf.shop-pro.jp
「いり番茶」/一保堂茶舖
浅本・森岡「秋めいて肌寒くなった頃の朝に最適。すごくパンチのあるスモーキーな風味が五感を起こしてくれます(浅本)。スモーキーさのとりこ。たばこ好きの人の気持ちがわかります(森岡)。」
Data
茶葉産地|日本
価格|486 円/150g
問|一保堂茶舖
Tel|075-211-3421
www.ippodo-tea.co.jp
「レモングラスと釜炒り茶のハーブブレンドティー」/お茶のカジハラ
戸村「直火で丁寧に炒って仕上げる釜炒り茶。生産者がどんどん減ってきている製法です。釜炒り茶自体もおすすめですが、目覚めの一杯には、自然栽培レモングラスと無農薬の釜炒り茶のブレンドを。」
Data
茶葉品種|やぶきた、在来種、おくゆたか
茶葉産地|熊本県芦北町
価格|540円/25g(2.5g×10P)
問|お茶のカジハラ
Tel|0966-84-0608
www.kajihara-chachacha.com
「茶師の極(きわみ) 夢見茶」/前田幸太郎商店
たかつ「朝は“淹れる”という行為と一体となって、ストレッチのような位置づけでお茶を飲むことが多い。特に王道系煎茶は、鼻に抜けるグリーンな香りがやさしく背筋を伸ばしてくれる感覚で好きです。」
Data
茶葉品種|やぶきた
茶葉産地|静岡県(本山茶、初倉茶)、高知県(土佐茶)
価格|2160円/100g
問|前田幸太郎商店
Tel|054-271-1950
https://yama8-net.com
「釜炒り茶」/tretre
高橋「朝は煎茶よりも、番茶やほうじ茶を欲します。ことにtretreの野趣あふれる味にほっとし、このお茶の採れる美しい景色も思い描きながら、気持ちのいい朝がはじまります。」
Data
茶葉品種|やぶきた
茶葉産地|高知県仁淀川町
価格|864円/50g
問|tretre
Tel|0889-36-0133
https://tretre-niyodo.jp
「有機一番摘みほうじ煎茶 月香(げっこう)」/月ヶ瀬健康茶園
長谷川「緑茶の味わいを残しつつも、華やかな香りと温かい焙煎の味わいもほのかに感じられます。月香という名ですが、朝にもぴったりのお茶。じんわり身体を起こしたいときにはこのお茶を選びます。」
Data
茶葉産地|奈良県
価格|820円/80g
問|月ヶ瀬健康茶園
Tel|0743-92-0739
www.tukicha.com
「万ノ秋上がり新茶」/万 yorozu
横川「目覚めの一杯には、胃にあまり負担のかからない、やさしいものが欲しいところ。秋上がりの新茶は香り高く、気品ある豊かな甘みと渋み、旨みの調和がうまく取れていて飲みやすい。心も身体もすっきり目覚めるような気がします。」
Data
茶葉産地|福岡県八女市星野村
価格|1950円/80g
問|万ヤ
Tel|092-724-7880
www.yorozu-tea.jp
text:Miyu Narita photo:Tetsuya Kumahara
Discover Japan 2021年11月号「喫茶のススメ」