《YOSHINO》
Doogdesign.デザイン
高級木材、吉野杉を使ったお猪口と徳利
大阪を拠点に家具、雑貨、家電などのプロダクトを手がけている、デザインスタジオ「Doogdesign./ドーグデザイン」は、吉野杉を使ったお猪口と陶器の徳利、「YOSHINO Sake cup and bottle」をデザイン。現代のライフスタイルへの馴染みやすさを重視した「YOSHINO」をデザインした背景とは……。
シンプルで簡単なものこそ、美しい。
プロダクトデザイナーで、Doogdesign.代表・小池和也さんは、2003年から大阪のデザイン会社に勤め、そこでは主に日用品や家具などのデザインや開発など、ものづくりの1から10まで携わっていた。しかし次第に、さらに外の世界のデザインを自分の力で探求してみたいと思いをきっかけに、2012年に退職し、デザイン・スタジオ「Doogdesign./ドーグデザイン」を設立した。
Doogdesign.のデザインは「シンプルで簡単であること。」をコンセプトに掲げ、必要以上の機能や複雑なデザインではなく、使う人のためにシンプルで簡単なものを追求すると、結果的にそれは美しいものになると考えている。そのためスタジオでは、一つのプロダクトのデザインをする際、何度も試作品を作って検証と改良を繰り返しているそうだ。
小池 和也(こいけ・かずや)
2012年、自身のデザインスタジオ Doogdesign.(ドーグデザイン)を設立。現在 日用品、家具、家電などのプロダクトデザイン、工業デザインを中心に、企業や地場産業のブランド開発、クリエイティブディレクションなど、国内外のプロジェクトに携わっている。Good Design Award、iF Design Award、Taiwan Excellence Award などを受賞。
歴史と伝統を刻んだ
高級木材「吉野杉 」
日本の杉の学名はCryptomeria japonica、「隠れた日本の財産」と言う意味で、ほかの地域の杉とは種が異なり、実は日本の杉は固有種でもある。日本では先史時代から杉を生活の中に取り入れ、生活の道具だけではなく、食器、家具、建具、仏具に至るまで幅広く浸透していた。その杉の中でも吉野杉は密度が高く酒樽にも使われる高級木材。植林の密度を極端に多くし、木材の年輪幅が狭く密度を高くしているため樽材には適するが、材になるまでの生育に時間がかかる。
20世紀の中頃からは一般人の生活も西洋化が加速し、生活の道具としては使われなくなってきた。1980年頃からは建材としても輸入材に押され、植林が放置され荒れ果てた山も多く、手入れされなくなった土壌は、近年頻発している土砂崩れの一因とも言われている。
杉と陶器の温もりを感じる、
「YOSHINO Sake cup and bottle」
お猪口と徳利は、吉野杉を五感で楽しむために作ったもの。かつての日本酒のほとんどは吉野杉の酒樽で貯蔵されていたと知り、昔の日本酒はみんな吉野杉の香りがしたのだろうと着想した。
それぞれの徳利に自然と持ちやすい直径約1.5寸の吉野杉製のお猪口が付属する。円錐台の形状は下から杉の木を見上げた様子にちなみ、現代の生活への馴染みやすさを重視したシンプルなデザインにした。お猪口は木造文化財の腐朽部分の補修に使われるポリウレタン系の木質強化含浸剤を使うことで、吉野杉の香りを損なわずにお酒が染み出さない工夫。お猪口とセットにすることで、ほこりが入らず、キッチンにディスプレイしても様になるようにデザインされている。パッケージは杉の小紋柄をあしらった和紙のラベルにした。
YOSHINO Sake cup and bottle
価格|8800円(税込)
カラー|黒/白
サイズ|直径5.5cm 高さ16cm
素材|杉、陶器
※購入はホームページから直接お問い合わせください
「吉野杉」の上品な香りを堪能しながら、お酒を愉しんでみてはいかが。
Doogdesign.
https://doogdesign.jp/