2泊3日で行くモニターツアー 石見国(いわみのくに)の魅力発見記 【後編】
島根県西部に位置する石見(いわみ)地方。悠久の歴史と豊かな文化が息づくこのエリアが、近年広く注目を集めている。その多彩な魅力を再発見するモニターツアーが企画され、参加者が石見の地を訪れることに。【後編】では、旅の2日目と3日目の行程を紹介します。
旅の1日目を紹介した【前編】はこちらから。
【2日目】津和野と神楽 石見国の神髄を求めて
2日目は、かつて津和野藩亀井氏の城下町として栄えた「津和野」からスタート。町を一望できる「太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)」でのお参りを終えたら、早速町を探索してみよう。老舗の造り酒屋や薬種問屋などが並ぶ本町通りを散策した後は、古い町家をリノベーションした「津和野町家ステイ」を見学。伝統の魅力とモダンな機能性が融合した空間に、参加者から感動の声が上がる。
昼食は本町通り沿いのイタリアン、アルチジャーノで。食後は浜田市へ移動し、石見神楽の面を制作する柿田勝郎面工房を見学。
美人・美肌の湯といわれる美又温泉で汗を流すと、いよいよ三宮神社(さんくうじんじゃ)での石見神楽鑑賞だ。この日の上演団体は今市神楽社中。演目は「恵比須(えびす)」、「鐘鬼(しょうき)」。ユーモラスな「恵比須」で笑いが起こり、鬼気迫る「鐘鬼」で固唾をのむ。上演後は豪華な衣裳を試着しての写真撮影会やプレゼント抽選会も。その後、美又温泉源泉かけ流しの宿山根旅館に戻り、疲れを癒した。
【3日目】石見国はデザイン&クラフトの宝庫だった
最終日はあらためて石見のものづくりの魅力に触れてみよう。まず訪れたのは、「神楽ショップくわの木」。こちらは神楽衣裳の工房であるとともに、衣裳や小物類、神楽台本も揃えたマニア垂涎の店。前日見た演目の小物や衣裳もあり、細かい刺繍に改めて驚かされる。
続いては、石見の象徴ともいうべき石州瓦(せきしゅうがわら)を生産している亀谷窯業へ。こちらでは石州瓦の伝統を受け継ぎながら、調理用の耐熱瓦や瓦食器も新しく開発。ショールームに並ぶさまざまな商品にツアー参加者も大興奮!
昼食は浜田駅前のケンボローで。自社農場で生産される芙蓉ポークのみを使用したレストランで、絶品のロースカツに舌鼓を打つ。
最後に訪れたのは、島根県芸術文化センター「グラントワ」。外壁や屋根などに約28万枚もの石州瓦を使用した、石見地方の文化発信地だ。伝統と現代性が融合したその美しさには、ツアー参加者も驚嘆。素晴らしい旅の締めくくりとなった。
2日目の立ち寄りスポット
太皷谷稲成神社
住所:島根県鹿足郡津和野町後田409 Tel:0856-72-0219
参拝時間:8:00 ~ 18:00
津和野町家ステイ「戎丁(えびすちょう)」、「上新丁(かみしんちょう)」
住所:島根県鹿足郡津和野町後田イ71-2 Tel:0856-72-1771(津和野町観光協会) 料金:1棟2万4000円~
アルチジャーノ
住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ194-3 Tel:0856-72-3365
営業時間:ランチ11:30 ~ 14:30(L.O.14:00)、
ディナー18:00 ~ 22:00(L.O.21:00) 定休日:月曜
柿田勝郎面工房
住所:島根県浜田市熱田町636-60 Tel:0855-27-1731
営業時間:9:00 ~ 18:30 定休日:水曜
三宮神社
開催日:毎週土曜20:00 ~ 21:00
住所:島根県浜田市相生町1571 料金:500円(中学生以下無料)
問:浜田市観光協会 Tel:0855-24-1085
美又温泉 源泉かけ流し宿 山根旅館
住所:島根県浜田市金城町追原7-1 Tel:0855-42-1337
料金:1泊2食付き1万1000円~ 1万6000円(税・サ別)
チェックイン:16:00 チェックアウト:10:00
3日目の立ち寄りスポット
神楽ショップくわの木
住所:島根県浜田市金城町下来原1541-8 Tel:0855-42-0039
営業時間:8:00 ~ 18:00 定休日:水曜
亀谷窯業
住所:島根県浜田市長沢町736 Tel:0855-22-1807
営業時間:8:00 ~ 17:00(ギャラリー) 定休日:土・日曜
プロフェッショナル・ポークレストラン ケンボロー
住所:島根県浜田市黒川町4191 Tel:0855-24-9909
営業時間:ランチ11:00 ~ 14:00、ディナー17:00 ~ 24:00
定休日:火曜
島根県芸術文化センター 「グラントワ」
住所:島根県益田市有明町5-15 Tel:0856-31-1860
開館時間:8:45 ~ 22:00
休館日:第2・4火曜(祝日の場合は翌日休)
※美術館の開館時間は10:00 ~ 18:30(休館は毎週火曜)
旅の1日目の行程を紹介した【前編】はこちら。
「石見国」の特設サイトはこちら。
(text : Hajime Ohishi photo : Atsushi Yamahira)
※この記事は2018年5月7日に発売したDiscover Japan6月号から一部抜粋して掲載しています