人気書店が選ぶ
いま読んでおきたい100冊
– TRAVEL –
“身になる読書”をするなら教養を、そして娯楽を。人気書店のあの人から、いまこそおすすめしたい一冊をジャンルごとに選んでもらった計100冊を一挙大公開。今回は「旅」に関する本を選書していただきました。
本と自分の想像力さえあれば、どこへでも行けるはず。そんな妄想の旅をより魅力的に仕上げてくれる本が集まりました。いま旅をするなら、あなたはどこへ行きたいですか?
11.『地図マニア 空想の旅』
芥川龍之介が『トロッコ』で描いた大正時代の熱海から、2038年の択捉島、果ては海をも超えて外国へも。地図を読み解き編み出される“紀行文”は、想像力の自由さを教えてくれる。さあいまこそ地図ひとつで旅に出よう。
▼文喫 六本木/清水 勇気さんのオススメ
海を越え、時代を超える地図紀行。地形図を読み解くことで、あたかも旅をしたかのような体験ができる。実際に行く旅自体の価値観をも変える一冊。
著者:今尾恵介
価格:1430円
発行:集英社インターナショナル(2016年)
12.『旅はゲストルーム 測って描いたホテルの部屋たち』
インテリアデザイナーの著者が、実際に泊まったホテルを実測。手描きの図面と含蓄のあるエッセイが一冊に詰まった本。アメリカ、イタリア、イギリスからブータンまで、世界のホテル69室がカテゴリーごとに紹介される。
▼ブックスキューブリック/大井 実さんのオススメ
新型コロナウイルスの感染拡大で海外旅行など夢物語になってしまった現在、せめて本の中だけでも優雅な旅をしてみたい……。そんな欲求をかなえてくれる一冊。旅が好きな方はもちろん、ホテルの空間やインテリアが好きな方にも。
著者:浦一也
価格:946円
発行:光文社(2004年)
13.『SHIMADAS』
国全体が島である日本に、離島はいくつあるかご存じだろうか?北海道から沖縄県まで、全国1750の島々を紹介する、日本一詳しい島ガイドで、多様性を存分に堪能してみては。
▼ジュンク堂書店 池袋本店/森 暁子さんのオススメ
各島の「みどころ」、「特産品」、「宿」、「交通アクセス」などの島旅に必要なデータと図版が詰まっている。1日といわず、ずっと読んでいられるほど!
編集:日本離島センター
価格:4400円
発行:日本離島センター(2019年)
14.『また旅。』
日本全国を旅しながら、各土地の民藝品や土産を買い求め、郷土料理を食べる……。人気編集者による約6年分の旅の記録。長崎や大阪、松山など著者が忘れられない場所を紹介する。
▼plateau books/贄川 雪さんのオススメ
旅の感想は人それぞれ。個人的にそう思っているので、旅本はあまり読まないようにしている。でもこの災禍を乗り越えた先、この本のように、ガイドには載らない場所へ、生活と地続きな旅をしてみたい。
著者:岡本 仁
価格:1980円
発行:京阪神エルマガジン社(2019年)
15.『世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック』
「絶望山(Mount Hopeless)」、「虐殺島(Massacre Island)」など、「悲しい地名」を紹介するInstagramのアカウントが発祥のガイドブック。知られざる虚無スポット24カ所を収録。
▼双子のライオン堂/竹田 信弥さんのオススメ
まずタイトルがいいです。虚無な場所とはどんなところだろうか、と読者を誘います。ガイドブックとありますが、いま風の写真がメインのものとは違い、各地の歴史や物語を紹介しながら思慮深くひも解きます。空想の旅を楽しませてくれます。いつか現地に行ってみたいですね。
著者:ダミアン・ラッド
価格:1980円
発行:柏書房(2020年)
16.『いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日』
日本で過ごす素晴らしい体験のひとつに四季の移ろいがある。本書では、全国の美しい景色をおすすめ時期とともに紹介。行事ごとも含めたレコメンドは次の旅計画にぴったり。
▼紀伊國屋書店 新宿本店/池上 晃子さんからのオススメ
掲載されている写真が本当にきれいで、見ているだけで癒される。旅好きはもちろん、コロナが収束したらどこかに行きたい!と思っている方におすすめ。
著者:TABIZINE
価格:2090円
発行:PIE International(2020年)
17.『100年の旅』
生まれてから100歳までに人が知ること、年齢とともに得られる喜びと気づきがテーマになっている。1ページごとに歳を重ねていき、人一人の人生を100年の旅として表現。
▼恵文社 一乗寺店/鎌田 裕樹さんのオススメ
旅を生きがいにする人には鬱屈とした日々が続く。ふと立ち止まり、歩んだ道を振り返る。心の内でも旅はできるし、きっと、いまもまた旅の途中。
著者:ハイケ・フォーラ
価格:1760円
発行:かんき出版(2020年)
18.『旅人の表現術』
ノンフィクション作家として勢いに乗る著者が、近年発表してきた記事や対談、書評などをまとめた一冊。開高健論や作家・沢木耕太郎、写真家・石川直樹との対談が展開される。
▼ホホホ座 浄土寺店/山下 賢二さんのオススメ
冒険家ではなく作家というスタンスで活動する角幡さん。旅で味わった体験を、どう読者に伝えるかという著者の工夫を読み取る知的興奮をぜひ味わって。
著者:角幡唯介
価格:770円
発行:集英社(2020年)
19.『新・東海道五十三次』
筆者が妻の運転する車の助手席から送る、東海道中見聞録。名所や名物の楽しみ、歴史的考察を交えつつ、猛烈なスピードで変わりゆく1968年の日本をつづる弥次喜多夫婦道中記。
▼ブックスルーエ/花本 武さんオススメ
著者・武田泰淳のスットコぶりが、おもしろ過ぎる紀行文学の傑作。運転席でハンドルを握るのは妻の百合子です。
著者:武田泰淳
価格:1012円
発行:中央公論新社(2018年)
20.『食べて、祈って、恋をして』
順風満帆に見えた人生の途中で、挫折を味わった著者。世界各地を旅しながら、土地の食に魅せられヨガで祈りを捧げ、少しずつ自分を取り戻していく、世界的ベストセラー。
▼六本木 蔦屋書店/佐々木 貴江さんのオススメ
一人旅ほど自分と向き合う時間はない。一人の女性の再生への過程は、自分らしさの見つけ方を教えてくれる。他人の意見に振り回されがちな人におすすめ。
著者:エリザベス・ギルバート
価格:1320円
発行:早川書房(2020年)
SELECTOR
※各店舗は状況により休業している場合があります。
また営業時間・定休日は随時変動しているため、ウェブサイト等をご確認ください
国内ほか海外にも店舗をもつ大型書店
『紀伊國屋書店 新宿本店』
住所:東京都新宿区新宿3-17-7
Tel:03-3354-0131
営業時間:10:00〜21:00
定休日:なし
www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/
世界の美しい10の本屋に選ばれた京都の名店
『恵文社 一乗寺店』
住所:京都府京都市左京区一乗寺払殿町10
Tel:075-711-5919
営業時間:10:00〜19:00
定休日:なし
www.keibunsha-books.com
専門書なども多数取り揃える
『ジュンク堂書店 池袋本店』
住所:東京都豊島区南池袋2-15-5
Tel:03-5956-6111
営業時間:10:00〜21:00
定休日:なし
https://honto.jp/store/detail_1570019_14HB320.html
作家や研究者によって選書された本が並ぶ個性派
『双子のライオン堂』
住所:東京都港区赤坂6-5-21-101
Tel:050-5276-8698
営業時間:15:00〜21:00
定休日:日・月・火曜
https://liondo.jp
“ゆっくり本を読む”を提供する新刊書店
『plateau books』
住所:東京都文京区白山5-1-15 ラークヒルズ文京白山 2F
営業時間:12:00〜18:00
定休日:月〜木曜
https://plateau-books.com
本との出会いが楽しめる本屋
『文喫 六本木』
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビルディング1F
Tel:03-6438-9120
営業時間:9:00〜22:00(L.O.21:30 )
定休日:不定休
https://bunkitsu.jp
地域に根差した小さな総合書店
『ブックスキューブリックけやき通り店』
住所:福岡市中央区赤坂2-1-12
Tel:092-711-1180
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
www.bookskubrick.jp
「花本棚」と呼ばれる独自の棚づくりが評判
『ブックスルーエ』
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-14-3
Tel:0422-22-5677
営業時間:9:00〜22:30
定休日:なし
www.books-ruhe.co.jp
全国10店舗、さまざまな形態で展開する本の多いお土産屋
『ホホホ座 浄土寺店』
住所:京都市左京区浄土寺馬場町71
Tel:075-741-6501
営業時間:11:00〜19:00
定休日:元日
http://hohohoza.com
アートやカルチャーの洋書ならまずここへ
『六本木 蔦屋書店』
住所:東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズ 六本木
けやき坂通り
Tel:03-5775-1515
営業時間:7:00〜24:00
定休日:不定休
https://store.tsite.jp/roppongi/
文=大森菜央、中森葉月、成田美友、山本章子 写真=山平敦史