「献立の流れの基本」スマートに滞在するために知っておきたい、旅館の基礎知識
普段泊まり慣れないと、旅館でどう振る舞ったらいいかわからず、緊張してしまうことも。せっかくの滞在だから、落ち着いて楽しみたいもの。そこで知っておきたい基礎知識を伝授! 旅館でのメインの楽しみといえば食事。和風の旅館であれば会席料理のコースであることが多い。宿により内容は異なるが、今回は基本的な流れを紹介する。
知っておきたい献立の流れの基本
【先付】
まず最初に出されるひと品。季節を感じさせてくれる軽い酒肴で、のちに続く料理への期待を高めてくれる。
【向付】
一般的には、魚介類をもちいる。お造りにしたり、なますや昆布締めにするなどして、ひと手間加えた品が盛られる。
【椀盛】
汁もの。献立の中でもひときわ季節感を演出するひと品。出汁の取り方や椀種の選択など、料理人のセンスが問われる料理とされる。
【八寸】
もともと八寸角の杉の盆に盛り付けられることから名づけられた。少しずつ山海の珍味が、美しく盛り合わされる。
【焚合】
それぞれ別々に煮付けた季節の食材を、盛り合わせたひと品。季節ごとの食材の出合いを愉しみたい。この組み合わせ方にも力量が出る。
【焼物】
海や川の魚を塩焼きや幽庵焼きなどにしたもの。魚だけではなくタケノコやナスなどの野菜や肉が用いられることも。
【蒸物】
茶碗蒸しや蕪蒸し、薯蕷(じょううよ)蒸し、マツタケの土瓶蒸しなど、蒸すことで、素材のうまみを閉じ込めた温かい料理。
【酢物】
魚介類や野菜、乾物を三杯酢などを使って和えたもの。献立の最後のほうに供され、箸休め、口を清める意味合いもある。
【留椀・御飯・香物】
酒と料理をひととおり楽しんだ後に供される味噌汁、ご飯、香の物。留椀(止め椀)の名のとおり、料理が終わったことを示す。
【果物】
料理のうつわがすべて下げられたあとに出てくるいわばデザート。季節の果物だけでなく、アイスなどと盛り合わせて供される。
意外と知らない会席料理の流れを押さえて、滞在のメインでもある食を心ゆくまで愉しみ尽くそう。
文=編集部
Discover Japan_TRAVEL「味わいの名宿」