陶芸家「岡崎慧佑」のうつわ
金属のような質感と
色合いが生む幻想的な世界
|渋谷パルコ《岡崎慧佑 ミニ個展》
焼成を何度も繰り返し、絶妙な力加減で磨き上げることで、濃淡の美しい景色が浮かび上がる。Discover Japan Lab.では2026年8月29日(土)~9月6日(日)にかけて「岡崎慧佑 ミニ個展」を開催。金属を彷彿とさせるモダンなうつわを食卓に。
※個展初日の入店について、一部時間帯に整理券が必要です。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)、または公式オンラインショップをご確認ください。

岡崎慧佑(おかざき・けいすけ)
現在は神奈川県で制作をおこなう。
新たな環境に身を置いて
うつわと向き合う

電動ろくろを使い、美しいフォルムへと成形していく。薄手で軽いうつわのほうが取り回しがよいので、厚くならないように、適度な薄さを心掛ける。陶土には定番の黒のほか、焼成すると美しいれんが色に変化する赤も使用
築100余年の古民家で作陶を続けてきた岡崎慧佑さんは今春、海辺に新たな工房を構えた。
「心境の変化は特にありません。ただ、以前のアトリエはエアコンが使えず、特に夏場の作業は過酷でした。その点、新しい作業場は空調も整っていますし、身体への負担がだいぶ減りました。シンプルに、手元に集中できるようになったことがうれしいです」

岡崎さんのうつわは、金属を思わせるモダンで硬派なテクスチャーが特徴。この独特の風合いを生み出すために、工程の大半を「焼成」と「磨き」に費やしているという。
「ろくろで素地を成形したら、一度目の焼成です。続いて、色のベースとなる化粧土を満遍なく塗り、再び焼成。さらに赤や黄色などの顔料を塗り、ひたすら磨きながら装飾を施していきます」

その後、三度目の焼成をし、微調整をした後に本焼き。こうしてようやく一枚のうつわが完成する。工程の多さもさることながら、緻密な手作業にも目を見張るものがある。
「イメージとしては、ビスケットを指で押さえながら表面を研いでいく感じです。比較的割れやすい状態の生地を、様子を見ながら感覚で磨いてきます。同じ条件で焼成しても、個々の水分含有量は微妙に異なるため、一つひとつ加減も変わる。指先の感触を頼りに磨いていくので、なかなか気が抜けません」

岡崎さんの作品の顔ともいえる赤色の顔料。ハッとするほど鮮明な色彩は、磨きをかけることで下地の化粧土と調和し、シックで落ち着いた雰囲気へと変化する。近年は黄色や青緑色の顔料も本格的に採用しはじめた
表面に施した顔料を優しく削りながら、下地の化粧土を浮かび上がらせていく。いわば「引き算」の美学といえるだろう。金工や木工と同じように、一度手を加えたら元に戻すことはできない。この不可逆な技法も、独特の緊張感を生み出している。
凹凸感のあるグラデーションは一見重厚だが、手にすると想像以上に軽く、扱いやすい。日常使いしやすいようにと、かたちもシンプルさを心掛ける。カジュアルにも上品にも盛りつけることができる、アレンジしやすいデザインにも好感がもてる。

「特に奇をてらったことはしません。基本的なことを、続けていけたらと思います」と、岡崎さんは自身の作陶について話す。
ひたむきに、丹精込めて。幻想的な景色には、作家としての情熱が投影されている。
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岡崎慧佑 ミニ個展
会期|8月29日(土)~9月6日(日)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同シリーズでも個体差があります。
※Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を2026年8月18日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)なお、ワイングラスのオンラインショップ販売はございません。
text: Misa Hasebe photo: Shiho Akiyama
2026年9月号「木と生きる2026」


































