秋田の美味と夜の楽しみ
陶芸家・田村 一の美味しい秋田案内【中編】
陶芸家・田村一さんが愛する秋田。県外から訪れる旅人を快く受け入れ、温かく迎えてくれる、秋田の”美味しい”に出合える4つの店をご紹介!
秋田を盛り込んでフレンチを自由に楽しく!
Ichi La cuisine au comptoir
はじめて田村さんのうつわを見たとき、衝撃を受けたという「Ichi」の簑原祐一さん。独特のプロポーションに魅せられて、田村コレクションは県内でも随一。簑原さんは広尾や銀座のレストランで腕を振るい、自分の店をもつために妻の実家がある秋田へ移住。紹介制の理由は、人柄や食の好みを事前に知っておくことでゲストに合った料理を提供できるから。「市内からのゲストにはあえて県外産の食材を選ぶこともあります」
フレンチをベースに、秋田食材をふんだんに使用したコース料理を提供。「秋田は自然豊かで水がいい。米、野菜、酒すべてが揃っていて総合力が高い」と簑原さん。カウンターで聞く生産者のストーリーもコースの一部としてぜひ味わって。
Ichi La cuisine au comptoir
住所|秋田県秋田市山王2-7-36 山王ソラリスビル1F
Tel|なし
営業時間|18:00〜23:00(要事前予約)
定休日|日曜
www.ichi-akita.com
Instagram|@ichi_la_cuisine_au_comptoir
試行錯誤から生まれた自分好みの郷土料理
炭焼酒場 おもろ
田村さんの自宅から徒歩圏内の「おもろ」は、一人でも仲間とも、県外からゲストが来た際もさまざまなシチュエーションで利用する。山下夫妻の愛情が詰まった料理は「全部美味しい!」。田村さんのこの言葉に尽きる。
「秋田は四季がはっきりとしていて食材の宝庫」とは店主・山下和彦さん。東京から妻の明子さんの地元へ移住して25年。苦手だったハタハタ寿しを好みの味にしたいと改良を重ね、15年かかった。「ゆきの美人」、「春霞」などの地酒とぜひ。
炭焼酒場 おもろ
住所|秋田県秋田市手形新栄町2-37
Tel|018-832-0497
営業時間|18:00〜23:00(L.O.20:00)
定休日|水曜、ほか不定休あり
Instagram|@omoro_akita
行列必至! 秋田市民の胃袋を支える「気取らない通の味」
盛(さかり)
秋田市の中国料理といえば「盛」。人気メニュー、レバニラと麻婆豆腐の仕込みは毎日レバー12㎏、ニラ100把、豆腐20丁。堀岡盛さんは学生時代、ウェイトリフティング部の合宿で料理を褒められたことがうれしくてこの道へと進んだ。
「町中華だけど、ほんとの料理をやるの」と堀岡盛さん。高校卒業後、目黒雅叙園、赤坂山王飯店で修業。日本中国料理協会の研修で中国へは24回訪れた。人気店の理由は、本物の料理と現役76歳店主の愛嬌だろう。
盛(さかり)
住所|秋田県秋田市八橋本町5-6-1
Tel|018-824-1313
営業時間|11:00〜14:00
定休日|日・水曜、祝日
「最強」を提供する、旅の目的になるスイーツの名店
STOVE+
「お菓子の精度をもっと完璧にしたいですね」とは「STOVE+」の齋藤さん。日々の研鑽を惜しまず、立ち止まらない菓子職人。感動を与えてくれる最強のスイーツがここにある。
季節や材料の状態によってレシピ変更は当たり前。デリケートな菓子は焼き上がり3分前からオーブンに張りつき、納得のいかないものは絶対に店頭に出さない齋藤毅シェフ。この完璧な仕事を田村さんは「最強」と表現。
STOVE+
住所|秋田県秋田市広面近藤堰越21-2
Tel|018-838-1779
営業時間|12:00〜18:30
定休日|不定休
https://stove-plus.com
Instagram|@stove_plus
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text: Wakana Nakano photo: Norihito Suzuki
Discover Japan 2024年3月号「口福なニッポン」