フランスと日本で研鑽を積んだ信太竜馬さんがシェフを務める「レラン/l’élan」。美味しさはもちろんのこと、楽しさも感じさせてくれる独創性あふれるプレゼンテーションを紹介しよう。
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大きな木の扉を開いた瞬間から、レランのプレゼンテーションははじまる。空間には土の壁や木々による有機的なしつらえが施され、窓の向こうに広がるのはまばゆい夜景。テーブルに目を移すと、白いクロスの上に銀のカトラリーが配されている。信太さんが重んじる「クラシカルであること」のすごみは随所に息づき、その真骨頂は料理で体現されているといえよう。
野菜の端材の旨みを凝縮してコンソメに仕立てたアミューズから焼き菓子のデセールまで、どの皿もモダンで彩り豊かだ。その美しさを支えるのは、確かな火入れの技術やソースの奥行きといったオーセンティックなフレンチの技法と、信頼する日本の生産者から届く食材の数々。それらを駆使し、信太流フレンチへと昇華させている。
「生産者さんとの対話、フレンチの技術、うつわの選定、上質な空間、温かなもてなしなど、レランを構成するすべての要素へのこだわりは当たり前のことです。『レランでのガストロノミーの体験は楽しかったな』と感じていただき、想像力が羽ばたける場をご提供していきたい。そのためにも末長く愛される店でありたいですね」
常時約20種類揃うチーズからセレクト
デザートの前にはカクテルが供される
コーヒー豆も自家焙煎
子ども料理教室も開催
レラン(l’élan)はフランス語で「飛躍」の意。料理を媒介に、生産者やゲストの想いまでも羽ばたかせていく。
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レラン(l’élan)
住所|東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 4F
Tel|03-6803-8670
営業時間|18:00〜20:30(最終入店)
定休日|日・月曜(月曜が祝日の場合、月・火曜)
料金|コース2万4200円(税込・サ別)
https://lelan.jp
text: Nao Ohmori photo: Maiko Fukui
Discover Japan 2024年3月号「口福なニッポン」