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《近畿地方の桜》10選
桜とともに歴史や文化に浸る
|一生に一度は見たい桜の完名所!③

2024.3.16
《近畿地方の桜》10選<br>桜とともに歴史や文化に浸る<br><small>|一生に一度は見たい桜の完名所!③</small>

春の訪れを告げる桜の季節がもうすぐやってきます。美しい風景を求めて全国各地を旅する写真家の方々が、桜の名所25カ所を推薦。場所ごとに撮影のコツも紹介しているため、カメラを片手に花見へと出掛けよう! 今回は、桜とともに歴史や文化に浸れる「近畿地方」の桜スポットを10ヶ所、紹介します。

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01|三重県・津市「竹原の淡墨桜」

撮影者:長谷川朋亨
撮影日:2023年3月22日/使用カメラ:Nikon Z6

花の色がピンクから白へ変化する特徴をもち、ソメイヨシノよりも見頃が早い淡墨桜。茶畑と谷川の間にあり、桜の色が周囲の景色によく映える。「本格的に写真をはじめた頃から、毎年楽しみに訪れている場所。茶畑の先に咲く凛とした姿がとても美しいです」

撮影のPoint
桜と茶葉が逆光で輝く時間帯を狙い、光の入り具合をファインダーで細かく確認して撮影。雲のコントラストと色みは印象的にレタッチ

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住所|三重県津市美杉町竹原
問|津市美杉総合支所地域振興課
Tel|059-272-8080

02|滋賀県・近江八幡市「八幡堀」

撮影者:長谷川朋亨
撮影日:2022年4月6日/使用カメラ:Nikon Z6

1585年に武将・豊臣秀次が八幡山に城を築き、城下町整備の一環でできた人工堀。現在は手漕ぎ船やモーター船も運行し、乗船しながら堀沿いの花見を楽しむこともできる。「時代劇のロケ地にもなる場所。夕日に照らされて輝く姿が美しく、古きよき日本を感じます」

撮影のPoint
夕日が差す時間帯は、川面が輝く絶好のタイミング。桜と船が印象的になるよう、絞りを調整して前景と背景をぼかした

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住所|滋賀県近江八幡市宮内町一帯
問|近江八幡駅北口観光案内所
Tel|0748-33-6061

03|京都府・京都市「岡崎疎水」

撮影者:中村真之
撮影日:2023年3月29日/使用カメラ:Nikon D500

琵琶湖の水を送るために明治時代につくられた琵琶湖疏水の分流。約1.5㎞にわたって、疏水沿いにソメイヨシノが咲き誇るさまは圧巻。「水に映り込む桜並木が美しい場所です。十石舟(遊覧船)などからの観覧もできて、京都らしい風情を感じられます」

撮影のPoint
近代的な建物が背景に映り込まないよう、朝日と朝もやで隠れるタイミングを狙って撮影。疏水に反射する桜や橋の位置のバランスも意識した

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住所|京都府京都市左京区南禅寺草川町
問|京都市上下水道局
Tel|075-672-7709

04|京都府・京都市「蹴上インクライン」

撮影者:長谷川朋亨
撮影日:2023年3月26日/使用カメラ:Nikon Z6

舟を台車に載せて運ぶため、明治から昭和にかけて活躍した全長582mの傾斜鉄道の跡地。国の史跡として整備され、現在は自由に歩ける観光名所に。「夜はかなり暗いのですが、シャッターを切り、ファインダーに映し出された、たわわな桜には感動しかありません」

撮影のPoint
昼間は観光客が多いため、夜が更けてから撮影するのがおすすめ。小雨が降った後、無風のときを狙うと幻想的な雰囲気で撮影できる

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住所|京都府京都市東山区東小物座町339
問|京都市上下水道局
Tel|075-672-7709

05|京都府・宇治田原町「正寿院」

撮影者:藤浪秀明
撮影日:2023年3月31日/使用カメラ:SONY α7RV(ILCE-7RM5)

約800年前の鎌倉時代に建立された、高野山真言宗の寺院。「猪目窓」と呼ばれるハート型の窓が有名で、窓から桜、新緑、紅葉、雪と四季の移ろいを楽しむことができる。「期間限定で夜桜の見学が可能で、室内からライトアップされた桜を見られる場所は京都でも珍しいです」

撮影のPoint
床の反射を撮影するため、12㎜の超広角レンズを使用。ライトアップ部分はハイライトを落とし、暗い部分はややシャドーを上げた

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住所|京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
拝観時間|9:00~16:30
拝観料|600円
問|正寿院 寺務所
Tel|0774-88-3601
※春の特別拝観(3月27日~4月5日)は完全予約制。
詳しくはHP(https://shoujuin.boo.jp)を要確認

06|京都府・京都市「八坂の塔」

撮影者:藤浪秀明
撮影日:2020年3月3日/使用カメラ:SONY α7RⅣ(ILCE-7RM4)

聖徳太子により建立されたと伝わる法観寺内にある五重塔。産寧坂から塔を見ると、道の脇に植えられたしだれ桜との共演が見事。「夕方の温かい光に照らされた京都の街は美しいです。桜がないと主役は八坂の塔、春は桜が主役になる気がします」

撮影のPoint
観光客が多いため人が入らない少し上の画角を狙い、標準レンズで撮影。手前に桜を入れることで、定番の撮影場所に季節感を演出した

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住所|京都府京都市東山区清水八坂上町388
拝観時間|10:00~15:00
拝観料|400円
問|法観寺 寺務所
Tel|075-551-2417
※小学生以下拝観不可。
不定休あり

07|京都府・京都市 「東寺」

撮影者:中村真之
撮影日:2023年3月24日/使用カメラ:Nikon D500

796年、桓武天皇が平安京を築く際に建てられた東寺真言宗の総本山。境内にはソメイヨシノをはじめ約200本の桜が植えられ、夜になるとライトアップでより荘厳な姿に。「五重塔をスケール豊かな桜が囲む様子は、京都を代表する景色だと思います」

撮影のPoint
少し色相を上げ、桜のピンク色がわかりやすくなるように調整。三脚禁止だがライトアップもあり十分明るいため、手持ちで撮影した

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住所|京都府京都市南区九条町1
開門時間|5:00~17:00
拝観料|金堂・講堂/500円
問|東寺 寺務所
Tel|075-691-3325

08|京都府・京都市「常照皇寺」

撮影者:中村真之
撮影日:2021年4月10日/使用カメラ:Nikon D500

1362年に創建された臨済宗天龍寺派の寺。後水尾(ごみずのお)天皇があまりの美しさに帰りかけていた車を引き返したことから「御車返しの桜」と名がつく桜がある。「圧倒的な存在感の桜で立ち去り難い風景です」

撮影のPoint
桜のボリュームが大きいため、超広角レンズで撮影。地面に生える苔と桜を対比できる構図にして、シンプルな中に迫力を表現

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住所|京都府京都市右京区京北井戸町丸山14-6
拝観時間|9:00~16:00
拝観料|志納(500円ほど)
問|常照皇寺 寺務所
Tel|075-853-0003

09|奈良県・東吉野村「高見の郷」

撮影者:藤浪秀明
撮影日:2023年4月7日/使用カメラ:SONY αRV(ILCE-7RM5)

林業を営む家系が未活用となった山を活用すべく、しだれ桜1000本を植えてつくり上げた標高650mに位置する広大な庭園。「高所にあるため、ほかの関西の桜の見頃が過ぎた後でも訪問しやすい場所。しだれ桜は毎年枝が生長中なので、今後の進化も楽しみです」

撮影のPoint
霧が出やすい大雨の日を狙い、標準ズームレンズで展望台から撮影。桜の色を出しつつ、霧などの白い部分が飛ばないように明るさを調整した

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住所|奈良県吉野郡東吉野村杉谷298-1
問|高見の郷事務局
Tel|090-5136-9844
※2024年は4月1日に開園予定

10|奈良県・宇陀市「又兵衛桜」

撮影者:みぞぐちつばさ
撮影日:2022年4月9日/使用カメラ:Canon EOS R6

宇陀市の本郷地区には戦国武将・後藤又兵衛の伝説が残り、後藤家の屋敷跡にあることから「又兵衛桜」と呼ばれる。樹齢300年といわれるしだれ桜で、高さ13m、幹周3mを超える巨木。「雄大な星の数々にも引けを取らない一本桜で、夜見ても圧倒されます」

撮影のPoint
一定のシャッタースピードで撮影を繰り返すインターバル撮影で、約3時間弱にわたる星の軌跡と歴史ある一本桜を1枚の中に収めた

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住所|奈良県宇陀市大宇陀本郷
問|宇陀市観光協会
Tel|0745-82-2457

※各スポットの花見や撮影に関しては、周囲に配慮しながら施設や地域のルール・マナーに従って行ってください。

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四国地方の桜 3選
 
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text: Akane Sato
Discover Japan 2024年4月号「日本再発見の旅」

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