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《平等院ミュージアム鳳翔館/茶房 藤花》
地下に広がる“もうひとつの平等院”
平安・鎌倉時代の古都を国宝と茶でたどる②

2023.12.9
《平等院ミュージアム鳳翔館/茶房 藤花》<br>地下に広がる“もうひとつの平等院”<br><small>平安・鎌倉時代の古都を国宝と茶でたどる②</small>
写真提供=平等院

日本で5番目の世界遺産として記載された「古都京都の文化財」が宇治市にもあるのをご存じだろうか。宇治には、日本の代表的な文化財・平等院のみならず、平安・鎌倉時代の歴史が刻まれた文化財が点在している。そんな歴史に思いを馳せつつめぐることができる、茶処ならではの愉しみを柏井 壽さんと見つけに行こう。
 
今回は平等院を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい「平等院ミュージアム鳳翔館」と日本茶専門店「茶房 藤花」を紹介する。

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平等院ミュージアム鳳翔館
旧宝物館の老朽化に伴い、先端的設備を導入して2001年に第3世代ミュージアムとして開館。鳳凰堂や庭園との景観が調和するよう大半を半地下構造としながら、自然光をうまく取り入れる建築も見応えがある。
開館時間|9:00〜17:00(受付終了16:45)写真提供=平等院

宇治川のほとりに建つ平等院は秋ともなれば、境内のあちらこちらに紅葉が点在し、水に浮かぶような鳳凰堂を鮮やかに彩ります。そのさまはさしずめ極楽さながら。
 
東から眺めるのを常道とする浄土式庭園は、朝日が当たる朝にこそ、その魅力を発揮しますから、ぜひ早起きして拝観したいものです。
 
もうひとつの平等院と呼ばれる「ミュージアム鳳翔館」の地下にも足を運びましょう。
 
国宝に指定されている初代の梵鐘や鳳凰などを、間近に観ることができ、天空に遊ぶような「雲中供養菩薩像」も拝観できます。まさに国宝だらけといった館内の空気に圧倒されてから、地上階に上って、ミュージアムショップで、ついたくさん買ってしまうのも愉しいものです。
 
宇治は山で囲まれた地で、その山々ではお茶が栽培され、宇治は日本有数のお茶の産地としても知られています。
 
宇治茶は日本有数のブランド茶です。
 
とりわけ宇治抹茶の人気は高く、点てる抹茶はもちろん、和菓子のみならず、スイーツにも使われていて、いまでは京名物のひとつに数えられるほどの、高い人気を誇っています。
 
身近な存在ながら、淹れ方ひとつで大きく味わいが異なる日本茶を、本格的に愉しめる「茶房 藤花」で、ぜひひと息入れましょう。
 
正しく淹れたお茶はこんなに香り高く味わい深いものか、ときっと驚かれることでしょう。

鳳凰堂を中心に秋の浄土式庭園を歩く

鳳凰堂の屋根は平安時代と同じデザインで新調した軒瓦が使われ、金色の2代目鳳凰が据えられている

平安時代に完成した最古の浄土庭園。鳳凰堂、池と宇治川、対岸の山々が一体となり、貴族たちが求めた極楽浄土の光景を表現。いくつかの紅葉木があり、豪華絢爛な鳳凰堂や鐘楼とのコラボレーションが美しい。

鐘身に施された装飾が美しい梵鐘。現在、鐘楼に掛かっているのは、1972(昭和47)年、初代と寸分違わぬ姿で復製された2代目(写真提供=平等院)

境内の茶房にてオリジナルブレンドの「宇治茶」でひと息

宇治 玉露 冷茶 菓子付き900円
茶葉は濃厚な旨み、甘み、芳醇な香りが特徴の「雫耀(いってき)」。店では氷を用いる独自の抽出法で、その味を最大限引き出している(写真提供=平等院)

2014年に平等院境内にオープンした日本茶専門店「茶房 藤花」。宇治市内と宇治近郊の茶園から収穫された茶葉を独自にブレンドし、玉露、煎茶、抹茶などさまざまなスタイルで、宇治茶の奥深い世界を発信している。

宇治 抹茶 菓子付き600円
有田焼の抹茶碗は、蓋付きで急須としても使えるオリジナル。菓子は、宇治茶に合わせて菓子職人と素材から吟味し、つくったもの
宇治茶の魅力はブレンドの技術に長けていることだと日本茶インストラクターの尾上祥太さん。「たくさんのお茶農家があり、それぞれのよさを熟知する茶師がいます」

茶房 藤花(さぼう とうか)
営業時間|10:00〜16:30(L.O.16:00)
定休日|月〜水曜(祝日の場合は営業。変更あり)

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約1000年の歴史を刻む日本最古の神社
《宇治上神社/宇治神社》

 
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photo: Katsuo Takashima
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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