FOOD

カフェ《Somushi ohara》
柏井 壽さんと巡る、京都・大原の美味しい店②

2023.12.2
カフェ《Somushi ohara》<br><small>柏井 壽さんと巡る、京都・大原の美味しい店②</small>

山間の集落に、ひっそりと佇む古刹が集まる大原はかつて平安貴族が隠棲していたという歴史ある地。そんな大原にいま、こぞって星付きレストランのシェフやオーガニック野菜を育てる農家さんが集まっているという。豊かな山里で育つ野菜を使った美食を提供する店も増え、盛り上がっている、新たな癒しの地・大原を柏井 壽さんと探る。
 
今回紹介するのは、「三千院」と「寂光院」の中ほどにあるカフェ「Somushi ohara」。大原のヘルシーで美味しい食材をふんだんに使った「Somushiビビンパ」が看板メニューだ。

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年間30種類ほどの野菜を育てる。畑の管理専門のスタッフも

Somushi oharaで知る野菜本来の味

山口さんが惚れ込んだ大原の自然と一体になれるテラス席。心地よい風が渡り、目の前を流れる高野川のせせらぎに癒される

2022年の5月、洛中から大原に移転してきた「Somushi ohara」は、「三千院」と「寂光院」の中ほどにあって、野菜の美味しさを実感させてくれる、新しい感覚の店です。
 
「素夢子」という店名は「物性から解き放たれた自然の秘密の影」という意を込めているそうで、もとから大原の野菜や自然が大好きだったオーナーのヨンギョンさんいわく、大原の地はまさにその言葉にぴったりだったようです。

Somushi ピビンパ 2000円
トラジ(キキョウの根)、チナムル(山菜)などの韓国食材も加わる10種類のナムルが絶品。淡路島・樂久登窯のテリーヌポットで

エスニックな空気が漂う店で食べる「somushiピビンパ」には丹念に仕込んだ10種類のナムルをはじめ、卵、肉などが彩りよくご飯の上に盛られ、ヘルシーながらボリューム満点で、しっかり満腹感も得られます。
 
大原の美味しい食材は野菜だけではありません。ピビンパのご飯は大原の農家が特別に栽培した米で、卵も同じく大原で生まれ育った地飼鶏ですが、どちらも豊かな自然に囲まれて育ったせいか、素朴で伸びやかな味わいです。

五味子茶ホット 1000円
韓国から取り寄せる茶葉を使い、五味(酸・苦・甘・辛・塩)をもつ甘酸っぱいお茶。ビタミンCたっぷりで美肌効果も期待できる

店の家具や韓国料理が醸し出す空気は、どこかアジアの農村を思わせますが、周りの風景にすっかり溶け込んでいるのは、大原ならではでしょう。

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オーナーの山口娟卿(ヨンギョン)さん(左)と、畑仕事がしたくて店に来たというスタッフ

Somushi ohara
三条烏丸で18年間愛された「素夢子古茶家」が、店名も新たに再スタート。ピビンパに付く冷菜などは、近隣で採れた野菜に加え、敷地内の畑で農薬を使わずに育てた野菜を使用。畑とつながり、大原の季節を伝えている。
 
住所|京都市左京区大原来迎院町118 
Tel|075-205-1361 
営業時間|10:00〜16:00(L.O.15:30) 
定休日|月〜水曜 
www.instagram.com/somushi_ohara

 

カフェ《KULM》
 
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photo: Makoto Ito
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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