SNSで活躍する写真家が撮る
京都の紅葉の穴場6選|後編
鮮やかな紅葉と歴史ある建物や街並みが調和した瞬間は、つい写真に収めたくなるもの。京都で活躍する4人の写真家に、足を延ばしてでも訪れたい紅葉の秘所を美しい写真を交えて3カ所ずつ教わった。
中村真之さんが切り撮った京都の紅葉
中村真之(なかむら・まさゆき)さん
平日は大阪で会社員として勤務し、主に休日に京都や奈良の風景を撮影。Instagramに投稿する写真は、歴史が紡いできた古都の情景や文化がもつ空気感を、カメラで写し取ったもの。12万人を超えるフォロワーに支持されている
Instagram|@masayuki.nakamura__
<Favorite camera>
◎Nikon D500
1|<京田辺>
酬恩庵一休寺
“一休さん”こと一休宗純が、応仁の乱で荒廃した前身「妙勝寺(みょうしょうじ)」を再興し、晩年を過ごした場所。「門をくぐると、参道を覆い尽くさんばかりの紅葉が出迎えてくれます。どこを歩いても美しく、市街地では味わえない落ち着いた雰囲気です」
[撮影日]2022年11月19日
[使用カメラ]Nikon D500
住所|京田辺市薪里ノ内102
Tel|0774-62-0193
拝観料|一般500円、高校生400円、中学生300円、小学生200円
2|<大原>
古知谷阿弥陀寺
大原から、さらに奥へ進んだ山間部にある、皇族ともゆかりの深い古刹。四季折々の山野草も人々を惹きつけている。「山深い環境に守られた紅葉は非常に鮮やか。本堂から眺めると、紅葉の雲から浮かび上がるような瑞雲閣(写真中央)の雅な姿に目を奪われます」
[撮影日]2022年11月17日
[使用カメラ]Nikon D500
住所|京都市左京区大原古知平町83
Tel|075-744-2048
拝観料|500円
3|<二ノ瀬>
白龍園
太古より山の神々がすむといわれる安養寺山のふもとに浮かぶ日本庭園。春と秋のみ限定公開される。「市街地から離れた予約制の庭園のため、自然を感じながら紅葉がじっくり楽しめます。細やかな手入れが行き届いた昭和の名園に、毎年鮮やかな紅葉が広がります」
[撮影日]2022年11月24日
[使用カメラ]Nikon D500
住所|京都市左京区鞍馬二ノ瀬町106
Tel|075-311-8988(青野)
拝観料|特別観覧10・12月1600円、11月2000円 ※事前予約制
正垣琢磨さんが切り撮った京都の紅葉
正垣琢磨(しょうがき・たくま)さん
1988年生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、京都のデザイン事務所に勤務。その後、家業の神社仏閣関連の通販会社で勤務するかたわら、写真撮影や映像制作の仕事も担うことに。京都の文化発信や職人への取材も自主的に行っている
Instagram|@takumar_s
<Favorite camera>
◎Leica M10
◎Nikon Z 7
4|<奥嵯峨>
愛宕街道
江戸時代に愛宕神社の門前町として賑わった場所。かつての町並みが残る嵯峨鳥居本は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。「茅葺屋根の民家が軒を連ねる町並みに紅葉が相まって、美しい風景が楽しめます。人が少ないため、のんびり撮影を楽しむ際にもおすすめです」
[撮影日]2020年11月21日
[使用カメラ]Leica M10
住所|京都府京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町
5|<伏見>
醍醐寺
豊臣秀吉が豪華な花見を行った桜の名所としても有名。多くの国宝・重要文化財を伝承し、世界遺産にも登録されている。「市内から少し離れているため、人が少なくのんびりとした空気が漂っています。昼間も夜間のライトアップも美しいため、どちらの時間帯も訪れてほしいです」
[撮影日]2020年11月13日
[使用カメラ]Nikon Z 7
住所|京都市伏見区醍醐東大路町22
Tel|075-571-0002
拝観料|一般1000円、高中生700円 ※時間・季節によって変動あり
6|<小野郷>
岩戸落葉神社
源氏物語に登場する「落葉姫」を祀る小さな神社。境内には高さ20mを超える大イチョウが数本あり、見頃になると境内を覆い隠すように色づく。「落葉のタイミングに訪れると、黄金色のじゅうたんが敷き詰められたような景色となり、境内が美しく映えます」
[撮影日]2021年11月20日
[使用カメラ]Leica M10
住所|京都市北区小野下ノ町170
Tel|075-406-2004(北区役所小野郷出張所)
拝観料|無料
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text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」