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SNSで活躍する写真家が撮る
京都の紅葉の穴場6選|前編

2023.11.12
<small>SNSで活躍する写真家が撮る</small><br>京都の紅葉の穴場6選|前編

鮮やかな紅葉と歴史ある建物や街並みが調和した瞬間は、つい写真に収めたくなるもの。京都で活躍する4人の写真家に、足を延ばしてでも訪れたい紅葉の秘所を美しい写真を交えて3カ所ずつ教わった。

澤村洋兵さんが切り撮った京都の紅葉

澤村洋兵(さわむら・ようへい)さん
1985年、京都府生まれ。美容師、料理人、バリスタなど、さまざまな職業経験をもつ異色のフォトグラファー。それぞれの仕事にて培った感性と器用さを武器に瞬間を切り取り、自分の色として表現。SNSを中心に作品を発信している
Instagram|@yohei_sawamura

<Favorite camera>
◎Leica Q2
◎Leica M10
◎Nikon Z 5

1|<蹴上>
南禅寺 三門

<Shooting point>
三門の迫力が伝わるよう、少し見上げるような角度で撮影。対比として人物を入れることで、より三門の大きさを強調している

日本初の勅願禅寺(天皇の発願によって鎮護国家などを祈るために建立された寺院)として創建された、臨済宗南禅寺派の大本山。重要文化財の三門や狩野探幽の襖絵など、見どころ多数。「迫力ある三門と紅葉の組み合わせはベタですが、何度見てもいいものです」
 
[撮影日]2021年12月4日
[使用カメラ]RICOH GRⅢx
 
住所|京都市左京区南禅寺福地町86
Tel|075-771-0365 
拝観料|一般600円、高校生500円、中小生400円

2|<東山>
真如堂

<Shooting point>
真如堂に入ると両サイドに紅葉が並ぶ場所があるため、その下から広角レンズで撮影。朝の時間を狙い、三重塔の方角から陽光を入れた

正式名称は、“正真正銘の極楽の霊地”という意味が込めらた「鈴聲山(れいしょうざん)真正極楽寺」。いつしか本堂である「真如堂」が呼び名として定着した。「紅葉の名所が集まる東山の中で、ほかのスポットよりも静かです。いつも紅葉散策の際の出発地にしています」
 
[撮影日]2021年11月27日
[使用カメラ]SONY α7R Ⅲ
 
住所|京都市左京区浄土寺真如町82
Tel|075-771-0915
拝観料|一般500円、中学生400円 ※季節によって変動あり

3|<高雄>
神護寺

<Shooting point>
大階段に沿った紅葉が見どころのため、手前にも奥にも人が入るタイミングを狙うことで大きさを表現。赤を強調し過ぎないよう加工した

高雄山の中腹に建つ古刹で、厄除けの“かわらけ投げ”でも有名。「神護寺は京都の中でも、真っ先に色づく場所。ここの紅葉がはじまると、いよいよ京都に紅葉が訪れるとワクワクします」。境内奥から眺める錦雲渓(きんうんけい)の景色も美しく人気が高い
 
[撮影日]2021年11月13日
[使用カメラ]Leica M10
 
住所|京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
Tel|075-861-1769 
拝観料|一般600円、小学生300円

コウノスケさんが切り撮った京都の紅葉

コウノスケ(こうのすけ)さん
生まれも育ちも京都な、生粋の京都人。京都の街が生み出す四季折々の風景や、神社仏閣で開催される祭り、イベントなどを中心に撮影。祇園祭では、スサノオノミコトの神霊をのせた中御座神輿に毎年同行して撮影を行っている
Instagram|@kyotophotograph

<Favorite camera>
◎Nikon Z 6
◎Nikon D750

4|<嵐山>
祐斎亭

<Shooting point>
時間帯によっては山影が入るため、陽光をチェックしながら撮影。現像時には反射する紅葉が実物と遜色がないよう注意を払っている

京都の舞妓・芸妓の憧れとして名を馳せた料理旅館「千鳥」の跡地。現在は染色作家・祐斎のアートギャラリーとして一般公開中。「生で見る紅葉も素晴らしいですが、何といっても机に映り込む丸窓の紅葉の美しさは圧巻。青もみじに雪景色と、通年楽しめる名所です」
 
[撮影日]2022年11月24日
[使用カメラ]Nikon Z 6
 
住所|京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6
Tel|075-881-2331 
入館料|2000円 ※予約優先

5|<奥嵯峨>
愛宕念仏寺

<Shooting point>
奥嵯峨の山沿いにあるためか、拝観者が比較的少ない撮影向きのスポット。茶色の紅葉が醸し出す、落ち着いた寺院の雰囲気を大切に撮影した
※紅葉のピークは10月後半〜11月前半頃

元は奈良時代に、東山に建立されたと伝わる。平安初期に鴨川の洪水によって被害を受け廃寺となるが、天台宗の僧により再興。境内には参拝者によって彫られた1200体もの石仏が並ぶ。「石像羅漢と紅葉のコラボレーションが醍醐味。橙色や茶色の落ち着いた紅葉に包まれます」
 
[撮影日]2022年11月17日
[使用カメラ]Nikon Z 6
 
住所|京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
Tel|075-285-1549
拝観料|300円

6|<山科>
毘沙門堂門跡

<Shooting point>
撮影に訪れたのは、木々の葉が色とりどりに染まる時期。現像時には、深紅の紅葉よりも、錦秋の色鮮やかさを表現することに注力した

七福神の一人「毘沙門天」を祀る天台宗の門跡寺院。文武天皇の勅願によって開かれた。「さまざまに色づく紅葉が楽しめる場所ですが、落葉の頃の敷き紅葉も見事です。紅葉終盤の雨の朝に訪れると、燃えるような真紅の落葉が、参道の石段一面に広がります」
 
[撮影日]2022年11月20日
[使用カメラ]Nikon Z 6
 
住所|京都市山科区安朱稲荷山町18
Tel|075-581-0328
拝観料|一般500円、高校生400円、小学生300円

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text: Natsu Arai
Discover Japan 2023年11月号「京都 今年の秋は、ちょっと”奥”がおもしろい」

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